第4話 要塞都市フォルク(1)
おはようございます。本日一話目です。ポイント、評価の程宜しくお願いします!
翌朝、アロンは相変わらず重い体を気合で立ち上がらせ、先へと進んだ。
感覚的に言えばあと一日でつくはずだが、アロンにはその距離が途方もなく遠いような気がしてならなかった。
代り映えのない森ではあるが、生えている植物が変わってきているのは確かで、遠くから唸り声がするという事も無くなってきている。
だが、昨日よりもその足取りは重たく、眠気が取れない状態が続いていた。
次第に頭痛も定期的に襲うようになってきたが、それも気力を振り絞って一歩一歩前に進んでいく。
何時間が経過しただろうか、アロンには後ろから人の声が聞こえた気がした。
ついに幻聴が聞こえるようになってきたとアロンは現在の自分の体の不健康さに呆れもう何も考えないでおこうとするが、再び、更にもう一度とどんどんその声は大きく、はっきりと聞こえてくる。
「アロン、、、アロン!、、アロン!!、アロン!!!」
あまりにもはっきり聞こえるその声にアロンは思わず振り返る。
そこには3日ぶりに見た冒険候補者の仲間がいた。
「お、ぉぉ、お前ら生きてたのか、」
アロンが昨日の独り言ぶりに声を出そうとすると自分でも驚くようなかすれた声が口から漏れ出た。
「アロン、これを飲め、水を飲んでいないだろう、さあ」
リュークは今にも倒れそうになっていたアロンに水を与えた。
「ありがとう、リューク。」
リュークは何とも言えない複雑な顔をしてアロンにこう告げる。
「アロン、俺はお前を出発前に見た時から、このメンバーには不要な存在だと決めつけ、お前が失敗してもこいつだから仕方が無いと納得してきた。また道中に死んでしまうだろうとまで考えていた。だからあの時獲物を優先してお前を置き去りにした。もう死ぬ運命だと考えて。すまなかった。。」
リュークが頭を下げるとアロンを支えていたサンタやジェシカもアロンに謝った。
「ぇ、あぁ、いいんだ、俺に勇気も実力もなかっただけのことだ。気にしないでくれ。」
アロンはもたれかかっていたサンタの腕から自力で立ち上がった。
自然と彼らに再開してから気力が出てきて、前へ進もうという気持ちが表れてきたのだ。
体調もわずかばかり回復したような気もした。
「俺の予想だとあと20分もすれば草原へ出れるはずだ。懐かしのフォルクの城壁が見れるはずなんだ。さあ、いこうあと少しだリューク。」
「アロンに励まされるほど弱ってなんかいないよ、頑張れアロン、俺らはお前に合わせて歩いてやるから。」
リュークがこう言うとその場に居たアロン以外の5人のうち二人は頷いたがもう2人は立ち止まった。
「おい、リューク、俺らはこんな弱い奴に進度を合わせる気はない。もうすぐ出着くんだろ。ここからは俺とニコは先に行かせてもらう。もう一緒にパーティーを組むこともないだろう。俺らはそいつと仲良しこよしで最後は仲良く、なんて都合のいい終わり方をするためにこれに参加したんじゃない。強くなるために、他人を蹴倒して俺が金持ちになるために、有名になるために参加したんだ。だから試験が終わる前からお前らから離れる。俺らはバークのことを忘れない。そいつのせいで死んだバークをな!」
そう言うとニコを引き連れてフィードは足早に前へと去っていった。
「じゃあな、」
ニコは吐き捨てるように別れを告げその場を去った。
少しの間残された4人に沈黙が訪れる。
「なあ、、バークが死んだのか?何があったんだ?」
まだかすれる声で沈黙を破ったアロンにジェシカがこう告げる。
「今はフォルクに帰ることに専念して、アロン。あなたが回復したら私たちがすべてを話すから。」
「そうか、、」
アロンはそう呟くと重い足取りで再び歩き始めた。
アロンがリュークたちと再会した2時間後、少しづつ歩いてきたアロンたちの目の前には広大な草原が現れた。
森と草原の境目へと出てきたアロンたちには草原の先に張り巡らされた高い城壁と灰色の城を確認することができた。
ようやくたどり着いた彼らの故郷である、、、
ちなみに第一章は11話まで続きます!文字数にして4万字程度です。大変ですね、小説を書くのって、、、
次話投稿は本日21時です。ポイント、評価よろしくお願いします!!