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ミナガワキャプテンVS松高投手陣その①

 これは決して内紛ではない。どれだけ己のチームに力があるのかを計る言わば物差しだ。最初にミナガワと対戦するのは、当番僅か5試合で10イニングだが、右のサイドハンドから来るスライダーは一級品だ。ストレートは135㎞前後だが伸びがある。5人いる投手の中では1番レベルの低いピッチャーだが、油断は出来ない。キャッチャーは控えのトバシラが務める。尚守備は二軍プレーヤーが通常の体型で行う。

 ルールは簡単で、守備のいないフェアゾーンにボールを転がせれば、ホームランも同様ミナガワの勝ちとなる。三振かゴロフライアウトならミナガワの負けとなる。

 (マジかぁ!?俺速攻打たれるかも)

 「行くぞ‼」

 「うす!」(第一球はスライダーを低めに)キーン。ファールで逃げられた。(自慢のウィニングショットだったのに。)第二球目もスライダー。高めのストライクからボールゾーンに散らすはずだった。グワキーン!(来た)サノのコントロールミスを逃さずライトスタンドに完璧に運んだ。

 「う~ん。スライダーのキレは悪くないけど、もう1つか2つ変化球を覚えなければ一軍のマウンドは託せないかな。」

 この勝負はミナガワの勝ち。次はツチムラだ。クローザーとして全試合に出場。松高のオールコールドゲーム勝ちに貢献してきた。コントロールも去ることながら、ストレートは150㎞越えでフォークとスプリットと言う二種類の落ちる球を駆使する。あまり使わないが、カーブとカットボールも投げられる。

 「行くぞ!」

 「うす!」

 ツチムラの第一球目はインローのストレート。だがミナガワはこのボールをカットしてきた。(速いボールは続けられるのが厄介だ。)第二球目はフォーク、落としてきた。これは流石のミナガワも、空振りでツーストライクノーボール。(よし、追い込んだぞ‼ツーナッシングか、ここは1つ釣り球を思いきってインハイに!)バシーン。これはミナガワも、見送る。(釣り球を使うなんて随分と余裕なんだな?)第四球目はフォーク。これをミナガワはスルー。平行カウント。(次もストライクは来ない!)ツチムラの第五球はアウトローのストレート。惜しいがこれはボール。これでフルカウント(やっぱり勝負所ではストレートだよな。)(流石キャプテン。だが俺のストレートは仕留められない。)第六球目はストレートだ!しかもベルト付近。ガッワキーン!大きいぞ!入るか入るか入った‼クローザー、ツチムラから意地のホームラン。

 「やるじゃねーか。松高のキャプテン名乗るだけあるよ。」

 「キャッチャーがコンドウだったら、俺は負けてたかもな。」

 「かもな。」

 次は三人目、今夏加入の訳ありショウジだ。サウスポーの本格派だ。

 「行くぞ!」

 「うす!」

 第一球目はカーブ。これはファール。(いきなりカーブで来るか?もしかしたらリードしてんのは、投手陣の方なのか?)(次はストレートだろうな。緩急をつける為に。)(来た‼)カキーン!センター返し。

 「畜生!?」

 「慣れない事はするもんじゃねーな。バレバレだぜ。」

 次は四人目ウエハラ。ホシノと実力伯仲の左のエースだ。得意球はスクリューボール。

 「行くぞ!休憩しなくて良いのか?」

 「余計な心配すんな。行くぞ!」

 「うす!」

 第一球目はベルト付近のカットボール。

 「ボール!」

 (やっぱりそうだ。投手がリードしてるから、トバシラの構えてる所をチラッと見れば打てるかもしれない。)

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