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奴隷娘の大逆転  作者: 逆辻 可愛
奴隷娘が暗殺組織に拾われるまで
34/45

30、俺に任しとけ!的なやつ

今日は少し早めに投稿!

明日もできたらこの時間にしたい!

「お前ら何勝手に言ってやがる! おい、奴隷!てめーはガタガタ震えて俺らの言うこと聞いときゃ良いんだよ!」


私たちが話しているうち檻の外には何人かの調教師が集まり待機している。男の一人が鞭を見せる。そして、それを地面に打ち付ける。いつの間にか頭を地面につけ土下座していた。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさ…えっ?」


突然頭を撫でられたと思うと身体が宙に浮き背負われる。突然のことに何があったか分からない。


「なーに怖がってんだよ。俺がいんだからよー、大船に乗ったつもりで俺に任せな! ああ、そうそう、俺に助け求めるっつうことはそれなりの報酬的なもん頂くからな! 」


「えっ?…あ、うん…って、ええ!?」


「危ねえからしっかり掴まってろよ! ああ…あとそこのお前らも死ぬ準備は出来てるか?」


そう言うと檻めがけて蹴りを放つ。それはまるで刃のように檻の格子を破壊する。そして、外に出ると一切の無駄のない動きで全員を一撃で仕留めていく。


「ふう! お前を背負ってっからもっと動きにくいって思ったけど、案外そんなこたねーなー! おめえちゃんと飯食ってた? って食えるわけねえか。」


そんな風に雑談しながらも決して敵の一撃は当たらない。


そして5分もしないうちにここにいた男たち全員を仕留めたのだった


「あー! もう終わってる!! ちょっとアカギさん!! 1人で飛び出していったと思ったら全く意味不明なとこ行くし、案の定おれが来る前に全員殺った後だし。…って誰っすかそいつ? 」


声のかけてきた方を見るとさっき赤髪の男が入ってきた穴からオレンジ色の髪を後ろで束ねた少年が入ってきた。


「おう! シド! 遅かったじゃねえか! こっちはもう終わらせちまったぜ! んで、こいつは戦利品。なんかそこでガタガタ震えてたから俺が貰った。」


「なんですかそれ…。まあ、それは後で考えるとして、報告します。イガさん組とカレンさん組、それにソーラ姉ぇ組もちゃんと作戦通り突入しました。予定通り動いてないのはおれ達の組だけです。…ほんとちゃんと予定通りしましょうよ…」


「ははっ、わりいわりい…。んじゃ、予定通り大将首取りに行きますか! こっちで合ってたよな? 」


「…逆です。」


そう言うとオレンジ髪の少年が先頭を走る。その後ろをアカギと呼ばれた赤髪の男が付いていく。


「あ…あの?」


「ん?どうかしたか?」


「あっ…えっと…助けて下さってありがとうございます。あんまりできることはないですが精一杯頑張りますのでよろしくです。」


私をあの暗がりから拾ってくれたんだ。感謝の気持ちを伝えるのは当然のことだ。ただ、この言葉の裏には私を見捨てないでほしいという願望がはいっている。


「ん? お礼か? まだ早いんじゃねえの? だってお前、まだ首輪は外れてねえし、それにここのトップのおっさんがつえー魔術師とか連れてりゃ分かんねえぜ」


その言葉に私は一層不安となる。確かに首輪は外れていない。この首輪の効果はわからないが、もしかしたら反逆したと分かったら私の命を刈り取るのかもしれない。そんな私に明るい声がかかる。


「まあ、気にすんなよ! 言ったろ? 大船に乗ったつもりでいろってな! まあどうにかなるさ」


私はこの言葉で再び不安が安心へと変わる。こんなに安心できるのはアッシュさんが助けてくれる時やご主人様が一緒に寝てくれる時ぐらいである。


「着きましたよ、ここです。どうやって入るんですか?」


目の前には今朝私が入った部屋の前で会った。オレンジ髪の少年の言葉に赤髪の男は笑って


「決まってるだろ! 正面からだ! 」


部屋の扉を蹴り飛ばす。


部屋の中には驚いた顔のノイラーとジャンカさんがいた。


「先ほどからうるさいとは思ってたがなんだ貴様らは?」


ノイラーが警戒しつつ問いかける


「俺らか? まあ冥土の土産だ答えてやるよ。 俺らは暗殺組織"紅蓮の門"。そして、俺がそこの代表のアカギだ。よろしくな!」


「紅蓮の門…聞いたことはあるな、大金を払えばどこの国の誰だろうとほぼ100%暗殺を成功させるとかいう外道集団のはずだ。つまりお前は誰かから頼まれてここに来た、そういう訳だな」


「ああ、あながち間違ってねえよその認識で、ただ…ほぼ(・・)100%じゃねえ、普通に100%だ。俺らに失敗はねえよ」


ノイラーはそれを聞くと笑い出す。ジャンカさんも笑う。なぜこの命が次の瞬間無くなるかもしれないこの状況で笑えるのか理解に苦しむ。


「だったら残念だな、今日が初失敗だよ!」


その言葉と同時にノイラーの座っている床から光が溢れる。


「くっ…これは転移魔法陣!? くそっ!シド!!」


呼ばれたオレンジ髪の少年が殴りにかかる。しかしその拳はまるで厚い鉄板に当たったかのように弾かれる。


「これは結界魔法もか…準備万端って訳だな」


「当たり前だろう? 私だって人の道から外れた事をやっている自覚はあるんだ。これぐらい対策はしてあるさ。では、さらばだな…くくく」


余裕綽々として笑みをこぼす2人。しかしそれなのにアカギは全く動揺していない。むしろそれがどうしたという表情を浮かべている。


それが諦めの表情だと思った2人は笑い続ける。しかし、いつまで経っても転移が始まらない。少し疑問の表情を浮かべたノイラーの後ろに一つの影が現れる。


「なっ!?」


2人が驚愕の表情を浮かべる。そしてアカギは今度こそ大声で笑い出す。


「だから言ったろ?100%(・・・・)だってよ。どんなシチュだろうが全て予想してメンバー組んでるんだよ。ガイム殺っちまいな」


アカギが指示を出すと2人の背後に立っていた長身の男の袖から紐が伸び2人の首に巻きつく。男がその端をキュッと引っ張るとノイラーは机に、ジャンカさんは床へ倒れこむ。


「ほい、これで仕事完了! だな」


そう言って笑うアカギを見た瞬間、私の緊張が解けたのか、私はそのまま闇の中へと吸い込まれた。










お読みいただきありがとうございます!


歯医者でビクビクしながら治療を受けてきた作者です。やっぱりあの虫歯で歯を削るやつほんとに嫌ですよね。痛かったら痛かったで嫌ですし、音聞くだけでも身体がビクッとしてしまいます。


さて、ミズキちゃん無事解放!なのかどうかはまた次回ということで…アカギさんたちは本当に俺TUEE的な人たちになると思います。おそらくですが。イメージは必殺仕事人!な人たちです。


さて、次回はクロノさんの番外編をお送りしたいと思います。久しぶり登場お楽しみに!


では、

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