天災屋と最初の〈請負い〉
更新遅れてすみません
ジメジメしたいい季節になりましたね、
最初の〈請負い〉が来たのは、じっとりとした梅雨入りの時期だった
依頼者は同じクラスでの怪気桃華という少女だ
なんでも〈策士〉詩縫楓火の友人らしく、彼女を頼って『請負部』に来たらしい
改めて、依頼者を観察する
一切混ざり気のない黒髪や、幼い顔立ち、平均以下の身長などが
彼女に、小動物の印象を与えている
明るい印象を受ける彼女の顔も、今は曇った表情をしている
「そ、粗茶だけど…」
ふさしぶりの『請負い』がうれしいのか、慣れない接客に戸惑っているのか、天真爛漫な性格をした鞠奈さんらしからぬ、たどたどしい振る舞いだった
部室の中央に設けられた、二つのソファに書木くん、詩縫さん、向かい合うよう怪気さんと僕が座る
…なぜ、僕は怪気さんと一緒に座っているんだ
そんな疑問を投げかける前に、話は始まってしまった
「今日は、わざわざこんな所へ来てくれて誠に感謝の至りです 分かっていると思いますが
僕達は『請負人』〈報酬〉か〈条件〉さえ揃えば、なんでも請け負います
まずは、なんで貴女が僕達を頼るまでに追い詰められたのか、その理由を聞かせてくれださい」
書木くんの言葉に、沈んでいた怪気さんの表情に光が差した、しかし途端に泣きそうな顔になる
遂には、両手で顔を覆い泣き始めてしまった
戸惑ってしまった僕に、なにやら鞠奈さんが
カンペを出して来た
なになに、汚くて読めなっ…
『抱きしめろ!』
……………うん、汚くて読めない
彼女の指示を完全にスルーした僕
部内に気まずい沈黙が訪れる
だが、その沈黙は、怪気さん本人によって破られた
「友達を…!友達を助けてください!」
次回、山田くんの貞操がピンチ、?