第11 精霊さんと精霊の国!
辺り一面にペンキをぶち撒けたかのような原色しか色が無い世界。
そう原色の色以外は何も存在しなかった。
物一つなく。
光も影も無い。
まさしく異常な世界。
そんな世界にフローラとキョウカが居た。
「ここはどこ?」
周りが先程まで石板の置いてあった部屋ではない光景にフローラは戸惑いの声をあげた。
「精霊、世界。」
「え?
もしかして精霊王が作ったとされるパクターですか!?」
フローラはキョウカの言葉に驚く。
パクターとは初めの精霊、精霊王が作ったとされる精霊が住まう地。
精霊以外は入る事の出来ない楽園だと言われその世界には飢えや病、死が存在しない世界だと言われるお伽のような世界。
実際、大半の精霊はその地で生まれる。
そして生まれた精霊は様々な地域に移動して生きていく。
召喚される精霊もパクターから呼ばれた精霊である。
「フローラ、精霊、来た。」
「どこです!?」
フローラはキョウカに精霊が来たと言われ周りを見渡した。
だが見えるのは原色の色のみ。
「周り、全部、精霊。」
「全部ぅ!?」
色は全て精霊だとキョウカは言った。
野生の精霊はとても希少だ。
フローラが聞いた精霊は殆どが召喚されて何者かと契約を交わした精霊である。
それも莫大な費用がかかったり命を落としかねない程の代償が大きい。
野生の精霊と言えば六属精霊と暗黒の森に住まう精霊しかフローラは知らない。
それが今は周りを埋め尽くす色、色、色。
その全てが精霊だとしたらどれだけ自分は凄い場所に居るのだろうか。
フローラはそう考えた。
「フローラ、精霊、姿、考える。」
「はい?」
「精霊、形、無い。
フローラ、姿、考える。
精霊、召喚、出来る。」
「召喚!!
分かりました!
考えます!」




