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第二回山田玄助杯準決勝VS青森山田高校戦その①

 「うぉー、やるな仙台育英。あの桐生第一を五回シャットアウト15-0で勝つとは!?次に勝利したら決勝は仙台育英か‼」

 「その前に倒さなくちゃならねぇ強豪がいる。」

 東北最強クラスの打撃と投手力は抜群である。それが青森山田高校である。今大会ここまで全ての試合でノーエラー、無失点、と安定した強さを見せている。湿りがちな打線も豊富な投手力でカバーして来た。今夏甲子園では惜しくも準決勝敗退。代替わりした次の春の選抜には並々ならぬ想いがある。

 「まぁ、敵さんも思う事はあるだろうが、山田玄助杯の主催校として負ける訳には行かない。」

 「よーし、集合!」

 「うーす。」

 「先発はショウジ、打線は一番センター、スズキ 二番セカンド、イトハラ 三番ライト、フクドメ 四番キャッチャー、コンドウ 五番ファースト、ミナガワ 六番レフト、ジョーシマ 七番サード、シノダ 八番ピッチャー、ショウジ 九番ショート、カネトモ以上のメンバーで臨むぞ‼」

 「松高ーーファイオシ!!」

 松高に負けない声の大きさで、円陣を組む青森山田。松高第二グラウンドには野球部の活躍を聞いた野次馬で、溢れかえっていた。

 「ファイト松高!」

 松高はコイントスの結果後攻めとなった。初回、ショウジの立ち上がり。は、抜群に良かった。140㎞台のストレートを軸にカーブやフォークにスライダーにスプリットと多彩な変化球で今大会湿っている青森山田打線を抑えた。初回は三者凡退。

 「ジロー、ファイト‼」

 この試合は好調オカダを休養させる為、ブルペンキャッチャーで肩が良く足も速いスズキを久しぶりにスタメンに入れた。相手鉄壁のエース、ハセヤマの二球目のスライダーをセフーティーバント、これをフェアゾーンでキャッチした青森山田のファーストがこれをジャッカル(お手玉)しスズキは、ランナーで出塁する。二番イトハラは初球からバントの構え。イトハラは上手く無難にサード方面に打球を死なせたバント。これでワンアウト二塁。続く三番フクドメは、体調不良のクリバヤシに変わってスタメン起用の選手だ。

 「ボールフォア!」

 粘って粘って勝ち取ったフォアボール。最高の形で四番コンドウに回した。相手ピッチャーは右手サイドハンドで、スライダー系の球が主流だ。ストレートのスピードもそこまで早くない(精々130㎞後半)てとこだな。

 こう言うピッチャーは慣れてないが、すぐ慣れる球筋だな。第一球目は横のスライダー。

 「コイツたてスライダーもあるのか厄介者だな。」

 空振り。二球目も珍しく空振り。ノーボールツーストライクからの三球目、横のスライダーが来ると、体が反応した。ビュン、グウワキーン‼

 「これは入ったな!」

 手応えのある先制スリーランホームラン。

 「俺に同じ軌道のスライダーを投げたのが失敗だったな。」

 「ナイスコンドウ、流石頼りになるぜ。」

 キャプテンミナガワも負けじとヒットを放つ。

 「下山監督?あのピッチャー変化の少ない球種ばっかりっすよ。主戦のエースはベンチすかね?」

 「マウンドの投手は一番をつけていたが、必ずしも一番をつけた投手が良いとは限らないよ。」

 「ナイスバッティング。シノダ。」

 タイムリーツーベース。これで4-0。続け続け!

 「タイム!」

 (お、青森山田、の主戦を出すか?)

 投手はどうやら代えないようだ。蜂の巣にしてやれ。八番ショウジ、ツーアウトランナー二塁。シュカキーン!

 「これは入ったな。」

 打球はセンターバックスクリーンに吸い込まれていった。先発ショウジ、自らを援護するホームランで6-0。

 「やっと出てきたか?だがもう試合の流れはこっちのもんだぜ。」

 結局、松高はこの回もう一点を追加した。

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