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貴方が隣にいる世界 -Cthulhu Mythos-  作者: 柳野 守利
第九章 鏡合わせの観測者
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第138話 悪霊の館

お久しぶりです。

結局、前回書く気はあるとか言っておきながらこの始末でした……。


 ある日の昼下がり。部屋の中では氷兎と西条の二人だけであった。新しい任務が与えられるまで、休暇を取りながら研鑽の日々を送るのが今の彼らの仕事である。


 珈琲を飲みながら小説を読む氷兎と、武器の手入れを行う西条。珍しく翔平が外出しており、部屋の中は静かなものであった。各々トレーニングを終えて、趣味に没頭し、このまま一日が過ぎようかと思われていた。そんな折である。


「たっだいまー。ワゴンセールで面白そうなゲーム売ってたから、気晴らしにやろうぜー!」


 意気揚々とばかりに、翔平が帰ってきた。あんな事件があった後だというのに明るさを失わないのは、きっと意図してのものだろう。暗くなってばかりでは生きていけない。下を向いてばかりでは死ぬだけだ。そして死んでしまえば……あの事件で生き残った意味がなくなってしまう。


 そんな彼の心遣いを察してか、氷兎も西条も、苦言を言うことはない。いつものように戦い、いつものように帰り、そしていつものように日常へと戻る。それが重要なのだから。


 翔平が片手に持っている袋の中には、安売りされたゲームカセットがわんさか入っていた。どうせ全部はやり切れないだろうに、よく買ってくるものだと氷兎は心の中で呟く。西条もどこか呆れたような顔である。そんな二人の態度など露知らず、翔平はせかせかとゲーム機の準備を始め出した。


「ワゴンセールって、基本売れ残りじゃないっすか。面白いものなんてあるんすかね」


「ばっかお前。こういうのはな、それを発掘するのが楽しいんだろ! クソゲーだったら、それはそれで笑い話にできるしな」


 そういうものかと納得し、氷兎も翔平の手伝いをし始める。遠巻きに西条が見守る中、ゲームのセッティングを終えると、さながら新しい玩具を買い与えられた子どものような目で翔平はゲームカセットを取り出し、ゲーム機にセットした。


 起動音と共に、画面にはオープニングムービーが流れ始める。画質が随分とガビガビしていた。人物はポリゴンで表現されていることから、かなり古いゲームスタイルを意識したものらしい。


 どうやら、古い洋館で物語が始まるようだ。館の主はウォルター・コービットという年老いた魔術師といった設定で、自分の魔力に限界を感じ、素養のある人物を誘拐して自分の力にすることを繰り返していたようだ。なんとも胸糞悪い人物であるが、どうやらこの老人が主人公らしい。


「タイトルは……『悪霊の館』ですか」


「事前情報完全になしだぜ。タイトル買いってやつだ」


「ふーん」


 鼻を鳴らすように返事をして、氷兎はスマホで検索し始める。しかし、有名な小説などが入ってくるばかりで、ゲームそのものはまったく見当たらなかった。記事にすらならないレベルのマイナーゲーなのかもしれない。


「館の中に罠を仕掛けて侵入者を倒す、と。逃げ回りながら罠をしかけて、全員倒すのが目標みたいだな」


「なーんか似たようなもんを見たことあるような……」


「アレだな、影牢のパクリみたいな感じがする」


 まぁ、売れないゲームなんて大体パクリか、クソシステムかクソシナリオが大半だろう。このゲームも、主人公が老人というだけあり、移動速度がかなり遅い。そのくせ敵の動きはかなり早く、侵入者が来る前にある程度罠を設置しておかなければ負けてしまう。


 敵が近づくと動き出す西洋甲冑の置物。扉を開けた瞬間飛んでくるナイフ。腰掛けた瞬間足を掴まれてベッドの下に吸い込まれて喰われる化物ベッド。


 そういった、いかにも魔術師って感じの罠の他に、シャンデリアを落としたり、水溜まりに電源コードを浸しておいて感電させたりと、人間味のある罠もいくつかあった。これらを駆使して魔力を高めていき、最終的には大いなる存在とやらを呼び出すのが目標である。


「移動速度が遅いのがネックだけど、たいして難しくもないな」


「まぁ、そりゃ序盤ですし」


「……なかなか、味のあるグラフィックだな。今どきポリゴンなんぞ、流行りはしないだろうに」


「いやいや、最近ドット絵のゲームで名作が出てるんだぜ。昔懐かしの作風に、現代の機能を持たせるってのは人気が出るんだ。流石にこんなポリゴンゲーはないけどさ」


 なんてことを軽く話しつつ、翔平は次々とステージをクリアしていく。迷い込んできた子ども、捜索の為に訪れた警察、度胸試しに来た学生など、多くの人を巻き込みながらも物語は進んでいく。


