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4 海斗はトッププレイヤーの友人がいる

『スキル廃棄物』が50を超えたとき、スキル獲得のファンファーレが鳴る。

カイは何を得たのかとスキルを確認する。


固有技スキル『スキルマテリアル』

・『スキルシンセサイズ』で合成した『スキル廃棄物』の所持数が50を超える。

《人が繰り出したスキルの合成の材料の一つが分かる》


どうやら獲得したスキルは『スキルマテリアル』を所持していることが条件の便利なスキルのようだった。


「これ獲得しても、1つだけだったらあんまり意味ないような……」


カイは自分の所持しているスキルを確認する。元から持っていた200を超える技スキルはすでに10を切っていた。残りはレアドロップスキルだったり、獲得条件が厳しいスキルなので取っておくことにした。


「とりあえず、獲得した使えそうな技スキルを使ってみるか」


カイは町から出て東の方にある森へ向かう。ここは夜は体力が高いわりに、経験値やゴールドがまずいモンスターが多く湧く場所のため、人はほとんどいなかった。


「まずは、『獄炎の一撃』をつかってみるか。武器は、刃物系なら何でもいいみたいだな」


カイは普段装備している短剣を持つ。そして目の前に現れたゾンビに向かって、


「『獄炎の一撃』!」


短剣から現れた巨大な火柱は、ゾンビを飲み込むと跡形もなく消し飛んでしまった。


「おお凄い! 通常の攻撃だと10回以上当てないといけないのに」


しかし、カイのMPは10程度を残してなくなっていた。


「うーん。あまりにも燃費が悪いな。俺のMPじゃこんなものなのか」


実際、このスキルを使える上位プレイヤーは、MP消費を抑えるスキルを多く獲得しており、なかなかに効率の良いスキルとなっているが、カイのレベルであればこんなものだろう。さらに言えば、上位プレイヤーのつかう『獄炎の一撃』と比べると、威力も何倍も低かった。


「うーん。少しMPが回復したらほかの技も使ってみるか」


しばらく休んでMPが回復したのを確認すると、次のスキルを使ってみる。


「よし、『一閃』!」


カイの体が高速で獲物の前へと動く、そしてそのまま、持っていた短剣でぶすりとモンスターに突き刺す。が、そこまで威力はないのか一撃で仕留めることはできなかった。しばらく攻撃し続けてやっと倒す。


「ダメだ……。威力が低すぎる。超高速で敵の前に近づけたとしても返り討ちに合うだけだ」


カイは自らのステータスの低さを憎む。だが、スキルを満遍なくとっていたおかげで、『スキルシンセサイズ』を手に入れたのだから我慢するしかない。


「今から、スキルを取捨選択して特定のステータスを上げるようにするかな……」


しかし、そんなことはできない。『スキルマテリアル』を手に入れた今、いつどんなスキルが必要になるかわからない。持っているに越したことはないだろう。


「まあいいや。街に帰るのも面倒だし、このままログアウトするか」


カイはログアウトして、そのまま眠りについた。



次の日、学校にて、


「おう! 海斗! スキル集めははかどっているか!」


豪快に背中をたたきながら声をかけてくれる。彼の名は、三浦陸也(みうらりくや)。海斗と共にskill infinityを始めた友達の一人である。上位プレイヤーが集まるギルド『光の太陽』の一員であり、それこそトッププレイヤーの一人である。


「それが、200ほど減っちゃった」

「はっ!? なんでだ」


海斗は『スキルシンセサイズ』について説明する。それを聞いた、陸也は笑顔で、


「やったな! ついにお前も固有スキルを手に入れたか!」


そう言って、背中をバンバンと叩く。


「おはよう。海斗、陸、何かいいことがあったのかい?」


後ろから声をかけてきたのは同じくゲームを始めた友人田中空大(たなかあきひろ)であった。空大もトッププレイヤーの一人で『常闇の魔術団』に入っている。彼らをトッププレイヤーにしているのはその運良く獲得できた強力な固有スキルである。陸也の固有特性スキル『ノクターンバーサーク』は日が沈んでいる間、攻撃力が150%アップするというもので、空大の持つ固有魔法スキル『アンリミテッドモード』は使用時、1分間のあいだ魔法スキルの消費MPが0になるというものであった。


「じゃあ何か面白いスキルは作れたのか?」

「とりあえず『獄炎の一撃』と『一閃』は作ることができた」

「はっ!? まじかよ! そんなに簡単に作られたら俺の苦労が台無しだあ」


『獄炎の一撃』を使える片手で数えられるだけのプレイヤーに陸也は含まれている。陸也は悔しそうに海斗を見る。


「でも、俺の能力じゃうまく使いこなせなかった。陸也いる?」

「俺はもう持ってるけど、他のギルドメンバーにあげたら戦力増加になっていいかもな」


ここで空大がそれを止める。


「やめてくれよ。これ以上光の太陽を強くしないでくれ」


『光の太陽』と『常闇の魔術団』はライバルギルドである。それぞれのギルドマスターが知り合いであり、何かと張り合っている。


「あはは。じゃあ『一閃』は?」

「それも俺はいらないな。というか、それ短剣装備したときしか仕えないだろ。あんまり需要高くないんじゃないか?」

「そうだね。僕も杖だし、使い道がないかな」


そうこう話しているうちに、チャイムが鳴ったので解散した。昼休みは『スキルシンセサイズ』でどのようにしたら強いスキルが作れるかで盛り上がった。

放課後は部活に入っていない空大と海斗は二人一緒に帰りながら、『光の太陽』についての話題で盛り上がった。


☆☆☆☆☆☆


技スキル『一閃』

・速さが100以上の時、短剣でエスケープラビットを一撃で倒す。

《超高速で敵に近づいて一刺し》


固有特性スキル『ノクターンバーサーク』

・22時~4時の間、常に毎日5日間以上ログインした状態で、かつそれ以外のプレイ時間が10時間未満の時、1時~3時の間にボスモンスター「ワイトキング」を倒す。

《夜(22時~4時)の間攻撃力が150%アップ》


固有特性スキル『アンリミテッドモード』

・レベル15以上かつ最大MPよりも魔法攻撃力が高い状態で、30分以上MPが5%以下にして、MPがぴったりなくなるように魔法スキルを使ってモンスターを倒す。

《1分間、魔法スキルの消費MPが0になる》







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