Mfalme
小さな子が 指さして笑う 大人達も おもしろがってる
シャッターをきる音 TVカメラも“彼”をうつす
狭い檻の中 ぐるぐると歩き回る 金色の影
虚ろな目が 見ているのは 太い格子なんかじゃない
檻の中で 生まれ育った 風のにおいを 知ることも出来ない
でも彼の目は 草原を見ている 空の彼方を
閉じ込められた 若き王
お前の中に 流れる血は 草原の覇者 自由を纏い 天に吠えた王者のもの
見世物にされ 見世物として 死んでいく
自由を奪われ 手なずけられて 牙は折れて しまったのか
無限に続く その歩み 同じ所を歩き続ける
その顔を上げろ お前はまだ 声を失ってないから
吠えてみせろ お前の声を 聞かせてくれ 轟かせるんだ 王者の誇りを
笑った奴らに 教えてやれ
檻の中でも その牙は 折れてないこと
虚ろな目は まだ死んじゃいない
遠くを見つめ 空の色に染まっただけ
閉じ込められた 若き王 まだ折られちゃいない まだ死んでない まだ吠えられるから
顔を上げてくれ お前は王なんだから
―――
“Mfalme”とは、スワヒリ語で“王”という意味です。
ちなみに“ライオン”は“Simba”。
正直、“Simba”って題名にしたかったんですが、あまりに知られ過ぎてるんでこっちにしました。
でも、名前も含めて結構気に入っている一作です。
さてさて、“時は戦国”の後書きに書いた“うれしい事”、ここで自慢しちゃいますw
実は、先日、京都学園大学人間文化学会 “ケータイ学園文芸賞”というのに応募しまして……
“優秀賞”!!( ̄ー ̄)v
大賞は逃したけど、自信にはなります!
これから、これまで以上にがんばっていきますので、よろしくお願いします!
田中 遼