25、そして生活は一変する的なやつ
また微妙な時間に投稿…
pv2万突破!ユニーク4000突破!ありがとうございます!
ご主人様が工作に向かってからのどのくらいが経っただろう?使用人の方にびくびくしながら聴いてみるとまだ5日らしい。私の中ではすでに数週間経っているような気分だっただけに少し驚いた。よっぽどご主人様に依存しているのだろう。
この数日の私の生活は排便を除けばほとんど部屋の中から一歩も出ていない。日本にいた頃でいえばヒキニートである。まあ奴隷という仕事と言っていいか分からないが就いている私はニートではないかもしれないが、やっぱり働いていないのでニートであろう。屋敷の使用人の方たちは私がご主人様のお気に入りだと思っているのでわざわざ部屋にまで食事を持ってきてくれる。昔の『俺』だったら素直に感謝するところだが『私』はその優しさの裏に何か真意があるのではないかと疑ってしまう。だからこそこの数日使用人の人と喋ったことと言えばご主人様の近況を聞くぐらいだ。
「今日もそんな1日になるのだろうなあ」
そう思いながら部屋のベッドで横になっていると、ドアが突然開いた。
「ふぇっ!! なっなに!?」
入ってきたのは私にいつも食事を持ってきたり、お風呂に入れてくれたりする。ご主人様の次ぐらいに一応信用している、メイド長さんだ。メイド長と言っても歳は20代半ばらしく老けたおばさんというわけではない。
「どっ…どうしました?ジャンカさん?」
私は少しびくびくしながら尋ねる。ついにこんなヒキニートな私に嫌気がさして暴力を働いてくるのか、そんなことを思っているとジャンカさんが近づいてくる。そして手を伸ばす。
(ぶたれる!)
そう思って身体に力を入れていると頭の上に暖かい感触が伝わり横に動かされる。
(えっ?撫でられてる?)
理解できずにジャンカさんの方を見る。ジャンカさんは優しく微笑んでいる。
「ミズキちゃん、やっぱり私も怖い?」
そうやって悲しそうな顔をしながら問いかけてくる。
「えっ…えっと…他の方よりはましですけど…やっやっぱり少し…こっ怖いです」
「そっかあ…やっぱそうだわよねえ…ほんとクロノ様もこんな幼い子にあんなことしなくても…」
そう言ってご主人様に文句を言う。ジャンカさんはご主人様のメイドの中でも古株らしい。確か同じ町の出身でご主人様自らが取り立てたはずです。だからこそご主人様に口を挟めるこの屋敷の唯一の人でもある。だけどあのお仕置きは私が自分の事を分かってなかったからやられたことでご主人様に非はない。
「じ…ジャンカさん、ご主人様は悪い人じゃないです。私が悪い子だからしただけです。」
これだけ喋るだけで目には涙が溜まる。するとジャンカさんはまた、慌て出す。
「ごめんねごめんね! あっそうだ! 今日はミズキちゃんに気分転換をしてもらおうと思ってここに来たのよ! ねぇミズキちゃん、一緒に街に行かない? 他の娘たちも連れてね! どうかな? 」
そう言って私に目を合わせて尋ねてくる。街かあ…正直言って心配だ。この屋敷の中でさえ一歩も動けないのに、外だなんて考えられない。お断りしようと思い私は口を開こうとする。
「実はね、クロノ様から頼まれてるのよ、貴女の世話をね、だからね、お願い!」
それを遮ってジャンカさんが付け加える。
(ご主人様のお願いか…なら行かなければ)
私は分かりました。と伝えるその瞬間身体が空中に浮きそして進み出す。
「ふぇっ!じゃ、ジャンカさん!な、何するの!」
「ミズキちゃん、貴女はかわいい少女なのよ、それが引きこもってボサボサの頭でいいと思いますか?いや思いません!もっとかわいく私が変身してあげますよ!」
そう言うと私を抱いたままお風呂場へと向かい、私の衣類を高速で…ってちょ、やめて、お願い、自分で、脱げるから、あああ…
そして今はジャンカさんの部屋の化粧台の前に座らされドライヤーをかけられている。あの後、何があったかは、正直思い出したくない。衣類を脱がされ、風呂に入れられ、身体を洗われ、その後は…あまりの恐怖に泣き出してしまった私に、謝りながらもその手を止めないジャンカさん…この人絶対楽しんでやがった。その後かわいい格好に着替えさせられたのだ。ジャンカさんが櫛で髪の毛をとく。こうして久しぶりに鏡を見ると自分が少女になったことを実感させられる。首元に奴隷の証である首輪。私のような他人を、我が身のかわいさで利用してしまうことを改めて感じ、こんな自分に奴隷としてでも価値を与えてくれたご主人様に感謝をする。
