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6 海斗は魔法スキルを作ってみる

「さて……。魔法スキルにも手を付けるかな」


次の日、学校から帰ったカイはノワールにあげるためのスキルづくりを始めようとしていた。


「とりあえず、俺が使いづらいスキルから優先的に合成したほうがいいよな」


カイは『サンドブレス』と『ウォーター』を合成してみる。すると、『マッド』を得ることができた。


「あー、やっぱり『マッド』か。これは持ってるしなあ」


あ、そうだ、と、カイはスキル屋へ向かう。そこで、『ポイズン』を購入する。比較的レアなスキルだが、一度に大量に獲得できるため、3000ゴールドで買うことができた。幸いなことに、誰かが一度に大量に売ってくれていたらしい。

よし、とカイは『マッド』と『ポイズン』を合成する。すると、新たなスキルとして『毒の沼』を獲得したことが通知される。


「よしよし。予想通りだ。入手条件が厳しいからな。まあもしかしたら持ってるかもしれないけど」


カイは念のためノワールにメッセージを送る。持っているようだったらこれをベースにしてまた何か別のスキルを作るつもりだからだ。

しばらく待っていると、ノワールからメッセージが来る。そこには、確かにノワールは『毒の沼』は持っていないが、『毒耐性Ⅲ』も持っていないことが書かれていた。『毒の沼』は使用者にも毒ダメージを与える。そのため、このスキルを獲得するには『毒耐性Ⅲ』を持っていることが必須条件なのだが。


「そうか……毒耐性がいるのか」


カイは考える。毒耐性の獲得条件はちょっとめんどくさい。カイも『毒耐性』なら持っているが、ランクを3にするにはそれなりのマナが必要になってくるだろう。ちなみに耐性系のスキルはランク5が最大である。状態異常系のならば現状、ランク5にしておけばかからなくなる。これも当然、上位陣なら優先的にランク5にしているスキルである。

簡単に作れないかと考えてみる。とりあえず、『ポイズン』はいるだろうと思い、5つほど購入した。一つ買うごとに少しずつ値段が上がっていき、合計20000ゴールドとちょっと、かかってしまった。


まずは『ポイズン』と『防御力アップ』を合成してみる。すると、


あっさり『毒耐性』をゲットしてしまった。

あっさりといっても運が良かっただけであるのは否めない。通常なら『ポイズン』は10000ゴールド以上はする。そのことを考えると、どちらが効率いいかは怪しいラインである。

とにかく、カイは『毒耐性』を4つ作ると、それらをすべて合成して『毒耐性Ⅲ』を作り出した。『防御力アップ』は『攻撃力アップ』と同様、飽和しているため格安で買うことができた。これならと、追加で『防御力アップ』を95個購入して、それぞれ、3つ『防御力アップⅥ』を作成した。


「ほかの耐性も作ってみたいな」


そう思いカイは店で『ファイア』『アイス』『サンダー』を購入する。これと『防御力アップ』を合成すると耐性が作れるんじゃないかと考えたからだ。カイはまず、『ファイア』と『防御力アップ』を合成する。

すると、『炎耐性』を取得したという通知が届く。


「思った通りだ」


カイは同様にして『氷耐性』と『雷耐性』を取得する。すべてすでに持っている能力ではあるが、それと合成すればランクを2にできる。作っておいて損はないだろう。


「『サンダー』と『防御力アップ』で『雷耐性』か。『麻痺耐性』は別の方法なんだな」


どうやったら『麻痺耐性』を獲得できるだろうか考えていると、ノワールからメッセージが届く。

そこには、一緒にボスモンスターと戦いに行ってみませんか? と書かれていた。


カイが、指定された場所へ行くとそこにノワールとブランが立っていた。


「来てくれましたね」


ノワールが口を開く、ブランは少し疲れた様子だった。


「はあ、いまだにドロップしません……。『獄炎の一撃』をいただいたおかげで一周する速度は上がったんですけど」


ブランはそう言いながら、78個に増えたMPリングを見せてくる。


「ダブルマジッカーのレアドロップって5%くらいだろ、さすがにそろそろ獲得してもいいと思うんだけどな」


ブランが挑戦しているのはダブルマジッカーというボスモンスターである。通常ドロップはMPリング、レアドロップアイテムは『光の魔法衣』。MPアップの効果と、闇属性からうけるダメージを30%減らすという、比較的使い勝手の良い装備である。カイは当然、どのボスモンスターからどんなスキル、アイテムをドロップするかは把握している。


