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ジアリーヤ国 召喚魔法師
「変だ。きちんと召喚できたはず。こんな道具だけなんておかしい。」
私は何度も何度も確認し、召喚魔法陣を起動した。
「対象が動いた、とかか?あり得るのか、そんなことが?」
失敗だったと思われている。だが、王妃様は喜んでくださっている。あの方は召喚をあまり望んでおられなかったからだ。それでも私は、失敗していないはずだと、一人で周辺を調べることにした。
その結果、人が二人ほどいた形跡があった。よく見ないと分からないし、おそらく誰も気付いていない。
王妃様に報告すると、
「そうだったのですね。では、気付かなかったことにしなさい。あなたは、私のためにこれを召喚したの。自由に堂々と散策できるように、そのために結界がつくだろう傘を召喚した。逃げたものを追いかけて戻す必要はないわ。」
そうおっしゃられた。そうして私は、その痕跡を消すことにした。雨も降ったのでうまくできただろう。
逃げ出した彼らが、無事に生きていることを願って。




