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秋本理子は、優しいS系男子がお好きなようです

 ──今度の休日お暇で、私に「付き合ってやってもいいよ!!」って思ってくれるなら、付き合って──


 と先週こんなメールを頂き、今に到る。此奴なりに精一杯気を使った結果、嫌に回りくどく、何だか分かりにくい文章に変化してしまったらしい。

 此処は俺のマンションの自室。成人男性一人暮らし。そんなに物がないせいか、片付いている。んでそのリビングに俺達二人は直接尻を着いて、他愛の無い話をしていた。

「秋本理子先生。世の中何時の時代でも“少女漫画”は人気ですが、秋本理子先生はどんなシチュエーションが好きですか?」

「良いねぇ、直球。私そういうの大好き~」

 俺が入れた麦茶をきゃっきゃしながら吸い込むと、“かすっ……”と指を鳴らした。だがすぐに違和感に気が付いたのか、眉間に皺を寄せてくる。

「何故に敬語……?」

「気分的?」

 俺の適当な返事ににもさして気を留めず、あっさりと質問を切り返す。

「まぁいいや。最近は『S系男子に壁ドンされたい』って子が多いと思うんだけど、個人的には“優しさの塊で出来たS”に弄られたい」

 すげえ我が儘だか、複雑な注文をしている。つか“優しさの塊で出来たS”ってなんだよ……!? 優しいSがこの世にいるのか……?

 そんな俺の疑問が顔面に諸に出ていたののだろう。秋本理子は獲物を横取りして、さも自分で取ってきたかのように得意気に振る舞う飼い猫のようだった。まぁ、餌の横取りは見た事あるが、そんな猫がいるはずないな。

 勝手に脳内で納得していると、秋本理子は服のポケットからスマホを取り出し、さっさと検索を始めた。とても機械音痴とは思えない程の鮮やかな手付きだ。

「うーん。あんま良い画像ないね。まぁ例を出すと、人前でいきなりキスとかして、目立って恥ずかしがる彼女に向かって……」

 不意に目つきが変わり、獲物をいたぶる蛇のような顔になった。まぁ子供が見たら泣く。そして泣いている子供が見たら泣き止む。わぁー、超不気味ー。

「『ん? 恥ずかしいの? 照れ屋さんだなー』とか……!! 満面の笑みで頬をつついて欲しい。うわーうわーうわーうわー!!」

 一瞬にしてちりちりと頬が赤くなり、束ねられた長髪がぶわっと逆立った。どうやら想像したようだ。全く、作家の想像力は馬鹿にならん。

「でさ、でさ、でさ………!!」

「はい、ストーップ。今のお前にこれ以上何も言わせないのが俺の役目だ」


            ─終─




S系男子に壁ドンされたい。


っていうのは、完全に私の偏見です(;´Д`)


最近はどうなんだろ……(._.)φ


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