第12 精霊さん、侵入者を撃退!
急に目標が加えられた。
大商人の孫ともう一人、大商人の恩人の孫らしい。
報酬を二倍にするってよ。
おいおい、たとえガキだとしても一人増えたら倍の苦労って訳じゃねぇよ。
ま、狙えたらやってみっか。
まずは建物に入るか。
スキルで匂い、姿、気配を消してっと。
足音を立てないように移動だな。
くひひ、目の前の使用人さえも俺に気付かねぇ。
看破のスキルを持ってるような奴の情報は無ぇし、心配は無ぇな!
情報だとこっちの方の部屋に目標は来てるらしいな。
くひひ、アージなんて精霊を召喚する高価な物を渡す訳ねぇだろ!
目標はすっかり本物と信じて運び込んだらしいけどな!
今頃は夢の旅ってな!
さてこの部屋だな。
さぁて俺の精霊は仕事をしてるかな。
俺がドアの取っ手を握ると足場が崩れた。
「は?」
おいおいおい!?
なんで足場が崩れんだよ!?
俺は落ちもせずに空中に留まった。
まるであいつのスキルみてぇじゃねぇか!?
「遊ぼ。」
「は?
アヂィイイイイイイイイイ!!」
幼いガキの声が聞こえたと思ったら腹のど真ん中に熱い何かで貫かれた。
「ゲ、ゲグリ!!
てめぇ、俺を裏切ったのかぁ!!」
「遊ぼ。」
「ギィイイィァアアア!!!
ィダダダイィ!!!」
今度は両足を何かに挟まれて砕かれた。
「遊ぼ。」
ガキの声が聞こえる度に俺に激痛が走った。