 やがて霊媒師や、自称魔術師といった特殊技能を用いる敵が出現し始め、難易度は徐々に上がっていった。流石にノーダメージではクリアできないステージが続いていく。


「マジで足が遅せぇよこのオッサン! 罠設置する前に敵が来るじゃねぇか!」


「相手の魔術師は魔法で攻撃してくるのに、なんでこっちは自前で攻撃できるものが何ひとつないんですかね」


「設置技しか使えないのヤバいって。魔力に限界を感じてた初期設定って、そもそも才能がなかったんじゃねぇのかよこれ」


 愚痴を吐きながら進めるも、とうとう最終ステージまでやってきた。館にやってくるのは日本から派遣された特殊部隊とのこと。複数人で殴り込んできたが、落とし穴で部隊を分断し、各個撃破を狙うといったところからスタートだ。


 それぞれが特殊技能を持ち、身体能力が高い。連携はそこまでしてこないが、個々人の能力は最高レベルと言ってもいい。かなりの難敵である。中でもリーダー格の女がかなりの猛者だ。罠を解除し、的確なクリアリングを行ってから部屋を突破してきている。


「うーん、これはアレだな。別働隊の死体を使って罠を仕掛けるか」


「ゲームに言うことじゃないですが、本当にこれ主人公でいいんすかね」


「……昨今、主人公が悪であることは珍しくもないだろう。ただ、それには悪なりの美学や背景があってこそだがな。もっとも、こんなオッサンがそんな殊勝なものを持ち合わせているとは思えんが」


「だよなぁ……あっ、急に忍者が出てきて監禁してた奴らを解放しやがった! ズルだろこんなの!」


 突如として出現した忍者がギミックを次々と破壊していく。魔物を召喚して忍者を殺そうとするも、リーダーが合流してきて、あっという間に蹴散らしてしまった。為す術なく攻略されていき、やがて主人公も斬り伏せられる。画面に表示されるYou diedの文字。顔がボコボコになった主人公が、涙ながらにコンティニューを訴えかけてくる。


「だぁーっ、クソ。どうすんだよコイツら!」


「でも、相手のギミックはわかったじゃないですか。今度は先読みして罠を張れば良いだけですよ」


 コンティニューすると、再びゲームは部隊の分断後に移り変わる。先程の経験を用いて先読みでトラップを配置するのだが……。


「うっそ、罠避けられたんだけど!?」


 前回は引っかかった罠を的確に回避させられてしまった。その後も同様に罠が全て回避されてしまい、前回の半分以下の時間で主人公の元まで辿り着かれてしまい、あえなく首を斬られて死亡。


「ちくしょう、もう1回だ」


 翔平が悔しそうに喚きながら、コンティニュー。今度は避けられてしまった罠の先に、更に罠を仕掛けることで対策をした結果、部隊の大半を死亡させることに成功。しかし、忍者がマップから姿を消し、どこからともなく出現することを繰り返しながらリーダーと合流し、ほぼ二人の力だけで主人公は殺されてしまう。


「ずるくねぇかこの忍者。ウチにいる忍者はアホの対魔忍しかいねぇのに」


「藪雨の奴も、気配を消したりできればいいんですけどね。多少足が早いのと、手先が器用なくらいですし」


 なんてことを軽く愚痴りながら、再びゲームをコンティニュー。趣向を変えて罠を設置したところ、やはり初見の罠に関してはかなりの確率で引っかかってくれる。


 しかし肝心のリーダーと忍者についてはどうしようもなく、尽く対処されて主人公の元に辿り着く。流石は売れ残りのワゴンセール商品、まさしくクソゲーであった。ゲーム開始から数時間が経過するものの、一向にクリアできる気配がない。


 そんな繰り返される光景を見ていた西条が、ふと疑問を口にした。


「……なぁ、このリーダーと忍者のふたりだけ、動きがおかしくないか」


「おかしいって、そりゃ性能が……」


「違う。そんなゲーム性の話じゃない。最初からここまで、数度にわたってやり直しているが、このふたりだけ罠の位置を全て記憶している可能性がある」


「嘘だろ。まさかシステムに学習されてんの!?」


「そんな高性能なゲームには見えませんが……」


「2回目の時、あからさまに1回目の罠の位置を警戒していた。3回目の時には2回目の罠を警戒し、その先に設置された罠には引っかかったが、それ以降は先読みの罠も警戒されている。死んだ連中はまちまちだが、常に生き残っているこのふたりだけ、動きが異様過ぎる。AIだなんだと言うには、異質だ」


 ───まるで、本物の人間のように。


 その言葉は西条の口から漏れなかったが、必然とそう続くように思えてならなかった。何度もコンティニューを続け、幾度も卑怯な手を使い、クリアするために行ってきた行為がどうにも心を揺らがせる。


