貴女に捧ぐ
貴女は僕に 微笑んだ 貴女の声が昔のままで 余計悲しくなったんだ
痩せたのを 病院食のせいにして 笑ってたけど
貴女は昔から 嘘をつくのが とても下手だった
お願いだ 強がらないで
このままじゃ泣いてしまうよ
声がかすれた
貴女はとても 辛そうだった “貴方にだけは 見せたくなかった”って
お願いだ いかないで 僕の願いはそれだけなんだ
どんなことでもしてあげる
だからお願い いかないで
貴女のママが言ってたよ
貴女は僕を待ってただけで 会えた後すぐ 貴女が空を駆け登るって 分かってたって
貴女はあの瞬間 生きていること自体が 奇跡だったらしいね
ごめんよ でも貴女との 約束は 果たせない
ほら見てよ 涙がとめどなく 流れてく
止められる訳がないんだ
今でも 貴女がそばにいるような 気がする
どこかで生きているような気がするんだ
だけど貴女はいってしまった
涙の痕を 風が撫で 俯く僕に 光がさした
風の中 僕の中 光の中に 貴女が見えた
ありがとう 貴女がくれた 全てのことにお礼を言うよ
ありがとう そして さよなら……
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半分フィクションですが、半分はノンフィクションです。どのあたりが本当で、どのあたりが創作なのかはあえて書きません。
世の中、知らなくていいこともあると思います。