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アロンノ討伐記  作者: 河村 そう
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第4話 要塞都市フォルク(2)

本日二話目です

「ついに、遂に帰ってきた、、!!」


4人は涙が止まらなかった。

留めなく流れる涙を何度も何度も拭いてついには城塞都市フォルク大門前へとたどり着いた。


既にフィードたちが帰還しているため、城門にはリューク達が帰ってきたことを聞きつけた彼らの家族やその知り合い、かつてこの試練を乗り越えた冒険者たちの姿があった。


彼らの拍手につられて荷物確認と身分証明に並んでいた商人たちからも拍手が送られる。

「おかえり、君たち。よく頑張ったな!」

大門の門番から祝福され涙で声に出せないのをわずかに恥ずかしく思いながら礼をし、その場に居た人たちにも4人はきちんと城門まで来てくれたことに礼をして冒険者ギルドへと足を進めた。


城門からさほど遠くない位置にあるギルドの前には見覚えのある受付の方や酒場の主人が待ち構えていた。

「第79回冒険者候補試験よりフィード、ニコに遅れてリューク、ジェシカ、サンタ、そしてアラン以上四名無事目的を達成し帰還しました!」

「よく頑張った!!奥でマスターが証明を確認するから上がって来い!」

「「はい!」」

4人は階段を上り大きな開けっ放しの扉をくぐり正面に見える一際大きなカウンターへと向かった。


このカウンターは一級冒険者もしくは試験から無事に帰ってきた者がその時に限って使用を許されているカウンターで今日はギルドマスターがそのカウンターの反対にたたずんでいる。

「討伐証明と採取対象を見してくれるかな、そう言うとリュークがフィードに別れ際返した討伐証明と採取対象のホーンウルフの角一つを除いた4人分の討伐証明である魔石と一本の角を取り出した。


「これだけでいいかな?」

「ああ、ちょっと待って、、俺の背嚢にも同じのが、」

見るからに倒れそうなアロンに視線を向けたギルドマスターは仕方がないといった顔で受付を呼び、赤色の液体を持ってこさせた。それをアロンに無理やり飲ませるとアロンの体調は一瞬にして回復した。

「え、これは、、ポーション?」

「そうじゃ、これからの冒険者界を担う若手に死なれては困るからな、だが冒険者何があっても自己責任。これは今回限りじゃぞ。わしのおごりじゃ、感謝するんだよ。」


アロンの体には未だに泥や血の跡がべったりとついているが、アロンの体からは血が流れているという事は無くなっていた。それどころか一番重症であった背中の傷以外は後すら残らずに消えたのだ。

「こ、こんな高価なものを、、ありがとうございます。」

「うむ、では残りの討伐報酬を見せてくれんか?」

「はい、どうぞ!」

見るからに元気になったアロンを見て他の3人も安心して自信気にアロンが背嚢から魔石を取り出すのを待った。


アロンが提出したものも含めてカウンターにはゴブリンの魔石が5個ホーンウルフの魔石が2個そして採取対象のホーンウルフの角が2個並べられた。


「うむ、確かに試験合格基準を上回る成果であるな。おめでとう、まずこれがそなたらの冒険者証じゃ。受け取れ。」

そういうとギルドマスターは、木の版の上に置かれた4つのカードを取り出した。


「この冒険者証は、そなたらの冒険者としての階級を示しておる。そなたらが一番下の3級冒険者これは鉄でできておる。これが2級に上がればカードの原料は銅となり、1級になれば金と魔晶でできた唯一無二のカードとなる。この冒険者証があれば国内のどこの都市にも荷物が無ければ並ばずに入れ、店によっては割引してくれるところもある。絶対に無くすんじゃないぞ。」


アロンが受け取った鉄製の真新しいカードにはきちんとアランという文字が掘られ、その下には都市の名前であるフォルクという文字が掘られていた。

この文字は別の都市に行くにつれて増えていくのだろう。


アラン達は受け取ったカードを大事にしまい、カウンターへと目をやった。そこにはきれいに磨き上げられた金貨が4枚置いてあった。

「これが今回の報酬じゃ。試験合格者にはその討伐報酬の数に関わらず金貨一枚、要するに20万マリーが与えられる。大切に使いなさい。」


ギルドマスターはそう微笑むと奥の扉へと去っていった。

アラン達は思わず深く扉が閉まるまでお辞儀をした。


「すごい、すごいぞリューク、サンタ、ジェシカ!こんなに、こんなことがあっていいのか、金貨なんて初めて持ったよ、、」

「あぁ、ああ!俺も初めて持ったさアロン!これから俺たちの冒険者としての人生が始まるんだやるぞぉぉ、目指せ1級冒険者だ!」


「おおおぉぉ!」

「やったねジェシカ!」

「ええ、本当によかった!!」

喜ぶ彼ら4人にはこれからたくさんの思いがけない困難や出来事が起こることを考える余地もない。


ただその喜び享受している彼らを微笑ましくも、懐かしく、そして彼らの将来を案じてすこし哀れみの気持ちを持ってその場に居合わせた、先達の冒険者、ギルド受付員、酒場の主人と店員たちは彼らを見守った。


そして彼らのこれからの成長と冒険者という職業を生き抜いていくことを期待するのであった。


アロンたちがようやく故郷に帰ってきました。ちなみに第一章は展開が早く進んでいきますが考えている二章は一部の二倍ほどの内容になると考えています!

私が書き続けれるようにポイントや評価、コメントをよろしくお願いします!

また明日からは毎日一部投稿となります。21時投稿となりますので次話もよろしくお願いします。

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