 けれども、普通のゲームだ。使える手段を用いて、ゲームのシナリオに則って、ゴールを目指すだけのものだ。これまでやってきた他のゲームでも似たようなものはあっただろう。時に平然と人を殺し、キャラクターの反応を楽しむことだってあっただろうに。


 ただ今は、そんな気分にはなれそうもない。


「……なんか、やる気が失せちまったよ」


「まぁ、もういい時間ですし。飯にしましょうか。たまには食堂にでも行きましょう」


「そうだなぁ。まぁ、この手の死にゲーって寝て起きたらクリアできるようになってる事もあるし。一旦脳を休めるか!」


 コンティニュー画面で、諦めるを押してゲームを終える。電源が落とされたテレビ画面は真っ暗なまま、何も映すことはない。



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜



 翌日の朝、彼らは司令室に呼び出されていた。何かやらかしたかと思い返してみるも、心当たりはそれほどなかった。そもそも簡単にバレるような偽装工作はしていない。ちょっと弾薬代を吹かして請求したくらいだ。


「朝からご苦労。とりあえず、呼び出して早々に来てくれたことに感謝するよ」


 いつか、呼び出されても外出中だったことを根に持たれているのか、木原は皮肉げに笑っている。業務形態上仕方ないだろとは思いつつ、彼らは苦い顔を悟られないように努めた。


「要件はなんだ。こんな朝っぱらから任務の話か」


「そうだな。その前に……君たちはこの組織の現状をどう見ている? 例えば、戦力面においてだ」


 戦力面。そう問われ、自分たちが組織に入ってからのことを思い返してみる。今やトップチームとして認識されている彼らだが、入って一年と経っていない若造であることに違いはない。無論、ベテランもいる。壮年の戦闘員として前線に出る者もいるのだが……。


「……言ってしまえば、使い物にならん奴が大半だな」


「いやおま、それはちょっと言い過ぎじゃない?」


「少し考えればわかることだ。そもそも自衛隊のような志願制じゃない。この組織にいる大半は、偶然化物に襲われて、保護を受けてから戦闘員になる。メンバーの多くは元から適性がある連中じゃない。俺たちは起源という能力を覚醒させ、無理やり戦えるようになっただけだ」


 起源については不明な点が多い。しかしながら、オリジンに所属すると決めた時、起源を判別させられ、自覚し、そのまま力となるのが流れだ。身体能力の向上、特殊能力の覚醒。ある程度の訓練は積むとはいえ、誰しもが崇高な理想を掲げて所属した訳じゃない。人員を増やそうにも、組織のことは公にできない。皆、叩き上げの一般人でしかなかった。


 故に、精神的な脆さと非常識への耐性を持ち合わせないまま現場に出ざるを得ないことがしばしばある。そして、そのまま帰らぬ人となるか、生きて帰ってもPTSDを発症して病棟送りだ。そんな西条の言葉に、木原は小さく頷いて言葉を続ける。


「いいや、西条の言うことも尤もだ。そこで、組織全体の能力向上を目的とし、訓練を行ってもらいたい」


「それは……自分らが、教官としてってことですか」


「ハッ、馬鹿馬鹿しい。俺はやらんぞ」


 そう吐き捨て、西条は顔を背けた。翔平と氷兎も顔を見合わせるが、正直やりたいという気持ちはない。


「こんな成人もしてない連中に稽古をつけてもらいたいと頭下げる奴が何人居ますかね」


「稽古つけるったってなぁ……いやほら、俺そういうの向いてないし。そもそも射撃訓練しかできねぇよ」


「君達も既に知っての通りだと思うが……この組織の中で生還率、負傷率、達成した事件の難易度、どれをとってもトップレベルであることは間違いない。それに、死にたくなければ強くなる他ないのだから、嫌でも訓練は受けるだろう」


 1年生き残ればベテランだと言われる程度には、死人が出るのだから。そんな組織に身を置くのであれば、どうあれ研鑽は積むべきであるのは間違いない。


 しかしながら、どう教えろというのか。氷兎の頭ではすぐには思いつかなかった。やるにしても、西条にいろいろと聞いて案を練るべきだが、本人はやる気がない。困ったものだと軽くため息をつく。


 答えあぐねていた彼らの沈黙を破ったのは、司令室を叩くドアの音、そして力強い女性の声だった。


『一般兵白百合(しらゆり)、及び紫藤(しどう)! 任務より帰還いたした!』


「あぁ、ちょうどいい。この二人にも声をかけようかと思っていたところだ。入っていいぞ!」


 失礼する、と大きな声で返事をして、二人の男女が部屋へと入ってくる。女性の方は少々背丈が低いものの、どこか自信に満ち溢れた表情が特徴的な人だった。男性の方は、女性よりも頭一つ大きい。そして特徴的なのは細い目だった。最早、開いているのかすら分からないほどに。


