第13 精霊さん、フローラちゃんと精霊を召喚する!
誰一人と居ない部屋。
その中央に大きな円盤の石板があった。
その石板には文字らしき物が書いてあった。
きっかけもなく石板が突然光りだした。
光が収まると部屋には二人の女の子が居た。
キョウカとフローラだ。
「わたし、精霊と契約出来た。」
フローラがポツリと呟いた。
まるでその事実が信じられない様子で惚けていた。
「やった。
やったんだ。
精霊と契約が出来ちゃった!
キョウカさん、わたし、精霊と契約が出来ました!!!」
次第に笑顔になりながらフローラはキョウカに抱き着きながら精霊と契約を交わした事を喜んだ。
「うん、良かった。」
その喜ぶフローラに抱き着かれながら淡々と答えるキョウカ。
だがその顔には紛れもなく笑顔だった。
「お爺様に、お爺様にもこの事を伝えましょう!!」
しばらく喜んでキョウカに抱き着いていたフローラだったが、ふと精霊を契約した事をドップに伝える事を思い付いた。
「行く。」
キョウカとフローラは一目散に部屋から出た。
廊下では使用人が走る二人を見て怪訝に思い声を掛ける間も無く走りさ去った方を見た。
すると何故だろうかご主人の孫娘のフローラの背中が一瞬、輝いて見えた。
使用人は何かの見間違えだろうと思い仕事に戻った。
キョウカとフローラは立派な扉の前に来た。
「お爺様!
大変な事が起こりました!!」
フローラは扉を急いで叩いて返事が帰る前に部屋の中に入った。
「どうした、フローラ。
キョウカと何かあったのか?」
ドップはフローラの様子と近くに居て何かを起こしてくれると思っていたキョウカの名前を出した。
「お爺様、精霊と契約が出来ました!」
フローラは経過を飛ばして結果を言った。
「な、何だと!?」
ドップは慌てた。
ドップはフローラの横に立っているキョウカの正体を知っているからだ。
キョウカは暗黒の森に住まう精霊。
『暗闇の幼子』『国崩』『望願之神』と言われる精霊様。
そのキョウカと契約をするとどれだけの利点と代償があるだろうか?
その希望とも絶望とも言えぬ表情をフローラは自分の言った事を理解出来ていないと思い説明を始めた。
「お爺様、キョウカさんがアージに書いてあった精霊語を読み取って改良して精霊と契約しました!」
「訂正、契約、違う。
フローラ、精霊、召喚。」
キョウカがフローラの間違った説明を訂正した。
だがその一言でドップはさらに深く思慮に嵌り、フローラは戸惑った。
「え?
キョウカさん、違ったんですか!?」
「うん、違う。」
二人の子供らしい説明を理解するのに時間が掛かるドップであった。




