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愚者は踊る  作者: 君河月
第一章 召喚編
12/21

第十一話 俺自重。

 建国記念祭当日、空が白みかけ城下街は既に賑わっていた。今も外から賑やかな声が、ここまで聞こえてきている。

 俺はふと、左手首に巻いている腕時計を見て確認した。


 ―06:47―


 そろそろ、セイナーレが俺を呼びに来る頃だろう。念の為に雪緒と絆は、鞄を預けて何処でもドアで街の方に逃げてもらっている。今までの暗躍の中で、二人の説得が一番大変だった……。

 

 もの凄いごねられた。寧ろあの時、精神的に死ぬかと思ったよ……。

 特に絆はヤバイ、マジヤバイ。


 ――魔術を詳しく教えてもいないのに、俺に催眠の魔術を掛けてきた。絆には俺の体質? を説明していなかったので、俺の魔術抵抗力(レジスト)があったから効かなかったが、万が一効いていた場合には、何をしていたんだあの娘は?

 ともかく二人には、俺が何でも一つ願いを叶えると云う条件で、何とか納得してもらった。まあ、あの二人だし、そこまで凄い事は要求してはこないだろう。

 

 トントン


 考えに耽っていると、部屋の扉を叩く音が聞こえた。

 

「勇者様。お呼びに参りました」

 

 予想通りセイナーレが、俺を呼びに来たようだ。


「――ああ」


 俺が返答すると、セイナーレは扉を開け部屋に這入ってきた。


「勇者様。そろそろお時間となります」


 そう言うとセイナーレは、俺の部屋を見回した。


「他のお二方は、こちらにいらっしゃらないのですか?」


 セイナーレは、既に雪緒の部屋に向かったのだろう。雪緒と絆は一緒の部屋で暮らしていたのだが、部屋に居ない場合には大概俺の部屋に来ていた。なので、二人が居ないのが不思議だったのだろう。俺はその疑問に素直にセイナーレに答えた。


「……ああ、二人は既に逃げて貰っている」


「そ……そうですか……」


 セイナーレは驚きはしていたが、そこまで大きな反応では無かった。


「余り驚かないんだな?」


「……そんなことはありません」


 もしかしたら、薄々気が付いていたのだろう、何せ俺たちに、この世界で一番接してる人間だ。

 

「……そうか。で、伝えに行かなくていいのか?」


「私では、勇者様にはとても、敵いそうにはありませんから」


 俺はふと思いついた事を訊いてみた。


「なあ、暫くこの部屋に留まっていてくれないかな?」


 彼女は不思議そうな表情を浮かべていた。


「……どういうことでしょうか?」


「この国には恨みがあるが、仕事とはいえ、セイナーレには世話になった事は事実出しな、その礼みたいなもんだ……」


 仕事とはいえ、俺たち三人はセイナーレに一番世話になったのだ。

 ……これも甘い考えなのかもな。


「そうだな、言い訳がたつように、ここの部屋の扉を魔術で一時的に封印しておこうか」


 俺は、何も云わず押し黙ったセイナーレを無視して、部屋を出て扉に封印の魔術を掛けておいた。昼過ぎ位には解けるようにしてはおいたが、魔術師でもない彼女が出る事は暫く無理だろう。


 ……これは彼女への礼と言うよりも、俺のエゴだろうな。俺は苦笑いを浮かべながら、謁見の間に向かった。




 ★ ☆ ★ ☆




 謁見の間にたどり着くと、扉の前には二人衛兵が立っていたが、俺を止めるような事は無かった。俺は衛兵を気にせず扉を開けると

 ――居るわ居るわ、この国の有力貴族共が。


 流石は年に一度の最大行事、さらに勇者公開も相まって、この城から離れた領地の貴族も集まって来ているのだろう。

 更に、見たことあるような、無いような騎士やら魔術師たちもワラワラと並んでいる。この場所に立って居るって事は、それなりの地位にいる人間だろう。


 奥の方には、忌々しい王様と宰相、その横に長身痩躯のイケメン、ガフォークが立っている。壮観な光景だ。つまり今ここに、この国の重要人物が集結しているのだ。


 ――笑いが込み上げてくる。こうまで予想通りになるとは。俺は込み上げる笑いを噛み殺しながら、扉にコッソリと魔術を仕込み、王の前に進んでいった。


 周囲は、俺の事を怪訝そうに見つめながら、コソコソと「アレが勇者か」等の会話が聞こえてきた。だが、こちらも俺の行動を止める人間はいない。恐らく《隷属の魔術》を信じきっているのだろう、俺達には手を出せないと。王族の命令には絶対遵守らしいしな。

