34、お姉ちゃんと呼びなさい!的なやつ
昨日は前書きも後書き無しですみませんでした。
…えっ!、それの方が良いって…
「ふふふ〜ん! 今日はミズキちゃんと掃除〜」
隣でソーラさんが楽しそうに鼻歌をしながら掃除をしている。このチームのメイドつまり、雑用として置いてもらってる私としては、雑用の類は全て私がやらなきゃ不安でしょうがない。しかし、私がまだ10歳ということもあり、身長が足らなかったりするためできないことの方が多い。
「ほ〜い! ガイムちゃん、あっちの高いところの埃落としてといて〜」
ソーラさんの指示に無言で頷くガイムさん。ガイムさんはソーラさんに指示されたところへ行くとほうきで塵を落とす。
"紅蓮の門"では8人のメンバーがそれぞれ2人ずつのペアに分けられ、主にその2人で行動をしている。アカギさんとシドウさん。イガラシさんとセンリさん。カレンさんとイサシさん。そしてソーラさんとガイムさんに分かれている。それぞれが戦闘において様々な役割を持っているらしい。
また、そのペアは日常生活でも利用され、私が来る前からそれぞれのペアの家事担当が決まっていた。よって今週はソーラさん組が掃除の担当であるのだ。
「ソーラさんいつもありがとうございます。私なんかのために…」
「ぶ〜!!ソーラさんじゃないよ!ソーラお姉ちゃんと呼びなさいっていってるでしょ〜。」
「あっ…ごめんなさい…ソーラお姉ちゃん…」
「いや〜そこまで深刻じゃなくてもいいんだよ〜。じゃあ次はあそこの掃除に行こうよ〜。ほら行くよ〜」
ソーラさんが私を引っ張って次の掃除場所に連れて行く。後ろからはガイムさんが道具を纏めて持ってきてくれる。
私から見て、ソーラさんは容姿言動のほとんどが私と変わらないくらいの年齢の子に見える。常に自分が先頭に立とうとするところが少し背伸びをしたい女の子に見えるからだろう。
「は〜い、到着〜!!」
目の前にはなんか高そうな陶器が沢山置いてある。
しばらくこの屋敷に住んでいてなかなかの広さに驚いている。二階建ての建物であり、部屋は全員に一室ずつ与えられ、それ以外にも食堂などの部屋がある。まだ外には出たことはないが窓から見える風景は木々の生い茂る森だ。そして、今私が来ているのは宝物庫のような部屋である。
「ここはイガちゃんがなんか色んなとこで仕事のついでに収集してきたものなんだ〜。滅多に掃除はしないんだけど、最近埃まみれで汚いし、今日はミズキちゃんにも見せたかったから軽〜く掃除しよっか。じゃあ、やっちゃお!」
そう言って奥の方へ走っていく。あんなに走ったら危ないよ、とか思いながらも口には出せない。
「じゃあ、私も気を付けて早くやってしまおう。」
私も手前側から綺麗にしていく。どこを見ても高そうなものばかりだ。無心を努めようと黙々と掃除を進めていた私の目に一つの作品が目にとまる。それは決して他の作品と変わらない見た目をしていた。
「こ…これは…」
私が目に止まったのは作品ではなく、その横に置いてあった入れ物の木箱だった。いたって普通の木の箱で表面には文字が書いてある。しかし、その文字が私に驚きを与えた。
「これって…漢字だよね?」
そう、それは少し黒ずみ見えにくくはなっているが私が18年間慣れ親しんできた漢字であった。この国というか大陸の言語こそは日本語とさほど変わらないし、文法も似たようなもんだ。しかし、文字は違う。ひらがなとハングルを少し合わせたような難しい形をしており、それが52音並べられているのである。
つまり、この世界には漢字はないはずなのである。しかし、目の前の木箱にはおそらく作者の名前と陶器の銘であろう漢字が並べられている。私は興味を惹かれて手を伸ばし木箱を取り出そうとする。
「ミッズキちゃん!! 調子はどう? 」
「ウッヒャア!!」
突然ソーラさんに声をかけられる。私は驚きの声を上げる。その弾みで木箱が陶器に当たる。
「あっ!!」
思った頃にはもう遅いその陶器は静かに重力に任せ地面に落ちる。
そして、陶器は自身の重さと高所から落ちるという位置エネルギーにより地面に到着すると同時にその身が砕ける。
「あっ…あ…ああ…」
後悔する頃にはもう遅い。私の目の前には粉々と化した陶器が散らばっていた。
お読みいただきありがとうございます!
忙しいぜやっふー!!な作者です。最近各話のタイトルが思いつきません。結構適当です。これも後日直すつもりです。
本当は前回の2話は1つにする予定だったのですが忙しさのあまり書ききれずあんな感じになってしまいました。今回も結構短めでしたね。すみません。
次回こそ、もっと早く投稿する!!…いや、したい…いや、できたらいいな。
では、