月蛍光Outside
夏の夜。月の下。蛍のようにそっと。あなたに気づいてもらえなくても、この想い伝えることができなくても、一瞬を永遠のように感じて、あなたを想う詩。淡く想う恋の詩。
アウトサイド、
揺らぐ大地の端を沿い、
恐れ、惑うもの。
作られた幸せを生きる道もあるだろう。
でも、僕らは、
この世界のいく道を見続ける。
大地と天をムジバミ汚すものたちと共に、生きていく。
この世界で。
屑の砂漠を裸足で歩く旅人。
果てしない道。
月光に照らされた影追うように、
旅の終焉に見つけるもの。
それは、始まり。
ふたりで歩む乾いた塵の道。
星屑のかけらの降る空と共に
再び始まりを目指し、延々と歩く。
この世界を。
たった、一晩の夢、夏の夜の憧景。
月の光のように優しいあなたの微笑み、あなたの声。
夜風の中で、あなたを感じられるなら、
その一瞬に永遠を感じて、
朝日で消える夢の中で。
ちいさい蛍のように、
たとえ、一晩の輝きでも、
あなたのために、光になりたい。
わたしにできる少しのこと、
あなたに気づいてもらえなくても、
この想い伝えることができなくても、
それでも、ともに生きていける喜び。
あなたに会えた喜び。
いまある、この幸せ。
同じ空の下、星の下、月の下。
そばにいられるなら、
想い溢れても、今はこころにしまって、
一瞬を永遠のように感じて、
あなたを想う。
挿絵:隅の人様作。