 ……いや、寧ろ自分達に手を出してくるなど、考えてすら居ないのかもしれないな。


 俺は王の前に立つと、恭しくお辞儀をした。


「麗しく国王陛下。この度は(わたくし)にこのような場を用意していただけるとは」


 俺は皮肉の心算で、エセ敬語の言葉を言った。王は訝しげな表情を浮かべながら、俺に訊いてきた。


「……あとの二人の勇者は如何した?」


 嗚呼――やっぱり聞いてくるよね。俺はその問いに、素直に答えた。


「はい。既にお二方は私が逃がして下ります」


「――なにっ!?」


 王様は、引きつった表情を浮かべた。

 

「ど、どういうことだ! おい! こやつ等を呼びに行った侍女はどうした!?」


 王は周囲に怒鳴り散らすように言っている。


「セイナーレ……侍女でしたら、私の部屋にて拘束させて頂いております」


「――なっ!」


 王は俺の言葉を聞き、絶句している……。しかし、気を取り直したのか、俺に向かって言った。


「ふ、ふん――そうだな、だったらお前から問い質せばいいのだ」


 ふむ、俺に《隷属の魔術》を発動させる心算なのだろう。


『この者を、愚かなる者に鉄槌を』


 へぇー? それが発動きっかけなのか。俺は関心しながらも無反応でいると、平然としている俺を見て、傲慢そうな王の顔は、焦りで歪んでいた。 


「ど、どういうことだ!? 『この者に鉄槌を!』」


 人の焦った顔って愉快だよね。それが尚の事嫌いな人間なら。込み上げる笑みを噛み殺しながら、俺は親切に教えてあげた。

 

「無駄ですよ国王陛下。私には魔術は通用いたしません」


 まあ、魔術無効なんて、信じられる物ではないだろうけどね。


「なにを莫迦げた事を! 『鉄槌を!』」


 もの凄く間抜けだな。笑いを超えて呆れてくるよ。


「――グッ。ガフォーク! こやつを拘束しろ」


「ハッ!」


 王はガフォークに命令して、俺に差し向けてきた。……おいおい、結局力づくですか。高が知れてるね。


 俺は事前に自分に掛けておいた強化魔術のお蔭で、バックステップ一つで難なく、掴みかかった手をかわした。

 事前情報で、俺の事はたいした事無いって聞いていたんだろうな、嘗めきっていたガフォークの動きは、然程たいした事無かった。


「――なっ!?」


「ダメですよ。格下と思っている相手でも本気出さなきゃ」


 ガフォークは傲慢そうな顔してるし……って、これは俺の考えか?

 イケメンむかつく、イケメンむかつく、イケメン死ね。氏ねじゃなくて死ね。


「言うじゃないですか。獅子は兎を狩るにも崖に落ちるって……あれ? なんか違ったっけ?」


 俺の煽りに、ガフォークは顔を歪めていた。見下していた相手に見下されるって、さぞ不愉快だろう。


「な、なめるなっ!」


 おお! 腰に佩いていた剣を引き抜きましたよ。流石は《騎士の中の騎士(ナイト・オブ・ナイツ)》こんな場所でも帯剣が許されてるんだな。

 しかしこの場で、無手の相手に抜刀するってのは、立場的にどうなんでしょうね?

 

 それにしても、怒りに歪んだイケメンの表情って最高ですね。そんな益体も無い事を考えていると、切りかかってきた。……おいおい、俺を切り殺す心算かよ。まったくそんなに精神弱くって、よくその立場にいられるよな。



 ガキッン!



