17、目を覚ましたのは檻の中的なやつ
今回から二章となります。
なんとか一週間連載続けられました!
pv数約10000、ユニーク数約2000、ブクマ数59
本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いいたします。
では本編へどうぞ!
「ん…」
何か夢を見てた気がする。アッシュさんと仲良くなった日のことだったかな。本当にアッシュさんは俺の最高のにいちゃんだぜ。今日はどういう風にからかってやろっかな。
「ん…」
あれ?今日雨なのかな部屋が暗いし。それに地面が固くて冷たい。腕が動かない。どうしてだろう?
「ん…」
体も重たいし、昨日何かしたっけな?まるで筋肉痛だよ。
ー…………様、そろそろ起きる時間ですよ
誰かが俺を呼んでる。誰だろう?ハースさん?アッシュさん?
「んー…はっ!」
俺が伸びをして目を覚ますと俺は檻の中だった。目の前に見えるのは固そうな壁、そして床
自分の手は木の枷が付いており、首へ手を持っていくと首輪が付いている。そして、その先は床に埋められた杭へと繋がっている。
「おやおや、起きましたか。随分お寝坊さんなことですね」
声を掛けられた方を向く。
鉄の格子の奥からこちらを見る黒い影。俺をズマナ村から連れ去った黒頭巾がそこにいた。
「あっ!思い出した!てめぇ!ここはどこだ!俺を離せ!今すぐ帰せ!」
「おやおや、悪い口だこと…くくく、これは調教のしがいがありそうです。ちなみに貴女を返すというのは不可能ですよ。ここは馬車の中、もう少しで闇の国へ入るところですからね。闇の国はフォレストラインの西に位置しています。海の国との間には金の国があります。ちなみにここら辺は魔獣達の巣窟です。ここであなたを開放してもおそらく魔獣に食べられてTHE ENDがオチです。おや?なぜそんな早く闇の国に着くのだって顔ですね。実は貴女は2日くらい寝てたのですよ。おそらく初めて魔法を使ってたことと。初めての魔力切れ。そして、あの青年との別れが起因でしょうか?」
「あっ、アッシュさんはどうなった!」
「ああ、彼なら私の使い魔獣がひどい怪我だが大丈夫だと教えてくれましたよ。まあ当分は動くこともままならないらしいですが。ついでにあの宿屋の女将も元気ですよ。ただあなたのことで宿は臨時休業中らしいですがね」
アッシュさんは無事だったらしい。とりあえずこれだけで一安心だ。そして、ハースさん…心配かけてごめんなさい。いつか絶対帰るから元気出してください。
「ところで、なんで俺を連れてきた?俺なんかよりもっといい奴がいただろ?それに、俺とお前とは初対面のはずだ。なのにお前は俺を知っていた。全て教えやがれ!」
「これはこれは、本当に口の悪いこと。まあ教えてあげますよ。まずはどれからにいたしましょうかねえ?おっと怖い!そんな目で見つめないでくださいよ。教えますからぁ、ね?では、まずは…」
そう言って男は頭巾をとる。そこにはあの日俺が街を案内してあげた冒険者の顔があった。
「いいですねえ、そのリアクション。100点です。私の名前はクロノと申します。これから長い付き合いになるのですからよろしくおねがいいたします。さて、なぜ貴女を選んだのかでしたね。一言で言えば一目惚れです。街で貴女に会った時私は興味をもったのですよ。その一見すると強気な態度のその奥にひた隠しにしている、臆病な心。久しぶりに見つけましたよ、私の物にしたい玩具に出会ったのはね。」
そして、男は舌舐めずりをする。俺は怖くなって後ろの壁に近づき距離を取る、すると男は笑いながら
「安心してください!ここでは何もしませんよ。まあさっきの言葉にも実は誤りがあります。貴女に道案内をしてもらう前は貴女を奴隷商人に売り飛ばし金にしようと思ってたのですよ。おや?その顔はどういう顔でしょうか?おそらく奴隷は禁じられているのでは?という顔ですかね?」
奴隷…それは今から俺がなると思われる職業だ。日本にいた当時、過去世界には奴隷と呼ばれている人がいて取引されていたということは有名である。実際現代でも世界的に見れば無くなってはいないのでは?というのが俺の意見である。
俺の飛ばされてきたこの世界にも奴隷というのは存在する。ただしそれは犯罪奴隷に限るというのが国際法での決まりである。
「確かに国際法で決められているでしょうね…ただし闇の国は例外です。そもそも、裏の世界では未だに奴隷というのは取引されています。貧しい家庭が子供を売る、そういうものです。それに闇の国は条約には批准していません。それでも普通の人間の取引は抑制されています。でも貴女のような人間では無いものは関係なく取引されます。」
ど、どうして!?ハースさんは俺に人間との違いは無いと言ってた。それに俺の亜人の方の血はとても薄いはずだ。
「驚いた顔をしてますねえ、そのコロコロ変わる表情も大変グッドですよ。まあ簡単に言えば分かる人には分かるってやつです。私の見立てによると貴女はおそらくダークエルフのクォーターってところですかね?まあ血が殆ど人間なので、魔力量とかその他諸々も人間と変わらないでしょうが…ね」
ダークエルフ…異世界転生ものではありふれた転生相手であろう。しかしハーフエルフなどに転生は聞いたことがあるも、クォーターエルフなんて聞いたことがない。それに何より殆ど人間と変わらないのである。
「俺が、そのダークエルフのクォーターだって言う証拠はあるのか?」
「うーん…それを聞かれますと困りますねえ…とりあえずは長年の勘ってところですし、まあ血液検査をすりゃ一発ですがね。それと、一応エルフの血が流れているので人より丈夫だったりしますかね」
おそらく俺がこの世界に飛ばされてから2、3日特に食べることもなく生きてこられたのはこの血のおかげだったということなんだろう。
「さて、そろそろ見えてきましたよ。ここが私の母国であり、これから貴女が生まれ変わる場所となる闇の国の首都ダンケヘイトです」
お読みいただきありがとうございます!
最近このあとがきの必要性に疑問を抱き始めた作者です。
ということで今日から二章スタートです。二章を始めるに当たって少し更新頻度を下げようかと考えてます。一章ほぼ12時間に1回ペースで更新してきましたがこれからは1日に1回にしていこうかと…ただまあ春休みでやることも全くないのでこれからも2回ずつになりそうですが…
本編の方はミズキちゃんの正体が暴かれる!みたいな感じです。ただし一切のチートはありません!あったら囚われのヒロインが丸潰れですしね、
次回は闇の国と、この大陸についての説明回的なものになると思います。
誤字脱字の報告、感想や批評をいただけると嬉しいです!お願いします。
では、