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チートを貰って旅立ちました

「それでは質問を始めます」

「よろしくお願いします」

「では質問その1、姉か妹は居ますか?」

「居ませんね、一人っ子です」

「質問その2、幼馴染の類いは?」

「居ませんね、昔から引っ越しの繰り返しでしたから」

「質問その3、女性の友人は何人程?

「居ませんね、そもそも友達が居ません」

「質問4、彼女は居ましたか?」

「居ませんね、友人も居ないのでそらね?」

「質問5、ファーストキスは済ませましたか?」

「あっそれは済ませましたね」

「えっ嘘っ!?」

「覚えてる限りでは幼稚園生の頃母親と」

「あっ、ああ……成程、家族は解答に含めない様お願いします、滞りが起きますから」

「あっはーい」

「質問6、最後に女性の肌に触れたのはいつですか?」

「肌ですか……しかも家族は含まないとなると……小学生の林間学校でのフォークダンスですかね」

「小学生ですか?中学、高校でも機会は……」

「男女で手を繋ぐ場面は有りましたけど相手が嫌がって頑なに繋ごうとしませんでした」

「あっ、はい、では質問7、です」

「その憐れみの目を止めていただけません?」

「では気を取り直して、最後に女性と雑談をしたのはいつになりますか?」

「今です」

「私も解答に含めないで下さい」

「じゃあ……ん……雑談、雑談?

すいません、何処からが雑談ですか?」

「質問7はもう結構です、なんとなく察せましたので」

「これで良いんですか」

「では質問8、カップルを見たらどう思いますか?」

「一部の例外もなく破滅してしまえば良いと思いますけど」

「はい、質問9です、友情と愛情、どちらを取りますか?」

「どちらも持ってないんですけど」

「はい、次で最後の質問です」

「あっ解答今ので良いんですか」

「質問10、童貞ですか?」

「途中から思ってましたけど喧嘩売ってますよね?」

「違います、これは万が一を避けるために重要な事なんです」

「……まあ童貞ですけど?」

「はい、今までの質問を元にあなたに最適なチートを導き出した結果ですが、非リアチートに決定しました」

「やっぱり喧嘩売ってますよね?」

「違います、これは歴としたチート能力です」

「まあどんなチートか聞いてみます、話はそれからです」

「はい、このチートは、あなたが非リア充であればあるほど、リア充から遠ければ遠いほどステータスが上がるというチートです」

「なんだそれ……」

「更にはあなたと対峙した相手がリア充であるほど、相手は弱体化されます」

「ほうつまり?」

「絶対的に非リア充であればあなたが強くなり、相対的に非リア充であれば相手が弱くなります」

「そもそもなんで能力の発動条件が非リア充なんだよ、他にもいろいろ有っただろ」

「まあ他にも有りましたけど、あなたが使って一番強力なのがこれだったんです」

「他のそんな弱いんですか?」

「いえ、チートの強さは余り変わりません、使い手によって大きく変わるのです」

「でも待って下さいよ、確かに僕は非リアですけど異世界に行ったら変わるかも知れないじゃないですか!」

「……ソウデスネ」

「棒読みを止めろ、目を反らすな」

「ともかくチートも決まったので行ってきて貰いますね」

「あっこいつ強引に話打ち切りやがった!」

「それでは行ってきて下さい、数日分のお金はポケットに入ってますので」

「あっ体が沈む!クソッ!今度会ったら何か手頃な復讐してやる!」


こうして僕は異世界転生する事になった

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