爆進猛打
ヤンキースのチーム全体が上り調子だったが、それを牽引していたのは、ケイタ・コンドウであった。メジャー二年目で初めてファン投票ぶっちぎり一位だったケイタ・コンドウは、さらに打撃好調だった。爆進猛打。それが今シーズンのケイタ・コンドウのスローガンであった。
初めて臨んだオールスター戦は、オールアメリカンの四番キャッチャーで、先発出場した。第一打席。早速、挨拶代わりに先制の二点本塁打。ケイタ劇場が始まった。第二打席はボール球を無理矢理パワーで押し込んでソロ本塁打。第三打席はノーアウト満塁で、オールナショナルのエース、スティーブンから満塁本塁打を放つと最終第四打席は四打席連続本塁打となる三点本塁打を放ち、オールスター史上初の本塁打によるサイクル本塁打を達成して勿論、MVPを取った。オールアメリカンはケイタ・コンドウの10打点の活躍もあり、15-8でオールナショナルを下した。
オールスター戦直後も、ヤンキースの快進撃は続き、8月下旬には異例の早さで地区優勝を決めた。最終的にはニューヨーク・ヤンキースは、120勝25敗で、圧倒的な強さを見せた。二年目のケイタ・コンドウの最終成績は、打率、4割4厘、本塁打80本、RBI(打点)300、盗塁105、安打数400で打撃主要部門全てでトップに成った。
チームはポストシーズンも完勝が続き二年目のシーズンもワールドシリーズに進出した。相手はナショナル・リーグの猛者ロサンゼルスドジャースとのワールドシリーズに臨もうとしていた。
「ねぇ?貴方?出来ちゃったみたい。」
「え?」
「今日クリニック行って来たんだけど…。」
「まさか!?」
「4ヶ月だって!」
「ベビーシッターを雇おうと思って。」
「良いんじゃないかな。」
「時給100ドルで応募かけたら山のように求人が来ちゃって、どうしようかなって思ったんだけど、この人にお願いする事にしたの。ジョナサン入って!」
「イサミちゃんの事はお任せ下さい。」
「よろしくね。ジョナサン。」
「さっすがはニューヨークのデビルマン、ケイタ・コンドウねぇ。」
「時給100ドルじゃあ不満か?」
「そうじゃないんです。」
「ニューヨークでは、スターかもしれませんが、他球団から見たらどんな球も打ち返すデビルマンですよ。」
「そっかぁ。俺はデビルマンか…。」
「貴方の力が認められた証じゃない?」
「あと三年はニューヨークにいるつもりだからな。」
「何!?移籍するなら早めに言ってよね。色々あるんだから!」
「貴方の勝手だけど、折角友達が増えたのに。ねぇ、ジョナサン?」
「それより貴方、今日はワールドシリーズの初戦でしょ?」
「ヤンキースタジアムだから、すぐそこね。」
「じゃあ、ジョナサン、イサミと聖子の事よろしくね。」
ヤンキースはホームで連勝してロードに乗り込むもロードで三連敗しホームに戻ってきた。その後第六戦はケイタ・コンドウの代打サヨナラ本塁打でタイに戻した。第七戦に全てがかかる。
実はヤンキースはケイタ・コンドウをコンディション不良で欠いており、第三~第五戦までは出場できなかった。混戦を見せたケイタ・コンドウの二年目のシーズンは、三打席連続本塁打の固め打ちでヤンキースは、ドジャースを振り切った。二年連続のワールドチャンピオンとなった。
「今シーズンは最高だった。来シーズンも最高のパフォーマンスを見せたい。」
と、ワールドシリーズMVPを二年連続授賞したケイタ・コンドウであった。