 未成年ばかりの彼らとは異なり、ちゃんとした大人のチームのようだ。彼女らは氷兎たちを一瞥すると、木原の前までやってきて軽く頭を下げてから話を続けた。


「報告済みのため、事のあらましはご存知のことかと。此度の任務は成功と相成りましたが、我ら二名を除き、全滅であります」


 全滅。その言葉に、三人は表情を固くした。聞く限りでは、任務で8名の部下を率いることになったが、連携もままならず、死んでしまったのだと。


「いやぁ、ホンマ困ったもんですわぁ。なんせあの爺さん、死んでも生き返りよるし」


「生き返ったのではないぞ紫藤くん! あれは時間が巻き戻るが如く、何度も同じ戦場を駆け巡ったのではないか!」


 時間逆行。そんなことを出来る奴が相手だったとは露知らず、氷兎は目を丸くする。自分が死んだ後に自動的に発動する魔術なんてものがあるのか。そんなのズルでしかない。殺せるとしたら……魔力切れになるまで続けることだろうか。いや、そもそも巻き戻るのならば魔力も復活しているはず。


 そんな馬鹿げた奴を相手に、生還できただけ御の字なのだろう。それに、彼らは無理やり組まされたチームであったらしい。おかげで普段のような連携は取れず、供述した任務の難易度も相まって、紫藤という男は言葉の節々に毒を含ませたような物言いで報告をしていた。そんな彼の脇腹を白百合と名乗った女性が小突いて諌める。


「隊員が死んでしまったのは、カバーしきれなかった我々にも非があるのだ、紫藤くん」


「せやかて百合ちゃん、こんなアホみたいな任務──」


「百合ちゃんと呼ぶな! 白百合か、リーダーと呼びたまえ!」


 紫藤の足が勢いよく踏みつけられる。半ば夫婦漫才のように見える彼らであった。若干顔を歪ませながらも、不敵な笑みを崩さないように彼は話し続ける。


「時間の巻き戻しだけでも厄介やっちゅうのに。罠まで張り巡らされているんやもんなぁ。しかも、巻き戻る度に難しくなりよる。死んだ連中の記憶は消えたままやのに、あの爺さんは記憶を引き継いでいるみたいやったなぁ」


 罠、爺さん、巻き戻し。どこか引っかかるようなセリフに、氷兎はつい聞き返してしまった。どんな事件だったのかと。


 そうして彼らから返ってきた内容は……外国の山奥にある館に、人を攫う魔術師がいたのだと。誘拐事件として話題になってしまっていることから、オリジンがアメリカ政府と交渉し、現場に急行。


 いざ館に辿り着いてみれば、部隊は分断されるわ、多種多様な罠で味方は命を落とすわ、館の主を殺害しても時間が巻き戻って気が狂いそうになるわと。


 何度も何度も仲間の死を目の当たりにしながら、数えるのも億劫なほどの繰り返しの末、ようやくループから抜け出すことができた。結局、生き残ったのはリーダと副リーダーの二名のみ。


 そんな聞き覚えのある内容に、彼らの背筋に嫌な寒気が生じる。そんな内容のゲームを、つい昨日やっていたのだから。


「その、館の主の名前って……」


 氷兎は固唾を飲み、主の名を尋ねる。そんな馬鹿な話はない。だってあれは……。


「せやなぁ、確か……ウォルター・コービットって爺さんやったかなぁ」


 ただの、ゲームのはずだ。


「……すまないが、急用を思い出した。先の件については、後日回答する。いくぞ、ふたりとも」


「あっ……あぁ」


 どこか蒼白な表情を浮かべて司令室から飛び出すように去っていった三人は、彼らに怪訝な顔で見送られた。


 しかし、悠長にしている暇はない。言葉を交わさずとも行く先は明白であったから。


 廊下ですれ違う人達に謝りながら、全速力で氷兎と翔平の部屋に向かう。そして着くやいなや、セットしっぱなしのゲーム機を手に取った。しかし……。


「カ、カセットがねぇ……」


「馬鹿な、あれ以降誰か触ったのか!」


「いや、触ってねぇよ! ゲーム機だって、俺ら以外触らないだろうし……」


 カセットは差したままにしていたはずだった。しかしどこにもあのカセットはない。収納棚をひっくり返し、ソファの下まで探したが……彼らが遊んでいたあのゲームカセットは、見つからなかった。


「……なぁ、あのゲームは……どっちが、先だったんだろうな」


「さぁな……ただ、俺たちがやっていたのはゲームだ。電子情報で作られた遊戯。それ以上でも、それ以下でもない……そう思っておけ」


 果たして、現実を素にしたゲームだったのか。ゲームが現実に反映されていたのか。それを知る由は、彼らにはなかった。



To be continued…

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