番外編、少女と騎士の関係樹立的なやつその1
あれ?おかしいなあ?
1話で収めるはずだったのに…
村にきて大体1週間が経ったこの日、俺は商店街で1つの問題にぶち当たっていた。俺の周りには数人の冒険者が俺をとり囲んでいる。
ー数時間前ー
今日もまた朝が来る。
俺は今では慣れたように洗面所へ行くと歯を磨き、顔を洗い、髪をとかし、再び部屋に戻るとワンピースに着替える。俺は適応力が高いんだなとこ思いつつ、部屋を出てハースさんや泊まっている冒険者の方々に挨拶し、ハースさんの手伝いを始める。
村に来て1週間とちょっと、言い方を変えれば異世界にきてから1週間とちょっとでもある。日本での生活に懐かしみを覚えつつも、新しい生活を満喫している自分がいる。俺の母代わりをすると言ってくれたハースさんはとても優しく、それであってもただで居候はさせない。そんなところに日本にいる母さんの姿を思い浮かべる。まあ、あそこまで攻撃的ではないが。
さて、ハースさんや宿にいる従業員の方たちまた、例外ではあるが宿泊している冒険者の方たちとは少し喋り慣れてきた。だけども村のみんなとは未だ上手く話せないでいる。どこから噂が伝わったのか、村のみんなは俺のことを知ってるらしく俺に出会ったら挨拶をしてくれる。そんな俺は慌てて挨拶を返すのだ。
実は隠れ人見知りである俺。日本にいた頃の友達から言うと知らない人となんだかんだ言って話せる俺は人見知りでないと言われた。だけど俺は知らない人と話している時はいつも心の中でびくびくしているし、いきなり話しかけたりなんかすると逃げ出したくなる、できれば知らない人とは関わらず過ごしたい。そんな性格である。まあ愛想笑いのクオリティは自分でも高いと思っているのでしばらくは本心を隠し通せるだろう。
俺が関わりを困っている相手はもう1人いる。それは俺を森で熊から救ってくれ、ハースさんの養子であり、言うなれば俺の兄に当たるアッシュさんである。
助けたお礼を言いにアッシュさんと初めて、森を入れれば2度目に会った日、緊張を押さえ込んでアッシュさんにお礼を述べた。そん時の対応の堅さや堅い言葉に少し苦手意識を持ってしまった。俺自身言葉遣いはあまりいいとは言えず、また堅い言葉を苦手としている。
お昼時になりハースさんからお使いを頼まれる。おそらく未だ村に馴染めていない俺に少しでもこの村のことを知ってほしいと考えたからだろう。俺は世話をしてもらっている手前断る訳にもいかないので笑顔で応じると商店街へと出かける。
商店街はここが冒険者の街であることを象徴するように常に色々な国の人で溢れ、道の至る所には武器や防具が売っている店がある。
俺がハースさんから頼まれたものを買い終え、宿へ帰ろうと歩いていると少し道の外れの路地の奥に興味が向く。昔からこういう路地裏が大好きな俺である。少し進むと雑貨屋だろうか?なぜか俺は惹きつけられるようにそのお店に入る。
中は至って普通の雑貨屋という感じである。
「いらっしