国境の向こう
見ているんだろ? 聞こえてないのか?
苦しむ子供等 彼等を狙うハゲタカ 何故誰も助けないんだ
誰かを待っていて 動き出さない人々 誰もが偽善の涙を流してる
可哀相なんて 口に出すだけ 差し延べる手もないくせに
助けたいなんて 涙を拭って 一体誰に言ってるんだ
国境の向こう 当然のように 向けられた銃口
たった今 引き金を引いた彼は 昔家族を撃たれた男
生きて ここにいること その価値も忘れ ため息だらけ
いっちょ前に悩んでる
どうして僕らは気付けないんだろう? どうして満たされないんだろう?
聖人ぶっても 理想を語っても 自分を捧げはしない偽善者
国境の向こう 同じ地球の上 そう同じ人の声 この命の鼓動
知ってるはずさ
痩せこけた少女の僅かな希望
聞こえたはずさ
死にかけた子供のはかない祈り
気付いたはずさ
奪われた者の微かな光
見ていたはずさ
瞳に秘められた輝きを
僕には世界は変えられない 彼らを救うなんて 驕りもない
愛の意味さえ見えない僕に 彼らの痛みなど知るよしもない
ただ 確かなことが一つ
国境の向こう 今もまた 向けられた銃口
引き金が引かれた時 吹き飛ぶのは 僕らと同じ 人の命
消えるのは 一つの光
―――
マイケルジャクソンの“Earth Song”と“Man in the Mirror”、それにミスチルの“タガタメ”を聞きながら作りました。
どんなに悩んでも、自分ひとりでは世界は変わらない。
誰かを救えるほど偉くもない。
そんな自分に出来ることといえば、こんな詩を、こんな言葉を、書き続けていくことだけなのかもしれません。