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奴隷娘の大逆転  作者: 逆辻 可愛
少女が奴隷に変わるまで
24/45

21、そして少女は悟った的なやつ

恒例の謎時間投稿…だからあれほど予約投稿を…

では、本編よろしくお願いします。




人は闇を嫌うという。周りに何があるか、自分がどのような状態かが分からなくなるからだ。



無音




人は無音空間の中に長時間いると狂ってしまうらしい。自分の動悸、息が早くなるのを感じる。





閉鎖空間




人は閉じられた空間というのに不安を感じるらしい。




その3つが合わさったのがクロノの考えたー黒い部屋ーという調教術で空間魔法である。


その空間はどこまでもあるように感じるだだっ広い空間で当然光はなく辺り一面が闇、音もない。


「やだっ!怖い怖い怖い怖い怖い」


俺が吸い込まれたのはおそらく夜の9時前である。そしてクロノが自分を起こすと言った時間は7時…つまり、クロノが術を解いてくれるまで10時間もあるのである。2時間であのようになった俺だ。もはや暗闇はかなりのトラウマとなっている。その状態でその5倍にも及ぶ時間を閉じ込められるのだ。その恐怖はとんでもない。周りからは闇の圧迫感。寝ろと言われても寝ることはできない。すでに涙や冷や汗、お漏らしまでしているかもしれない。しかし俺には自分を鑑みる余裕など全くと言ってほど存在していなかった。


そして、暗闇というのは閉じ込めたものの記憶の蓋を取り外す。俺は日本にいた頃のことを思い出していた。


いつも笑い、楽観的でポジティブ。みんなの代表となることだったり、部活では失敗した後輩を慰め俺に任せろなんて言う男だったころの俺。「山代のいいところはへこたれない所とか、常に笑っているところとか、お前って悩みなさそうだな。」なんて友達に言われている。



『俺』



だけどそれは自分の本心だろうけど、もう一人の自分には嘘をついている、


もう一人の俺は違う。心の奥でいつもビクビクし、友達から裏切られること、後輩から反感を買うこと、先輩や先生から邪見されることを恐れていた。何かするたびに自分は失敗しないだろうか…と考え、失敗してしまうたびに泣きたくなった。


でも、そんな『俺』を周りから見られるのが嫌な俺は、多少の無茶をしながらも人を笑わせ、自分を誤魔化す。次第に本来の自分がわからなくなる。いつもニコニコ笑ってお調子者の俺が『俺』なのか、それともいつもビクビクとし他人の顔色ばかり疑っている俺が『俺』なのか…




他人からの視線を気にする俺はいつしか友達が…というよりも自分にとっての自分が見つけた安全地帯が無ければ行動ができなくなった。単純に言えば安全地帯があるから自分勝手に大きく振る舞うことができる。


だから自分が安全だと思った人以外には心を全く開けないし、自分を出すことができない。


異世界このせかいに来たとき、俺は安全地帯を見つけるのに躍起となっていた。そして俺はアッシュさんという自分がいくらからかっても怒らず、自分のことを必ず守って、味方をしてくれる安全地帯アッシュさんを見つけた。


「アッシュさん…会いたいよ…」







突如暗闇の中に巨大な龍が現れる。龍は俺めがけて突進を仕掛けてくる。俺は突然のことに驚きながら逃げ惑い、助けが…アッシュさんが助けに来るのを待つ。だけどもアッシュさんは現れない。


そして、龍の大きく開かれた口が俺に覆い被さり俺を噛み砕く。





そこで、目が醒める。辺りは一面の闇


いつの間にか気を失っていたらしい。俺は怖くなって自分の身体を抱き締める。


幼い、少女の身体


俺は心のどこかできっとアッシュさんがすぐに駆けつけてくれると思ってた。こんなに可憐な触れたら折れてしまいそうな少女である。


きっと誰か(・・)が…


そこまで考えて俺は悟る。自分ではいつも大きく振る舞い、自分では何もできず、失敗をしても自分を支えてくれる人がいて、自分がピンチになったら助けてくれる。


結局『俺』という人間は自分では何もできない、他人が助けてくれなきゃ何もできない、そう言う人間だったのだ。


だからきっと俺は少女に変わり…そしてこのような目にあっている。


何が俺だ…自分では何もできない少女の癖に…


何がここから解放しろだ…もしもクロノが本気で怒ったら俺の命なんてないのに


俺の本質はいつも明るくみんなを引っ張る『俺』ではない。全てのものに怯え怖がる、それが本当の『俺』だ。



『俺』だ。なんていつまで男ぶっているつもりなのか…俺は他人がいなきゃ何もできない、そんな少女だ。それはクロノに言われるまでもなく『私』だ



そしてこんな生きる価値もない『私』を可愛がってくれて、調教すると言いながらも優しく世話をしてくれるクロノは『私』のご主人様に他ならない


なんだ…考えるまでもない…


私は『私』でご主人様はご主人様だ



ああ…なんて簡単なことだったのだろうか、『私』はもうご主人様の





"奴隷"じゃないか…





そして、再び俺は闇の恐怖に震え涙を流す。



ご主人様が術を解いてくれることを願い



ただ少女のように泣き続ける









そうして闇の国へ来てたった1日で『私』は自分のことを奴隷として認めてしまったのだった。




お読みいただきありがとうございます!


小説紹介のところの不定期更新っていうの消すべきかどうか迷っている作者です。


いや、最初は不定期のつもりだったんですよ!それがいつの間にか話が次々浮かんできて…今は1日1回にしてますが話がどんどん浮かぶのでストックに困ることは暫く無さそうですね…まあ不定期更新は更新時間だけに絞ればなかなか不定期なのでこれでいいかなとか思ったり


さて、ついにミズキちゃんが壊れました。と言ってもまだ半壊くらいですが。プロローグでのミズキちゃんになるのはまだ幾つか先の予定です。たった1日でここまでなるとは作者もびっくりです。もっとゆっくりするつもりだったのに…


次回はミズキちゃんとクロノさんのデート回です。えっデート?まあご主人様にべったりなミズキちゃんをお楽しみください。


感想や誤字脱字報告も待ってます!


では、

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