穴あき四次元ポケット
輝いていたのは僕か 世界か
昔々 僕は幸せだった
毎日新しい幸せが降ってきて
その上いつも一つ一つが 生き続けて
僕のポッケで 暮らしてた
でも知らないうちに そこに穴が空いた
何をやっても
誰と話しても
破れたポッケからは
何も見つからない
出てこない
過ぎ去ったあの日々は もう戻らない
昔々 僕のポッケは4次元で
いっぱいになることはなかった
それでも僕は 満たされていた
でもいつからだろう
何もないところばかりを見はじめた
幸せと幸せの 隙間に目を向けた時
四次元は四次元でなくなって
ポケットもポケットでなくなった
そして全ては 失われる
なくしたものばかり 気にするのはやめたいのに
僕が見ているのは 後ろばかり
穴あきの ポッケの中に 手を突っ込んで
僕はまたとぼとぼと
歩き出すんだ
―――
「僕は世界一不幸な少年だ~っ!!」
のび太君の名台詞。
ドラえもんという、超ジョーカー的な存在を手に、何を言ってるんでしょう。笑
まぁ、これは極端な例ですが、似たようなことはたくさんあります。
自分が不幸だと思うより、幸福であることに気付くほうがよっぽどいいと思うのですが……
それがとてつもなく難しいような気もします。