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新潟県立松浜高等学校野球部

 「おい!ケイタ?グローブなんか持って。野球部は、不祥事続きでこの春から2年間対外試合禁止なんだぜ?俺達1年生が3年生の春になるまで試合出来ねぇんだよ!」

 「分かってるよ。でも野球ヤりてぇんだよ!トウマだって野球やりたくて松浜高校に入って来たんだろ?」

 「まぁ、そうなんだけどよ。悪さした2年の奴等は責任とって全員辞めてるけど、2年後の春から対外試合出来るって事は、俺達が甲子園に行くチャンスはたった1回。3年生の夏だけだ。」

 「プロ野球選手になりたくて、野球始めたのは小学4年生の時。リトルリーグで結果出してトウマと松浜高校(松高)に野球推薦で入れた時はマジで嬉かった。でも入学してからは想像してたあの憧れの松高ではなかった。部員は遊び放題。酒や煙草は当たり前。女連れ込んでsexしてる始末だった。監督もコーチもおらず、正式な野球部は形骸化していた。野球部というよりは大学の野球サークルに近かった。」

 「でも、俺は諦めないよ。高校生が部活もしないで帰宅してやることなんて、バイトか女だろ?そんなの俺は嫌だ。」

 新潟県立松浜高等学校は、甲子園出場春夏通算30回。優勝15回の野球の強豪高だった。だが、野球部が荒廃したのは、5年ほど前から。松高黄金時代を率いた山田玄助が退任してからの事である。後任の下山太一教諭は松高野球部出身だったが、プレーヤーとしての結果に乏しく、野球部員から馬鹿にされていた。やがて野球部は、ヤンキーの拠り所になった。

 名門私立の復活もあり、ここ10年で松高は2回戦に行けるか行けないかの体たらくであった。本編の主人公、コンドウケイタ(1年)は、密かに名門松高野球部を復活させる事を志すオールラウンドプレーヤーであった。また親友のホシノトウマ(1年)も同じ野球部に所属していた。

 「とりあえずまずは、セレクションをしよう‼」

 「セレクション?」

 「野球部とは名ばかりだが、松高の野球部に推薦で入学してくるのは、40人いる。」

 「上級生は、全員辞めてるしここはこのケイタコンドウに任せなさい。40人を20人絞る。見るのは、打撃、遠投、ダッシュ、キャッチボールの4項目。1項目100点満点で合計400点。上位20人がセレクション突破となり、下位20人は野球部を辞めてもらう。」

 ピーンポーンパーンポーン。「ええ、うん、野球部よりお知らせします。今年度入部の40名は、運動の出来る格好で16:30分までにグラウンドに集合して下さい。尚、このセレクションは強制ではありませんので、よろしくお願いいたします。」

 ピーンポーンパーンポーン。「ったく何だってだよ。今日は17:00から合コンがあるってのに勘弁してくれよ。」

 「え~。人数数えますので、並んでくれ。」

 「1、2、3…35人ですね‼」

 「おい!ケイタちょっと‼」

 「どうした、トウマ?」

 「アイツが来てないんだ。」

 「アイツ?」

 「M中学のエースで最速146㎞、スライダーにフォーク、ツーシームを投げる本格派のエースピッチャーだ。日本文理(NB )や新潟明訓(NM)の推薦を蹴ってわざわざ古豪の内に入学してきた奴なんだよ。」

 「分かった。来てない奴は後日チェックしよう。」

 「よーし。始めよう!まずはストレッチからランニングをしてセレクションを始めます。」

 こうしてトウマをピッチャー。ケイタをキャッチャーとして、キャッチボールやダッシュ、遠投やバッティングを行った。

 「よーし、これで最後だ。フリーバッティングをする。希望者は3球1打席のみ受け付ける。」

 「おい!ケイタ。俺に何球投げさすんだよ?肩いてーぞ。」

 「希望者は10人、30球位どうって事ないだろ?そんな事じゃあ背番号1、危ういぞ。」

 「ったく。しゃあねーな。」

 一人目は日本球界の産み出した世界1の安打製造機イチロー・スズキの再来なるか。新潟版イチロー、土村塁3球のうち1球はトウマのスライダーを完璧にとらえた。これは好評価。

 「試合じゃねーからまぁいいか。」

 結局フリーバッティングを志願した10人は土村以外ヒット製の当たりを打つことは出来なかった。

 途中で、ウエハラというストレートだけバカ速いボンクラがトウマとバッティングピッチャーを交替するように迫ったが、公平制をきすためありがたくも、断った。

 左投げ左打ち強肩強打のセレクション満点合格の猛者も現れたが、果たしてセレクションの結果はどうなったのであろうか?

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