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更にルディを狙うララ達。ルディはララの奸計から逃れられるのか。
「‥ララ様。街で調査をした結果、ルディは命を取り留めたようです‥」
ルディ暗殺の結果報告の為に調査に出ていた者が戻ってきた。ララは持っていたグラスを床に投げつけた。
「確かに毒を飲んだのに、何故‥。あの毒は即効性。医師を呼ぶ時間はなかったはず」
「解毒剤を持っている者がいたのではないでしょうか」
「‥それはあり得るな。旅の荷物に薬も入れていたということか‥」
ララはハックマナイトの指示書を改めて読み返した。それには、ルディが勇者であることと、オニキスが記憶を取り戻せば霊感を持つことに加え、ルディの指輪のことが書かれている。
「青い宝石の付いた指輪‥。殺すことができなければ、ルディが左手にはめているその指輪をすり替えろと書いてある」
ララはハックマナイトに渡された袋を探すと指輪を取り出した。指輪には青い宝石がついている。
ララは身体を洗い流した。褐色に塗られた染料が落ち、元の肌色に戻る。漆黒の髪も紫に戻った。厚い化粧を落としたララの素顔は先程までとは変わり清純に見える。
「お前達、宝飾品をあるだけ持ってくるんだ」
ララは指輪や首飾りなどをいくつか袋につめると、部下を二人連れて街に向かった。
「ルディがいる宿はあそこか‥」
ララは斜め先に見える宿を確認すると、その近くに布を敷き、宝飾品を並べた。ドロニノ王室から持ってきたわけではないので、質は特段良くはない。
しばらく待っていると、宿からルディ達が出てきた。今から教会に向かうようだ。ララは馬に乗ろうとしたルディに声をかけた。
「お嬢さん、どうかこちらを見て行ってくださいな。これは外国の品で、幸運を呼ぶお守りです。旅の安全の為にいかがですか?」
ルディは断ろうとしたが、オニキスがそれに興味を示した。
「お守りか‥」
オニキスは布の上に並べられた宝飾品を端から見ている。ルディは仕方なく手綱を離してオニキスの近くに行った。
「これは、オニキスだな」
オニキスは、自分の名前と同じ石が埋め込まれた耳飾りと指輪のセットを手にとった。
「はい。オニキスは魔除けの石ですから。南の国の民はよく身につけていますよ」
オニキスは自分と同じ名の石が気になった。その様子をみたララは、ルディに勧める。
「奥様の手にぴったりなのでは?はめてみてくださいな」
ララはルディの手を引っ張ると、ルディの指輪を外してオニキスの指輪をはめた。
「勝手に指輪をはずさないで!」
ルディは怒っている。ララはすぐに対応した。
「これはごめんなさい。すぐ戻しますね」
ララはルディの指に青い宝石の指輪をはめた。
「つい左手に合うかはめようとしてしまいました。右手にしてみますか?」
ララは次はルディの右手の薬指にオニキスの指輪をはめた。
「少し緩いわ。中指にしてみる」
ルディは今度は自分で中指にはめた。サイズがぴったりだ。
「よく似合ってる。この指輪を今回の旅の記念に買おう」
オニキスは嬉しそうにルディに微笑みかけた。ルディはオニキスの気持ちを嬉しく思い素直に頷いた。
「ありがとうございます。先程、奥様には無礼をしてしまいましたのでおまけします。15ディゼルですが、12ディゼルにしますよ」
20ディゼルが金貨一枚だ。装飾品にしては12ディゼルは安い。オニキスは、金貨を一枚手渡した。
「20ディゼルで買おう」
「寛大な旦那様、ありがとうございます」
ララは喜んで金貨を受け取ってみせた。庶民であることを疑われてはならない。
「では行こうか、ルディ」
オニキスは上機嫌だ。ルディもオニキスからの贈り物が嬉しかった。二人は幸せそうに馬に乗ると、街を出て行った。その後ろ姿を、ララ達は満足そうに見ている。
「ララ様、うまくいきましたね」
ララは手に握っていた青い宝石の指輪を眺めた。
「すり替えられたとも知らずに‥。この指輪をハックマナイトに届けるぞ」
ララ達は急いで宝飾品を片付けると、エスケル王国に向かった。
ルディ達が向かう教会は、チンターマニ王国の王城の付近にあった。王族が負傷した際にすぐに治癒する為だ。ルディはともかく、オニキスはアルタイの王族。同盟国の王族を無視することは立場上できなかった。
「ルディ、もう少しで教会に着く。でも‥教会に行く前に、チンターマニ王国の国王に挨拶は必要だ」
オニキスは騎士の一人に書状を渡した。騎士は先に王城に急いだ。
「チンターマニ国王は、アース様の父親‥」
オニキスは黙っている。
「あ‥!!ごめんなさい。オニキス様は記憶が‥」
「いや、構わない。逆に、色々教えて欲しい。全く何も知らない私がチンターマニの王に会っても、会話にならないから」
ルディは道中で、ドロニノ共和国との戦いや、アース、最近のクリオラのことなどを話した。
「では、クリオラの婚約者はチンターマに王国の王子なのか‥。聞いておいて良かった」
オニキスは胸を撫で下ろした。
「でも、アース様はお母様の身分が低く、冷宮で育てられた庶子と言ってたの。勇者として目覚めたから、王子として認められたけれど、それでもモンスターの多い辺境の森に館を与えられてそこで過ごしていたから‥」
二人が話していると、向かう先に真っ白な王城が見えてきた。その隣には教会が建っている。
前方から、先程オニキスが使いに出した騎士が戻ってきた。
「王子、アルタイ王は、王子を歓迎すると申しています」
ルディ達は安心して城を目指した。城に着くと、城壁を護る兵士達が頭を下げて城門を開いた。ルディ達は王の元を目指した。
チンターマニ国王と対面したルディとオニキス。チンターマニでルディを待ち受けるものは‥




