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プロローグ
プロローグ
金の太陽と銀の月、二つが巡る不思議の地には、いろんな国がありました。
世界のずっと、西の果て。ぽっかり浮かぶ緑の島も、ひとつのりっぱな国でした。
都の少し、北の方。山を背にした湖の、大きな湖上の真ん中に、島が一つ、ありました。
その島には、鏡のように煌めく湖にふさわしい、それはそれは美しい神殿が建っておりました。
神々に仕える巫女達が侍る、不可侵なるその奥の奥に、水晶のように美しい髪と、この世の穢れを映す事のない、清らかな瞳を持つ御子がおりました。
このお話は、御子様と、その尊きお方を守護する騎士と、そんな二人に縁する者達の物語です。