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山田玄助杯~決勝日本文理高校戦決着~

 「相変わらず層が厚いな。うちはホシノが打たれたら、サノかツチムラしかいない。もう一人は本格派のピッチャーが欲しい所だが、無いものねだりをしても仕方ない。」

 (右のサイドスローか…。ファーストストライクをスタンドインさせたい所だが、ここは敬遠してくるかもしれない。慎重に行こう。)

 (一球目はカーブ、二球目はスライダー、三球目はスプリットフィンガーファストボール。三球目まで全てボール。ボール球を無理矢理打ってどん詰まりのゲッツーは絶対に避けたい所だ。ここは後のミナガワキャプテンに任せよう。)

 「ストライク!」(何!?インローのストレートだと?やられたぜ。的を絞りにくくなったぜ。)

 第五球、(待ってたぜセカンドストライク!)ガギーン!!ライトはもう見送っている。ホームランだ。均衡を破る先制のスリーランホームラン。四番のコンドウの一発。続くミナガワもキャプテンの意地でソロホームラン。4-0とした。NBはたまらず、ピッチャーを交代。その後は松高打線が爆発。連続四球で九番ホシノ(この回で決めてやる。)スクイズを選択したホシノに勝負の神様は降りた。ファースト方向に絶妙なバントヒットが決まり5-0尚ノーアウト満塁で一番オカダ。

 一発もあるが、ここは繋ぐ気持ちで軽打。センター前にクリーンヒット。6-0続くイトハラはレフトへの犠牲フライで7-0尚ワンアウト一、二塁で三番クリバヤシ。コンドウやミナガワの様な派手さは無いがそれでも立派に松高のクリーンアップを務めている。この男が魅せる‼フルカウントからの六球目をフルスイング!手応え抜群のスリーランホームランで10-0となり、五回コールドゲームが成立。松高はNBに勝利した。そして、第一回山田玄助杯の初代チャンピオンにもなった。

 「くそ!!」

 NBのベンチは悔しがるプレーヤーばかりだった。ベストメンバーじゃない事が敗因だったのかもしれないが、松高の野球は主戦の三年生がいても充分勝てる野球だった。影の王者の座についた松高誕生の瞬間だった。

 「礼!」

 「シタ!」

 「よーし、皆帰るぞ。」

 「監督、何で俺を変えたんすか?」

 「あ?」

 「五回途中までパーフェクトだったじゃないすか?俺なら、コンドウを抑える事は出来たはずです。五回コールドゲームなんて恥ずかしい結果は母校で待つ先輩に報告できません。」

 「それは結果論だ。それに、主戦のエース中村がいたとしても、フルメンバーだったとしても、確実に勝利出来たかは分からん。その位松高は良いメンバーを揃えていた。二年間公式戦に出られないのは、せめてもの救いだな。お前らも、松高の強さを忘れるな‼」

 「おす!」

 次は松高の時代になる。と言いかけたNBのコーチはそこで話をやめた。松高の恐ろしさを知った、NB一行は松高第二グラウンドを後にした。すでに松高のプレーヤーは全国レベルに達している。

 「これで俺達NBの目標は変わった。打倒松高と。皆今日の反省点を各自復習しておく事。」

 「おす!」

 こうして第一回山田玄助杯は松高の優勝という形で幕を閉じた。

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