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プラクティスゲーム その④

 「あ、いたいた。コンドウ!ちょっと良いか?」

 「おす。」

 「次の練習試合の相手決まったぞ‼」

 「え?どこすか?」

 「県立新発田農業高校だ。」

 「シバノウか…。分かりました。部員には各位通達しておきます。」

 ガヤガヤ

 「おい、トウマどうした?」

 「時を少しだけ戻すぞ。ケイタが来る5分前の事だ。」

 「県外の高校と試合したいだと?」

 「誰だそんな身の程知らずの事を言ったのは?今の松高の状況分かってんのか?新潟県内で負けなしになるまで、県外のチームとはやらん。良いな!お前らのデビュー戦はお前らが3年になる春季県大会からだ。それまでの2年間は地獄の下積みだと思え!」

 「嗚呼ケイタ、スゲェ迫力だったよ。ヤマナ打撃コーチ。」

 「トウマ、次シバノウだってさ。」

 「新発田農業?」

 「ヤマナ打撃コーチの言う通りだよ。NMやNBに勝ったって言ったって控え中心だからな。有頂天になるには早すぎるよ。次の試合のオーダーが楽しみだな。じゃ‼」

 「ケイタ、何処行くの?」

 「打撃練習場。後100スイング残ってんだ。」

 ビュン、ビュン、ビュン、ビュン、ビュン。

 「そうそう、風を切るように。」

 「あのお…。コンドウさん。俺の球10球で良いんで受けてもらえますか?」

 「良いぜ。何だよ改まって?」

 「全球ストレートでいきます。」

 「変化球は投げないのか?」

 「いやはや、実はしょんべんカーブしか投げれないんすよ。」

 「はぁ?まぁ、事情は分かった。構えろ!」

 バシーン!‼

 「おい、いきなり100%かよ?」

 バシーン!‼

 「スゲェ。ツチムラ158㎞だってさ。お前にフォークとカーブの握り方を教えてやる。ツチムラは抑えがぴったりかもな。とりあえず、早急にカーブとフォークmasterしてくれ。」

 「コンドウ、ありがとう。」

 「おう。」

 たまにはBマシンでもやってみるか。

 ビュン、カキーン。

 「スゲェ!ちゃんと芯でとらえられてる。設定155㎞になってるのに。流石だなヤマナ打撃コーチは。」

 「よーし、皆集合!」

 「おーす!」

 「明日の新発田農業高校との練習試合のオーダーを発表する!」

 「一番センター、スズキ 二番セカンド、イトハラ 三番ライト、クリバヤシ 四番キャッチャー、コンドウ 五番ファースト、ミナガワ 六番サード、シノダ 七番レフト、ジョーシマ 八番ショート、カネトモ 九番ピッチャー、ツチムラ以上だ。」

 「マツゾノさん!?ツチムラは…。」

 「分かってる。ストレートだけで一イニング限定だ。サノ、2回からはロングリリーフだ。」

 「うす。」

 「うちとしては、ツチムラの情報は出来るだけとられたくない。それにカーブもフォークもろくすっぽ投げられないなら長いイニングは持たないだろうしな。」

 翌日…。

 「今回は新発田農業高校のグラウンドでやる。その為に、このバス二台でいく。」

 「このバスは…。」

 「マツゾノさんとヤマナ打撃コーチが、買ってくれた。」

 「え?マジすか。あざーす!」

 「俺達のユニフォームと同じスカイブルーの大型バス。かっけぇ!」

 「運転も任せろ。」

 「安全運転でお願い申し上げます。」

 「懐かしいな、ヤマナ。」

 「嗚呼、昔はこうやって玄助さんに連れていってもらったっけな。」

 「汚くて、ボロくて、汗臭い。それが松高の伝統だもんな。今はきれいだけど。」

 「対戦相手は夏一回甲子園に出てる古豪だ、夏の予選を控えた三年生ばかり。これまでの様には行かないぞ?」

 「おーす!」

 「集合!」

 「礼!」

 「しゃーす!」

 こうして新発田農業高校との練習試合は、始まった。

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