崩壊-アンドロイド-
俺は眠っていた。
そしたらものすごい音がしたもんで、とびおきたんだ。
「なんだー・・・?」
眠い目を無理やり開いて、カーテンを開けてみたら
そこは、崩れた世界だった。
「・・・どうなってる?」
───始まるっはやくここからでないとっ!
「おお!何がおこってるんだ?・・・って!お前誰?!!!!!!!!!!!」
───マスター!逃げるよっはやく!
「いてえ!ひっぱるなよ!」
俺は今このいきなり現れた奴と走っている。
何がなんだかわからん・・誰だこの美少女・・・
マスターってなんだよ。しかも、大学!あ、こんな状態じゃいけないっすよね。
なんで、なんのゲームだよ・・これ・・街がぐちゃぐちゃじゃねえか。
こいつは俺を助けにきたのか?始まるっていってたな・・何がだ?
この地球崩壊ちっくな出来事が?笑わせるなよおい・・・
「おい!お前何者だ!そんでこの状態はなんだ!?説明してくれ」
───この世界はもう終わるっ!はやく逃げないとマスターしぬの。だめ!
だからあたしマスター守る。そのため来た。あたしラージュ!戦士たい!
作りものだけどねっ。あたしはロボットな。今は逃げる、先。
「よく出来たロボットですな。お前足はやい・・もうだめ!走れん!」
───マスター!死にたいね?!走るの!走るの!
「無理だって・・俺人間だぞ!!ラージュ!待て!」
───タイキモード。ピー。
「え?お、おい!おーい!・・・止まった?」
俺は肩をつっついてみた。明らかに幼いこのロボットは、本当に俺を守れるのか。
歳なんてあるのか知らんが人間なら13歳くらいだろう。
───ゲンザイタイキモード。ロックジョウタイデス。
「はあー・・?動けよ!」
───カイジョ。・・・マスター!はやく逃げるの!走る!つらい!?
「辛いッス」
───仕方ない。よしっおらあっ!!!
「うあ!!!」
もちあげられとる!!!!!!!!!!!!
なんだこれ・・どんな力だよ。って・・
「おい走るな!おちる!」
───落ちない。マスターしっかり!あともう少しね!
その時、目の前のビルが倒れてきた。
俺は瞬時に終わったと思った。
そして気づいたら俺は何十メートルも先にいた。
あれ?助かった・・・あれ?
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ
あれ、ラージュは・・・・?
!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ラージュ!!!!!!!!!何処だ!?おいで!」
ピーッピーッ
───マスター・・!無事ね。よかった。すぐ、いきまス・・ビービービーッジジッ
「ラージュ!大丈夫か?」
───大丈夫ね!マスター逃げるよ!もうすぐこの激しい崩壊も済む。そしたら
もう大丈夫。
だからそれまで逃げるの。
いいね!
「お、おう!守ってくれて、ありがとな」
そういって、ラージュの頭を撫でた。
彼女は、照れくさそうに微笑み、力強い目で俺をみて言った。
───別にいい!それがあたし役目!マスターを守る。作られた理由ね!
「喋りがかたことだな。っておい!もちあげるな!こええよっ」
───いっくよお!
生身の人間のように照れたりするのに、この子は本当にロボットなのだろうか。
ただ俺を守るため、人間を守るだけのために作られたなんて、
少し胸が苦しくなる。なんて、なんて儚い存在なんだ。
俺はこの子に何を与えてあげられるだろう。残り少ないこの時間で。
───マスター!ぼーっとしてる。時間ない!急ぐね!
「ああ、すまん。そうだな、急ごう。」
ゴオオオオオオンバアアアアアンッ!
イヤアアアアアアアアアアアア!
「・・!今のって、悲鳴か・・助けにいかないとっ!」
───だめ!だめ!今いったらマスター死ぬ!いってはだめ!
「だからって人が危ない目にあってるのに!」
───みんなそれぞれについてる。あたしと同じ。ロボット。ついてる。
守れないのは、それの責任。だから、あたしも。マスター守る!それ大事ね!
「・・そうか。お前等もつらいな」
───あたし達ロボット、感情ない。わからない。だから平気。
今はここに隠れようっ!マスター!
感情。当たり前のように思っていた感情というものは、人間では常識といえるが
作り物には、ないんだな。かわいそう。そう思うしかないのが悔しい。
───ここなら少しの間安全!落ち着ける!マスターゆっくりするね!
「おう。」
───マスター!みて!
