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奴隷娘の大逆転  作者: 逆辻 可愛
少年が少女に慣れるまで
3/45

2、少年が少女になっていた的なやつ

俺が目を覚ますと視線の先には真っ青な空と太陽が照りつけていた。少し肌がひりひりして痛い。右を見ると一面の緑、左を見ると同じく一面の緑、そして動くたびに顔にかかる黒い毛のようなもの


「ん…なんだここ?というかこの黒い毛なんだ?」


いつもよりどこかしら高いような声を聞きながら俺は体を持ち上げ、その黒い毛をなぞってゆく。

そして、その手は自分の頭皮に辿り着く。


不思議に思いながら自分の手を見る。


「な!?」


そこにはいつも見慣れたゴツゴツした大きな手ななく、細く小さな、まるで重いものを持つのに適してない、そんな手がをしていた。


(どうなってんだ?)


若干の不安を覚えながら視線を下に向けてゆく。そして、俺は悟ってしまった。俺だってアニメを見たり、ラノベや漫画だって読んでいるちょっとオタク趣味な高校生だ。自分の現象を若干であるが理解できる。大事なものがある場所に大事なものが無くなっているのだ。


「ふぅ…あ、あー」


そっと息を吸い、一言発する。自分自身、他の男子と比べると声は高い方だったが、それでもやはり男であり、クラスの女子と比べれば声は低い。しかし、今俺の耳に聞こえてきた声は明らかに少女の声である。

よく、漫画などで主人公に理不尽なことが起こった時、大きな声をあげる描写がある。そんなものを読みながら所詮は演出にすぎない、実際はもっと冷静に受け止められる、そう思っていた。でも、今ならわかる。


「なに!?この状況!?ってかなんで女の子!?ってかなんで俺裸!?ってかここどこ!?ウェアイズ!?」


俺の可愛い声が大草原に響き渡った…












人は大きな声を出すと気持ちが落ち着くという。先程まで動揺していた気持ちも徐々に落ち着きを取り戻してきた。


「…ふぅ。」


少し冷静になって今の現状を考える。


「俺は学校からの帰り道自転車を漕いでいた。OK。そして、何かが頭にぶつかって気を失った?たぶんOK。で、目を覚ましたら女になって、素っ裸で、周りは大草原。オールOK?…


いや、OKじゃねえよ!」


再び俺の可愛い声が大草原に響き渡った。


「何これ!?たぶん、いや絶対、百発百中異世界転生ってやつで、なおかつ俗に言うTS転生ってやつですよ、ね?わかります!はいっ!!で、ここの場所は?そうです、大草原の真ん中です!あたりには町なんか見えません。さて、見知らぬ世界に放り出された転生者は何をすればいいのでしょうか?そして、1番の大問題、今の俺はそう、ONAGO!!非力な裸の少女とかヤバくないですか?ヤバイですよね!」


全然落ち着いていなかった。むしろもっと動揺してしまった。突然の異世界TS転生である。落ち着いてなんかいられない。まだ確信はないが、ここが異世界である以上現実の知識はほぼ役に立たない。現実世界の異世界転生系ラノベなどで予習済みである。


「何このハード転生!?というか、ここが異世界ってことはモンスターとかもいるのかな?出会ったら、死にますね、はい死にます。てか、どうなの、人とかこの近くにいるの?いや居ても頼っていいのか?」


異世界転生系に俺TUEEEものが多い、ただ異世界TS転生系だと、エロ展開に走るものの方が格段に多い。日本ならいざ知らず、自分の顔のレベルは分からないが、突然裸の女が話しかけてきたら、そういう展開になることも考えられる。

この世界に神がいるなら問いたいなぜ俺をここに送ったのか。なぜ俺は裸なのか。


(そういえば異世界転生ものにはご都合主義的なお決まりのものがあったはずだ)


それは、現実世界では、ゲームの中でしか見ることはないもの、でありながらなぜか異世界転生系小説ではよく出てくる、そうステータス画面である。現世のオタク知識を総動員して、とりあえず頭の中で念じてみる。


(ステータス、ステータス、ステータス、ステータス…)


もし、ステータス画面が現れたら何か自分の状況を掴めるかもしれない。しかし、一向に現れない。だったら声に出せばいいのか?


「ステータス、ステータス、ステータス…」


しかし何も起こらない。


(あれ?これ詰んでない?ヤバい泣きそうだ、てか、泣いてないか?うわ、なんか涙が止まらない。泣くな俺、俺はポジティブが取り柄の男だろ!大丈夫だ!どうにかなる。とりあえず歩いてみよう!きっと歩けばどこかにつけるはずだ!えっと…太陽がさっき見た時よりあっちに動いてる気がする。ってことは、あっちが東かな?とりあえず東めがけて出陣だ!)


涙を無理やり腕で拭う。一般的な男子高校生たるもの腕には毛が生えてるものだが、今はすべすべとした柔らかい感触だけが伝わる。それが余計に不安感を高めてまた涙が出てくる。こんなに泣いたのは中学校の部活の最後の大会以来かもしれない。そんなことを考えながら、俺は東へ進んでいった。

はい、作者です!お読みいただき感謝です!

作者はノリだけで筆をとっています。誤字脱字ありましたら教えていただけると幸いです。

また、作者のノリのガソリンは皆様の感想や批評です。よろしくお願いします!


※5年ぶりに再編集しました。

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