街の灯
友達と別れた後
暗い電車の窓
僕は一人きりで
「彼」と向き合った
街の灯を背に
浮かび上がった暗い顔
さっきまでの
「笑い」の仮面も
いつの間にか
剥がれ落ちていた
通り過ぎる
あの街を 歩くことなど
もうないけれど
忘れられない想いが
そこにあるんだ
大音量のイヤホン
流れるのは悲しい響き
僕は一人きりの 放浪者なんだ
美しい旋律に乗って
聞こえる優しい声
問い掛けるように
諭すように
語りかける
通り過ぎる あの明かり
届くはずもないから
ただ輝いているだけなんだ
手にしたカードは
ハートの10
簡単には捨てられず
切り札には出来ない
でもそんなカードでも
勝負しなきゃならない時もあるんだ
行き過ぎる あの街を 歩くことなど
もうないけれど
あの輝きは 忘れない
暗い電車の窓
僕らがいた痕
行き過ぎる街
―――
この中で「僕」が聞いているのは、The Eaglesの、「Desperado」です。
この曲を知らない人は、ぜひ聴いてください。
そして、出来れば歌詞も調べて、なんとなく頭に入れて曲を味わってみてください。
真冬の夜、街中を走る電車に乗りながら聞くと、心臓が締め付けられるような思いがします。