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闇仕事  作者: 服部航海
2/2

第2話:初仕事

小説って書くの難しいですね

階段を降り続けること5分。

ようやく一つの扉が闇の中から現れた。

この先に何があるのだろう?

不安と恐怖もあったが好奇心の方が強かった。

ドアノブに手を置き深呼吸してからゆっくりとドアを開いた。



扉の向こうは小さなバーのようになっていた。

テーブルが二つとカウンターにも座れるようにイスが何個か並んでいる。


人はいない。




しばらく黙ってあたりを見ていると部屋の奥にある扉から人が現れた。

「いらっしゃい」

でてきた男は黒のスーツをきたロン毛の男だった。


男はカウンターに立つと隆司に言った。

「あんた、初めての人だね?ここにきたってことは少しはわかってんだよね」


隆司は頷いた。


「ここは表ではない、裏の仕事をお客に提供している闇仕事案内所。略して『闇事』って呼んでんだ。今ある仕事は…」


男はカウンターの下から本のようなものを取り出し置いた。


隆司は近づき本を見た。

表紙には闇事と書いてある。


隆司は本を開いた。

1ページ目。

『人殺し』と書いてある。

次のページ。

そこには写真、理由、実行期間、金額などが詳しく書かれていた。


パラパラとページをめくる。

隆司はこんなに殺してほしい人がいるのかと驚いた。

「この中からやりたい仕事をするだけでいい。やりたいのはありますか?」


男の問いに隆司は迷った。


本当にできるのか?恐い。しかし求めているものが手に入る気がする…


隆司はページを開き男を見た。

「これをしたい」


男はそのページを見て言った。

「かしこまりました」




隆司が選んだのは夫を殺してほしいという女性の依頼だった。

理由は、結婚してから奴隷のように扱われ、暴力も毎日のように続いているとのことだった。

金は一千万。

場所は隆司の住む街のとなり街であるという近場であるのが隆司の選んだ理由だった。

男が隆司に説明する。


「ターゲットは三日後に愛人と会うのでその日に実行してください。仕事を終えたらこの携帯で連絡してください」


そう言って男は携帯と電話番号の書いた紙を渡した。


「どうやって殺すんですか?」


隆司が質問すると男はカウンターの下から銃を取り出し隆司に渡した。


隆司は弾の入った本物の武器を持ち実感した。


これは現実なんだと。






三日後


バイトは休み。今日は実行の日。隆司は家でテレビを見ていた。

しかしいつも笑えるはずのお笑い番組も集中できない。

時計を見る。午後九時。

隆司は準備を始めた。


ポケットに電話番号の書かれた紙と携帯を入れた。そして机の引きだしを開けた。

中には銃が置いてある。

隆司はそれをつかみバックにいれた。

ターゲットはとなり街。

隆司は部屋を出た。







一時間後


隆司は大きな公園のしげみに身をひそめていた。

夜の公園に人はいない。


時計を見る。10時。

「そろそろだ…」

すると一人のメガネの男が現れた。

その男がベンチに座った。

「あいつだ!」


隆司はバックから銃を取り出した。


心臓が高鳴り出し汗が尋常じゃないほど体からでてくる。

ここにきてわかった。


自分は取り返しのつかないことをしようとしているのだと…

しかし欲望は押さえられない。

隆司は決心し、しげみから飛びだしターゲットに近づいた。




隆司は男の前に立ち黙って見ていた。

男は隆司を見て立ち上がり言った。

「なんだ。てめぇ!」


「………」


隆司は無言で右手に持っている銃をゆっくりと男にむけた。


「おい!おもちゃなんか向けたって怖くねんだよ !」


隆司はニヤリと笑った。


「お…」


思いきり引き金を引いた。公園に銃声が鳴り響いた……






「…はい。今終わりました。これからどうすればいいですか?………わかりました。明日また」


電話を切った。

隆司は男を見下ろす。


ひたいに穴があき眼を見開いている。

後頭部からは血がでていて地面を真っ赤に染めていく。


隆司は黙っていられず走りだした。


人を殺すことなど簡単だ。罪悪感、後悔はない。 引き金を引いたとき実感した。


キモチイイ


これが今まで求め続けていた快感だと。


隆司は込み上げてくる満たされた感情を抑え切れず狂ったように走り続け笑いが止まらなかった。

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