「なんだこれ?」
赤い水晶のようなネックレスだった。
ラージュの小さい体にかかっているそのネックレスは大きくみえた。
───これ、あたしの親!つまり開発者!もらった!ラージュの命だよ!ね!
「ラージュの命って言ってもらったのか?」
───そう!ねえ!これは綺麗というものって先生いってた!本当なの?
「先生、ああ開発者か。綺麗っていうのはキラキラ光るものや見て心が温かくなるのものだよ」
───先生は、他の研究者とは違う。他の奴、みんなひどい扱い。ロボットたちが、
罪なく消える。意地悪。だから先生はいい。先生はいいのね!
「そうか。」
───でも、こ、コロ?あたしにナイ。心、ない。なぜない・・・
しまった。そうだ、ないんだ。
でも、こんなにも楽しそうに話す彼女に心がないとは思えなかった。
もしかしたら、感情を生み出すかもしれないのにな・・
「じゃあ、どうやって喋ってるんだ?ラージュは。」
───登録されている。言語などが登録されているね!
「へえ。そうなんだ。」
───そろそろいく!もうここも危ないね!マスター立って!
「わかった。いこうか」
そのとき地面に一筋の亀裂が走った。
───&%$"#$&!%"&#"('$"$#"&%モード・・・
ガンッ
「う・・あ・・」
───マスターつかまって!ほれ!マスター!
「んな、こといっても・・な」
俺は宙吊りになっていた。手を離せば終わりだ。
死ぬ。死んでしまう。腕が・・・もう・・
ガシッ
───マ、スタアアアアアアアアアアアアアア!!
「うああああああっ」
背中に痛みを感じ目を開くと地面に寝転んでいた。
───ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・マスター!よかった!無事ね!
「ラージュ!お前、もちあげたのか?」
───えっへん!いくよ!マスター!
なんて力が強いんだ・・・きっと相当体力を消耗しただろう。
息があがっていたし・・
大丈夫か・・ラージュ・・・
───やばい!マスター!ここは危ない!離れてて!
「だめだ!ラージュが!!!!!!!」
───あたしは大丈夫!強いの!いいから離れて!
「だめだラージュ!!!!ラー・・うあ!」
ドンッッッッッッッッッッッッッッッッッッ
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン・・・
視界が真っ白になる直前。小さな声で、ラージュの声が聞こえた気がした。
───マスターありがと。命、あげる。あたし。マスターのもの。
そう、聞こえた。
そのまま目を閉じ、俺はどのくらい倒れていただろう。
目を開き起き上がると、
岩山ができていた。
ラージュは何処にも見当たらなかった。
「ラージュ?ラージュ!?」
そんな。
「ラージュー!!!!!!!!」
そんな簡単に、
「どこだよ!ラージュ!!!」
壊れるわけ、ないよな。
俺は、岩山の岩を一つずつ除けた。
見覚えのある水色の袖が、そこにあった。
「ラージュ・・・?!」
周りの岩を全て除けたとき、俺は涙があふれていた。
───ビッ・・ビビ・・マ、マアアアア・・・ビビビ・・マス・・ター・・ビーッ・・バチッ・・
「ラージュ!」
・・
俺は勢いよく抱きしめた。ボロボロの。一人の少女を。
───マ、マス、マスター・・・・ビッ・・涙・・よ、くな・・ビビビ・・よくな、いね・・バチッ・・ジジジ
「そうだよな。ごめん。もう泣かないから。もういいんだぞ、ゆっくりお休みラージュ」
───はい、マス、ター・・バチッ・・・・ビ・・
───バチッ・・コノデータハシヨウデキマセン。コノデータハシヨウデキマセン。コノデータ・・
ありがとう。ラージュ。
「うあああああああああああああああああああああああああああああああ・・・」
──────────────────・・・・
俺は眠っていた。ジリジリとうるさい目覚ましでおきた。
眠い目をこすり、ゆっくりと開く。
カーテンを空け、空をみる。
「はーあ、よくねたわ、っと腰いてえ」
俺はどうやら、夢をみたようだ。
すごくリアルで切ない夢。
これまでにはっきり覚えていることは生まれてから一度もなかった。
「ラージュ・・だったけ。・・・あ、これ・・・!」
右手には、赤い水晶のネックレスが握ってあった。
──────────────────────オワリ───
.
えーっと、ラージュは壊れてしまいましたね。
ラージュって名前の由来は・・・よくわからん。笑
夢と現実のループって、ありませんか?
私はよくあります。だから今回これを書いてみました。
このお話でつながってるのは、赤い水晶ですね。
ちょっと不思議なお話!短かったですけど、
最後までよんでくれてありがとうございました。