「それで、戦うのはダブルマジッカ―?」

「ええ、そのつもりです。ブラン、行ける?」

「大丈夫、大丈夫。パーティで行けば息抜きになるし」


ブランは実はパーティを組まず、ソロでダブルマジッカー挑んでいた。高い魔法防御力があるダブルマジッカーに対してあまりノワールが役に立たないというのも一つの理由だ。


「じゃあパーティ申請出しますので承認してください」


ノワールはそういうとメッセージを開いて、カイたちにパーティ招待を送る。カイとブランはそれに承認すると、今度はノワールとブランにスキル獲得のファンファーレが鳴る。


「あれ、なんだろう」


ブランがスキル欄を開くと『三人の誓い』と書かれたスキルが映っていた。


特性スキル『三人の誓い』

・初めて3人でパーティを組む

《3人パーティを組んだ時に、獲得するゴールドと経験値が10%アップ ※交換・譲渡・売却不可》


このスキルは一度しか獲得できないスキルでほかの人にあげることができない。カイは既に持っている。このあたりのスキルは2~8人まですべて網羅した。


「そういえば、あったね。二人でパーティ組んだ時も」

「そうね。これってすべての人数であるみたいね」


ブランとノワールが会話する。カイはそれを見て思い出したかのように、二人にスキルを上げる。


「そうそう、『防御力アップⅥ』と、あとノワールには約束していた『毒耐性Ⅲ』、『毒の沼』だ」

「「ありがとうございます!」」


カイとしてはほかの耐性もあげたかったが、時間がなかった。また、『炎耐性Ⅴ』を作るにも、『ファイア』が16個、つまり16000ゴールド必要になる。『ポイズン』も大量に買って、そんな余裕はもうカイにはなかった。


こうして3人はダブルマジッカーが出る、洋館へと向かっていった。


☆☆☆☆☆☆


魔法スキル『サンドブレス』

・砂モグラのドロップスキル

《砂ぼこりを巻き起こす》


魔法スキル『ウォーター』

・スキル屋で常時購入可能。

《水を出す》


魔法スキル『マッド』

・泥スライムのドロップスキル

《泥で攻撃。当たると速さ5%減少。累積不可》


魔法スキル『ポイズン』

・毒スライムを自分が毒のダメージでHPが半分以下になっている状態で倒すと確定ドロップ。

《弱毒攻撃》


魔法スキル『毒の沼』

・『毒耐性Ⅲ』以上及び『ポイズン』を持った状態で、毒スライムを10体連続で討伐。

《周囲5mに毒の沼を出現させる》


特性スキル『毒耐性』

・特定の毒モンスターを討伐した際に落とすレアドロップアイテム『毒の結晶』5つとスキル屋で交換

《毒によって受けるダメージを減らす》


特性スキル『防御力アップ』

・同じモンスターから物理攻撃を10回受ける。

《防御力5%アップ》


魔法スキル『サンダー』

・スキル屋で常時購入可能。

《雷で攻撃。5%の確率で麻痺付与。》


特性スキル『炎耐性』

・炎耐性を所持していない状態で炎属性の攻撃で1度に体力を半分以上削られる。

《炎属性から受けるダメージを10%減らす》


特性スキル『氷耐性』

・氷耐性を所持していない状態で氷属性の攻撃で一度に体力を半分以上削られる。

《氷属性から受けるダメージを10%減らす》


特性スキル『雷耐性』

・雷耐性を所持していない状態で雷属性の攻撃で一度に体力を半分以上削られる。

《雷属性から受けるダメージを10%減らす》

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