第6 精霊さん、魔法を教えて!
あたしは森の中で蒼炎を放つ。
「キョウカちゃん、火が青いよ!」
「すごぉい!」
ジェーンとアイルが蒼炎を初めて見たのか、炎に見惚れた。
キョウカの空気操作によって炎の熱がジェーンとアイルにまで届いていないから言える事である。
蒼い炎は触れた物を灰さえも残さない程の高温である事を知らない。
余熱だけでも皮膚や肺を焦がす程の高熱である。
炎はたちまち樹々を燃やし尽くして半径10メートルぐらいの空地を作り出した。
次にキョウカは蒼い炎を消して高熱で溶けてしまった地面を凍りつかせた上で新たな土作り出しそれを被せた。
高温の空気を上空の空気と入れ替えて人が入っても大丈夫な環境を作り出した。
「準備、出来た。
魔法、教える。」
「あのね、あたしはね、この前の水の魔法が使えるようになりたいな!」
「ぼくはすごいのがいい!」
森の中に空地を作ったキョウカに食い気味にジェーンとアイルが頼み込む。
「うん、分かった。」
キョウカはそう答えるとキョウカの姿がぼやけた。
まるで二つの映像が重なって見えるようになった。
「わぁ、キョウカちゃんが二人になった!」
「あっちもこっちもキョウカだぁ!」
しばらくするとキョウカが二人に増えた。
「うん、二人、教える、魔法、違う。
あたし、増えた。」
なんと一対一で魔法を教える為に増えたと言うキョウカ。
「ジェーン、こっち。」
「分かった!」
「アイル、こっち。」
「うん!」
最初は驚きはした二人もキョウカの説明に納得したのか素直について行く。
順応が早い二人である。
その後、ジェーンはこの間使って魔物を仕留めていたキョウカの水の触手を作る魔法を見せてもらいそのまま触手で遊んだ。
アイルはもう一人のキョウカと浮かぶ能力で森の上を飛んだ。
村から何人か見て驚いていたようだ。
二人は夕方まで魔法を教えてもらうという遊びでクタクタになるまで遊んだ。