眠らない街
朝との境目が迫る頃
赤い目をこすりながら
大通りをゆっくり歩いた
昨日少し飲み過ぎて 頭が重い
でかい思いを抱いてこの街にきてから
ちょうど十年
そろそろ むなしでで生きることに
疲れてきたんだ
一緒に夢を追いかけてきた仲間達
昨日も最後まで
誰も諦めちゃいなかった
でも それでも
僕は手を放してしまった
お前ら 絶対諦めんなよ
絶対に未来は開ける
僕にそれを待つ力がなかっただけなんだ
頑張れ
負けんな
最後に歌った 応援ソングを思い出しながら
夜明けの風の気配に身を委ねてた
眠らないこの街で
一体いくつの夢が
音も立てずに
崩れ去ったんだろう
眠らないこの街は
夢を見ない
ここにはただ リアルがあるだけ
人は夢をなくしては 生きられないから
この街が 冷たく見えるのかな
でも人は 夢の中では 生きられないから
この街で 光を目指すんだろうな
一方夢を捨てた僕は
夜が明けて
本当の
空しさを知るんだ
―――
「眠らない街」とは、「東京」です。
東京に住んでいて、「ここ」にサクセスストーリーが落ちているとは全く思えないのですが、それでも、かたくなに夢を描いています。
「成る」かどうかは別にして、「何か」にはなると信じて……。