試験開始!
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次の日、私たちは魔剣士試験の会場に来ていた。
やたらと大きな人や、老人、小さい子供まで色々な人がいた。
試験が始まった。試験管の人が言うには、試験は2つあるらしい。1つ目の試験は世界の歴史だった。その試験の問題にフラムさんの話もあった。1つ目の試験は難しい訳では無かったけど、簡単でも無かった。つまり普通だった。
2つ目の試験はまず全員がくじを引いた。そのくじで試験の班を決めるらしい。私の班はカイトと鬼族の青年だった。お姉ちゃんの班はユーリさんとサムライのような人らしい。その時試験管の人が言った。
「2つ目の試験は班1つにつき2つの宝石を集めてもらう。宝石の集め方はこうだ。まずフィールド内の魔物を倒せ、宝石は魔物が持っているから、その宝石を魔物から奪えばいい。試験者同士の交戦は認められているが、試験者を殺してしまった場合は即牢屋行きだ。くれぐれも注意するように。」
戦わないといけないのか。その時鬼族の青年が私に話しかけてきた。
「俺の名前はナギ。戦うなら任せてくれ。」
頼もしい。私はナギにこう返す。
「ほんとに?ありがとう!」
「いいんだ。俺は子供の頃から戦ってきた。」
「ほんとに頼もしいね...」
私はそう言ってカイトを見た。カイトは私に挨拶をした後、ナギに向かって自己紹介をした。
「僕はカイトと言います。よろしくお願いします。」
「あぁ。よろしく頼む。」
ナギはそう言った。ナギが続ける
「ところで。お前の名前は?」
「アリスだよ。」
私はそう言った。
一方その頃お姉ちゃんは、
「私はノア。よろしくね!」
と挨拶をしていた。
「我は深淵より生まれし者、ユーリ。」
ユーリさんは独特な挨拶をしていた。
「拙者はヤマダ。よろしく頼むぞ。2人共。」
サムライはヤマダと言う名前だった。お姉ちゃんはユーリさんとヤマダさんに
「よろしくね!」
と言っていた。
その時、試験管が
「ではもう一度くじを引いてもらう。各班の代表者は前まで出てきてくれ。」
「僕が行きますよ!」
カイトはそう言って前へ出ていった。
「なんのくじなんだろうね?」
私はナギにそう言った。ナギは
「うーん...分からん。」
と言った。
カイトがくじを引いた。
くじには2と書いてあった。
「じゃあ引いたくじを持って自分の班まで戻ってくれ。」
カイトが戻ってきた。
戻ってきたカイトは
「この数字の意味はなんなんでしょうか。」
と私たちに聞いた。
私とナギは「分からない...」「分からん。」
と言った。
「では1を引いた班は前に出てきてくれ。」
試験管が言った。1を引いた班が前に出ると、黒い服を着た人が入ってきた。その人が言う
「じゃあ僕についてきてくれ。」
その班は部屋を出ていった。
「じゃあ2の班も出てきてくれ。」
私たちは前に出た。するとまた黒い服をきた人が入って来て、
「俺についてきて。」
と言った。
その人に連れられてきた所は広そうな森だった。
「説明にあった様にここに魔物がいるから、そいつらを倒して宝石を奪うんだ。OK?」
私たちはそれぞれ、
「うん」「はい」「あぁ」
と言った。
「宝石は1班につき2つでいいんだからな。」
その人はそう言って森を離れていった。
私たちは森を進むとナギがこんなことを言ってきた。
「お前たち、属性は?」
私は
「氷」
カイトは
「水」
と言った。
ナギは続けて、
「俺は雷だから、俺が痺れさせた敵をお前たちが凍らせたら敵を倒さなくても宝石を奪えるんじゃないか?」
「あ...確かに...!」
私は驚いた。
「そうかも...しれませんね...」
カイトも驚いていた。
「本当に倒さなくていいのか?」
今まで大人しかったクロノさんが急に話しかけてきた。
「うっ!うわぁーーーー!!!!剣が喋ったっ!!助けてくれーーー!!!」
ナギはイメージにそぐわず、大騒ぎしていた。
カイトは喋る剣を見てぼう然としていた。
「倒さなくてもいいと思うよ。」
私はクロノさんの質問にそう答えた。
「ミッションは宝石を持って帰る事だからね。」
私こうも言った。
そんな話をしていると魔物がやってきた。大きい。しかもムキムキのマッチョだ。
「むぅ...」
ナギはそう言って顔をしかめた。
「行くぞ!アリス!カイト!」
ナギがそう言うと、真っ先に魔物に突っ込んで行った。
シュイシュイシュイン!!!
ナギは素早く魔物を切りつけた。
魔物が一瞬怯んだうちに私とカイトが魔物を切りつけると、魔物は氷の彫刻のよう凍ってしまった。私たちは魔物が腰に下げていた宝石を手に取り、その場を後にした。
「その氷の剣はなんなのですか?」
カイトが私にこう聞いてきた。
「これは...説明しずらいけど...その...」
私が悩んでいると、クロノさんが、
「それは多分魔力の具現化だ。彼女の属性は氷だから、氷の剣が出来上がったのだろう。」
と言った。
「また喋った!!」
カイトは驚いていたが、
「魔力の具現化ですか...難しいですね...」
と冷静に言った。
私は氷の剣を見た。すると剣が前より太くなっていることに気付いた。その時ナギが私に話しかけてきた。
「その剣、なんかかっこいいな...」
「どっちの剣?」
私が聞き返すと、
「喋る方。」
と返ってきた。
「この剣は...その...なんというか...」
その時私はクロノさんを見た。確かにクロノさんは細身の刃に時計のような装飾など、男の子が好きそうなデザインだ。
そんな話をしていたら、さっきより大きい魔物が現れた。もしかすると小さい家より大きいかもしれない。
「またか...」
ナギはそう言った。
「でもなんか大きくないですか?」
カイトはそう言った。
ナギは独特な構えを見せた。
「やるしかない。さぁ、行くぞ。2人共。」
そう言ったナギはバチバチと紫色に輝く刀を放ち、魔物の胸を切り裂いた。
グ...グォオォー...グガァー!!!
魔物は倒れる素振りすら見せない。
「もう一度やるしかないか。」
ナギはまた刀を構えた。
シュイシュイシュイン!!!
ザシュザシュザシュザシュザシュ!!!
魔物は全身を切り付けられた。全身から血が吹き出す。しかし、倒れない。
「3人で一気に行くぞ!」「2人共!」
私たちは魔物に斬りかかった。ナギが繰り出した一閃が、魔物の動きを一瞬止めた。
「ハァァァーー!!!」「フゥー。ハァァー!!」
私とカイトが魔物に斬りかかった。
パキキ...
私は氷の剣が折れそうになるほど魔物を切り付けた。
パキッ
「え...?」
氷の剣が折れてしまった。でもその頃にはもう魔物は凍りついていた。
「終わったか...」「疲れましたね...フゥ...」「疲れた...」
私たちはそう言って、魔物が首から下げていた宝石を手に取り、その場を立ち去ろうとした。
パキキキキ...パキッ...パキッ...
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