 金属が砕ける音が響いた。


「――はぁ?」


 そんな間抜けな科白を吐いたのは、ガフォークだった。俺はただ今上半身――金属化しております。《無詠唱》による魔術、肉体の一部分を鋼鉄化させる魔術。現在俺の上半身は、オリハルコンより硬くなっておりますよ。

 

 かの有名なお方は仰りました。『かわせないなら、受け止めれば良いじゃない』


 ありがとう、どこぞのマリーさん。

 俺はいくら肉体強化したとはいえ、大陸最強と言われるガフォークにまともに殺り合えば、現状勝てるわけが無いだろう。だったら勝てなくても、負けなければいい。

 まあ暗殺とかだったら、余裕で殺せると思うけどね。ただ暗殺で死ぬなんて、つまらない結果を俺は求めちゃいない。

 そこで、勝てなくとも負けないと云う手段をとる為に、俺は硬化――所謂ア〇トロンを思いついた。ただこれ、硬度と比例して重量も増すので、まともに動く事も叶いません。実戦じゃまともに使う事が出来ないな。そこまで似なくても良かったんだけどね。……って、あれ? これだったら、全身硬化しても一緒では無かったじゃないか。

 

 ともかくお蔭で、ガフォークの聖剣は、彼自身の膂力と俺の硬度差があり過ぎた為――見事に砕け散りました。

 ああ、もったいない。日本人ならこの精神『M O T T A I N A I』あとで回収できるのなら、回収したいな……。


 そんなどうでもいいことを、どうでも良くなさそうな真面目な表情で、俺が黙考していると。


「――な、なにをした!?」


 ガフォークは、困惑した表情を浮かべ、折れた剣先を見つめながら訊ねてきた。


「いや、なにって、俺の体の一部を硬くしたんだよ」


 ……あれ? なにこれ、勘違いされそうなイヤらしい科白が出てきたぞ。体の一部が硬くって……おいおい自重しろ、俺自重。

 俺の答えが気に入らなかったのか、ガフォークは怒りで顔を真っ赤にして、俺に食って掛かてきた。


「ふざけるなっ! これは陛下から授かった聖剣だぞ!」


 ああ、やっぱり聖剣でしたか。うん、後で回収しておこう。


「あー、そうでしたか。それは大変ですねー」


「き、貴様っ! 嘗めているのか!?」


 更に顔を赤くして俺に怒鳴ってきた……だんだん相手をするのが面倒臭くなってきたな。俺のイケメン嫌いも相当なものですね。

 さて、そろそろ、計画を実行に移すとしますか。俺は周囲に聴こえる様に、大声で言った。


「初めまして皆々様、私は今代の勇者として、召喚されました雪村遥と申します。ただ、私……いえ私達は望んでこの地に居りません。なので、我々は勇者としての立場は放棄させて頂きます」


 突然の俺の言葉に、周囲に居る全員が声を失っていた。理解し切れていない人間が多いのだろう。俺はそれを気にも留めずに、言葉を続けた。


「それ故に今後、私の様な存在が出ないよう、処置させて頂きます」


 パチン!


 俺は大げさに指を鳴らした。すると城の各所でゴゴゴッと、地響きのような音と振動が襲ってきた。

 城の各所に仕込んだ、《次元の消失(ディメンション・ゼロ)》を発動させた。いきなり空間が消失するのだ、失った空間が自重に耐え切れず崩れたのだろう。その際もしかしたら、巻き込まれた人間もいるかもしれないけど、そんなん知らんがな。

 一応俺の部屋は今まで、念の為に強化魔術を仕掛けていたので、セイナーレは安全だろう。


 俺はこの為に三日間も、指を鳴らす練習したものだ。実際は鳴らさずに発動させる事は出来たのだけど。まあ様式美って重要だし、なにより『カスッ』なんて失敗したら目にも当てられない。