「よし、終わったわ!」
私の髪はいわゆるツインテールで、横にまとめられた。
「さて、では行きましょう!」
そうして、私を含めたメイドさん計4人で買い物に出発した。ご主人様の使用人だと知っている人たちは手を出してはこないが一応の護衛のために門番さんも1人ついてくる。
辺りもだんだんと暗くなり始めた。正直言ってご主人様無しでの街は怖かったが、そんな私をジャンカさんは必死にサポートしてくれた。そのおかげで後半の方はまだ楽しめた方だろう。私の中でジャンカさんの信頼度があがった。
(ジャンカさんになら、心を許しても大丈夫かもしれない…)
そんな風に思っていると
「あっ!私どうしてもミズキちゃんに見せたいものがあったんだった。だから門番さんその2人の子たちを先に屋敷に連れ帰ってくれない?」
門番さんはジャンカさんの言葉に頷くと2人のメイドさんを連れて行った。
「ジャンカさん?どこ行くの?」
「こっちよ、ついてきて!」
ジャンカさんが私の手を引っ張り先に進む。次第に表通りとは別の裏の狭い路地へと進んでいく。私は不安になり始めるり
「じゃ、ジャンカさん?これどこに向かってるの?」
「あと少しだからさ!ほら!」
路地を抜けた時私の前に広がっていたのは絶景ー
ーではなく、黒い服をきた男たちだった。
「えっ!?ジャンカさんどういう…」
ー無音ー
私の声が出なくなる。そして、術をかけてきたのは…ジャンカさんだった。
「ごめんねえ、ミズキちゃん、実は私、ご主人様につかえてるのよね。」
その言葉と同時に男の中から1人の男が顔をだす。その顔は先日ご主人様の会に出席し、私を欲しがっていた商人である。
「ジャンカ…よく連れてきたな。あとで褒美を与えてやろう。私の部屋来なさい。」
「ありがとうございます。ご主人様。」
彼女は顔を赤らめながら頭を下げる。そして、商人は私の方に向くと
「何があったか、分からないって顔だね。じゃあ教えてあげよう。君はそこにいる私の下僕に騙されて、今から私のものになるということだよ。ん?彼女はクロノのメイドだって?残念だがね、彼女は私が彼の秘密を得るために送り込んだスパイだよ。そして、今回私はとても興味深い少女に出会った。おそらく、とても大事にされていたのだろう少女にね。だから私はこの彼がいないタイミングに君を誘拐することにしたのさ! 彼との交渉手段としてね。」
そう言って彼は私の首輪に手を伸ばす。
そして、私とご主人様の繋がりの象徴である首輪を難なく取り外す。
「どうなっているかわかんないだろう?この首輪は簡単に言えば呪いの類でね。私のようなこっちの専門になると簡単に取り外せるのだよ。おい、お前ら! こいつを乗せろ。チェルノハンクまで連れて行く。」
(や、やだよ!)
私は必死に抵抗を試みる。しかし、私めがけて鞭が振り下ろされる。痛い! 身体に激痛が走る。そして、それが2発3発4発と続けて何度も振り下ろされる。あまりの痛さに体が震える。痛い。身体中が火傷をしたかのように熱く痛い。そんなことも関係なく何度も振り下ろされる。一度叩かれミミズ腫れになったところにもう一度振り下ろされた時の痛みは身体中に電撃が走ったような痛みだった。服はいつの間にかボロボロになっている。
もう、何度叩かれたか分からない。既に抵抗を止めた私はその場に倒れこむ。商人の男は鞭をやめるように言いそして私の身体が持ち上げられ檻の中に放りこまれる。そして魔導車が動き始める。
私は魔導車の振動と檻の冷たい床を感じながらいつの間にか気を失っていた…
お読みいただきありがとうございます!
やっと色々と一息つき欲しかったゲームを買い漁った作者です。
前書きでも書きましたがpv2万ユニーク4000ありがとうございます!ブクマももうすぐで100人行きそうでとても嬉しいです。皆さんの応援に恥じぬようこれからも頑張ります!
さて、本編の方はついにプロローグへと繋がる話となりました。メイド長さんの名前、適当なんですが気づいたでしょうか?ジャンカさん、書き換えるとカンジャ…間者…スパイということで名前の由来はこんな感じです。
次回は…どうなるか作者も未定です。
感想など頂けると嬉しいです!
では、