プラクティスゲーム その②-1
(次は下へ落とす。打ち気になっている相手もビックリのお化けフォークだ。)
(ケイタ、今日は俺にまっすぐを投げさせ無い気か?まぁ、いいや。後ろにはツチムラやウエハラもいることだし。)
(ツーシームを右の低めギリギリに。どうせ打ってもゴロにしかならない球をサイン)、と。
(よっしゃ‼それで行こう!)うなずく、トウマ
「ストライク!バッターアウト!」
(見逃しかよ。振ってくると思ったが…。)と、
まぁ、こんな感じでトウマは5回を投げて10奪三振、被安打ゼロと、NBをパーフェクトに抑えた。打っても下位打線がつながり、8安打7得点を奪い1回と合わせると10安打10得点、規定により5回コールドゲームで、2連勝とした。
この試合を見ていたNBのマツモト監督はひどく怒っていた。
「お前ら明日から三軍と交代だ‼だらしない試合をするな。みっともない。adviceもなしだ。」
と、まさかの5回コールドゲーム負けに悔しさを隠せないマツモト監督であった。
「お前らの実力は本物だという事が今日の試合で証明された。只のゴロツキヤンキーズではないという事がな。」
(マツゾノさん、ヤンキースにかけてんのかな?)
「んな、くだらねぇ事より練習試合またお願いしますって言って来いよ。ミナガワ。」
「うす。行ってきました‼」
「それでどうした?」
「次は一軍と試合しようと言ってもらいました。」
「よし‼それで良いぞ。」
「NBの一軍かぁ…。甲子園常連の強豪と試合やれるなんて夢にも思わなかったな。」
「トウマ、無かったじゃなくて。思わないなぁだぞ。」
「ああ、そうそう。それよりコテンパンにやられる方が俺達の為になるな。」
「まぁ、抑えられるならそれはそれで良いんだけどな。」
「集合!」
「気をつけ、ありがとうございました‼」
「今日はここでおいとまします。」
「流石、古豪の松高打線は健在でしたね。良い選手も沢山いて、データは取らせて貰いましたよ(笑)本チャンは2年後の春からですね。」
「はい。こうして練習試合をお受けして頂くだけで、感謝しています。こちらもまだメンバーが固定されていないので、その辺のやりくりに困っています。」
「マツゾノさん、にヤマナさん。どちらも松高出のスーパースターじゃないですか?そのくらいお手の物でしょう。」
「自分でプレーするのは簡単なんですが、人に教えるのは難しい事なんですね。では、今日はここで失礼します。」
「気をつけて。」
「NBのマツモト監督っていやあ、10年前の夏の甲子園決勝までを指揮した名将じゃないの?」
「まぁ、追い上げむなしく愛知のTT高に負けちゃったけどな。」
「俺達も甲子園行きたいです。そして優勝したいです。」
「まずはどのチームよりもバットを振り込む事だな。マックでハンバーガーを食べるより、家でお母さんの栄養のある飯を食って勉強する事だ。」
「ああ、勉強はちゃんとやろうな。」
「うす。」
「野球バカにはなるな。」
「暴力や酒、煙草に手を出さなきゃ自由にやれ、お前らはまだ若い。」
「よーし!今日はここで解散だ。」
「うす。」