 ……想像したらみっともなくてゾッとするな。うん、上手く出来てよかった。


 ちなみに、ここまで騒ぎを起こしても、誰も謁見の間に駆け込んで来ないのは、這入る時に扉を俺が封印しておいたからだ。


「ああそうだ、それと、この近隣に居住区を持つ貴族様方には、私共の旅立ち資金として、資産を頂きましたから」


 うん、この場に居る大半の貴族が、一文無しとなるのだ。まあ屋敷とか土地は残してるから勘弁してね。俺の言葉を聞くと、先程まで絶句していた貴族達は青くなっていた。平然としている者も居たが、それはここから離れた領地の人間なんだろう。静けさから戻ると、俺を轟々と批難してきた。

 ……貴族って奴は、わかりやすいな。先程まで傍観に徹していた連中が、今も俺に掴みかかってこようとしている。周囲の騎士や魔術師も命令されたのか、拘束しようと襲い掛かってきた。俺はそれを無視して言葉を紡いだ。


「それでは申し訳ないと思い、私からはこちらを皆様に用意いたしました」


 男も、女も、若かろうが、老いていようが、騎士だろうが、魔術師だろうが、貴族だろうが、王族だろうが、それが侍女であろうが、ここに居るだけで皆等しく俺の敵だ!。

 態々これを使う為にこの日まで、この糞な国に留まっていたのだ。皆様、俺の手の上で踊ってください。


 ――さあ、仕上げだ。



 パーーンッ!



 俺は手を振り上げると、胸の前で拍手(かしわで)を打った。

  

「「「「がぁぁあああああああああああ!!!」」」」


 俺を除いた全員が、叫び、苦しみ、しゃがみこんだ。味わった痛みは相当な物だろう。なんせ俺がそう設定したし。 

 皆、突然の激痛で、まともに立ち上がる事すら叶わないようだった。

 

「……な……なにを……した」


 この中で一番痛みに強かったのか、這いずりながらもガフォークが、息絶え絶えで訊ねてきた。ていうか、同じ様な科白何回いってんだコイツ?

 俺はその問いに、全員に聴こえる様に答えた。


「はい。皆様に差し上げたのは、《永久なる隷従》と云う、私が生み出した呪いです。効果としては、皆様がご存知の《隷属の魔術》の強化版だと思ってくれて構いません。つまりは皆様に、その呪いを行使したと言う事です。

 皆様ならこの意味……わかりますよね?」


 これは、解除の方法を探っている時に、解除の方法はわからなかったが、扱う方法だけならすぐにわかったので、何かに使えると思い改良していた、呪いと云う名の魔術。

 これの唯一にして最大の欠点は、掛け捨てで、俺でも解除出来ないって事。絆だったらもしかしたら……多分……恐らく……きっと、解除できるかな?

 あと、これも発動させるのに、態々拍手なんて打つ必要なんか無いんだけどね。発動するってわかり易くする為に、敢えて行いました。

 

 俺の言葉を聞いても、特に反応は無かった……反応すら出来ないほど弱っているのだろう。


「これはお願いでは無く警告です。今後私達に関わらない事を誓って下さい。そうして頂ければ、私達も関与いたしません。

 まあ、誓わなくても結構ですけど、その際はわかってますよね?」


 俺は周囲の目を無視して、王の方に向かっていくが。ガフォークも、そして周囲の人間も、息絶え絶えで俺を止めに入るような事は無かった。いや、まともに動く事すら叶わないのだろう。

 俺は前に立つと、椅子の中で蹲っている王に向けて問うた。


「では国王陛下。誓って頂けますか」


「…………」


 王は押し黙って答えなかった。俺はそんな事を気にせず、ニッコリ笑みを浮かべ再び訊ねた。ただし、目は笑っていない。


「誓って頂けますね?」


「…………」


「ふむ――では仕方が無いですね」


 そう言うと俺は、再び拍手を叩こうと両手を振り上げると。王は慌てた様子で答えた。


「わ、わかった! わかったから、それだけは止めてくれ!」


 言質は取れた。それを聞いた俺は、周囲に聴こえるように声を張りながら言った。

 

「ありがとうございます。皆様も国王陛下のお言葉を聞きしましたね……ああそれから、約束を違えた時には、先程の倍の痛みが襲いますから――この部屋に居る全員に」


 俺の言葉を聞き、辺りに居る人たちはビクッと震えた。


「王の責任は民の責任ですから、流石に何も知らない一般市民に味合わせるのは酷ですが、せめてここに居る人たちには、連帯責任として味わって貰わないと。ここに居る皆様、先程以上の痛みを味わいたく無いのでしたら、是非そうならない様、国王陛下を止めてあげてください」


 ここにいる人間は、俺の暴論とも言える科白を聞きながら、手を出すことも叶わないので、怯えた目で俺を見つめるだけだった。先程の呪いを味わないためにも、ここにいる全員が必死で止めに来るだろう。ここにいるのは、この国を占めている貴族どもだ、王といえど無視なぞできる筈も無い。


 因果応報と云うものだ、ただ殺すなんて、そんな楽かつ心優しい事なぞしない。そう俺は、約束を守る心算など――ない。

 定期的に、あるいは突然に、呪いの力を発動させてやる心算だ。痛みに、恐怖に、そして何時来るかわからない死に、怯えて暮らしていくがいい。

 

 さらに今まであった(ちから)を奪ってやった。金が無くなれば、誰も寄って来なくなるかもしれない。尚の事、兵や侍女など雇えやしまい。

 国民から無理な徴収などすれば、人は離れていく。そうなれば国は崩壊するしかない。今までのような生活は出来なくなるだろう。金が無い者の苦しみも味わえ。 


 そして、勇者を召喚しましたが逃げられました……いいねいいね。ここまで来てそれは大恥だ。仮にも神光国家を名乗っているんだ、その様な国が勇者に裏切られ逃亡されました。国としても権威を問われるだろう。神光国家の名折れもいいところだ。 他国に対しても示威行為のため、既に勇者召喚を大々的に公表だってしている……その結果がこれだよ。権威失墜。最高ですね。


 ああ、あとそうだな。この前入手した書類を、やっぱり他国に流すのもありだな。売って面倒ごとになるくらいだったら、匿名で流したっていい。 

 この国がどうなろうと知った事じゃない、寧ろこれから苦しむ様子を想像すると、愉快でしょうがない。よく言う『人の不幸は蜜の味』、それがこの国の人間なら尚最高だ。

  

 愉悦に歪んだ笑みを隠しながら俺は言った。

 

「それでは皆様、もうお会いする事は無いでしょうが、ご健勝で」


 そうだ、簡単に死んでなんかくれるな、出来る限り長く生きて苦しんでください。

 そう言い俺は、這入ってきた時と同じ様に恭しくお辞儀をすると、再び拍手を打ち《光学迷彩(インビジブル)》を使用した。これから起こる生き地獄の始まりとして、消える前に再び呪いを発動させてやった。


 どこかの莫迦が血迷って、追ってくる可能性を考えて消えてみたが、これは正解だったかな?手の内を晒すのは余り好きではないけど、これで更に俺を警戒してくるだろう。

 というか、あの激痛の中で俺が消えていくのを、確認できた人がどれだけ居るのか。

 

 窓に向かう途中に周囲を見渡してみたが――全員昏倒して倒れこんでいるようだ。身じろぎ一つあげる人は居なかった……あれ? やりすぎですか? 気絶なんかしたら意味無いじゃん。

 俺は、気絶しないギリギリの力の加減を考えながら、窓から外に飛び出した。


  

 ……あっ! 聖剣の破片回収するの忘れた!

 俺は無駄にカッコつけていて、うっかり忘れたしまった事を、一日後悔する破目になってしまった……。

ここまでが、第一章の召喚編となります。

今後の展開を考え、敢えて殺さずで書いてみました。

名前付きのキャラは、今後もしかしたら出てくるかもしれません。


勢いと思いつきで書いてきたので、矛盾やら色々と統合性の無い作品になってしまい。

それでも、ここまで読んで下さって、ありがとうございました。


次からの第二章が、一応の本編である冒険編となります。

もし宜しければ、今後も付き合ってやってください。

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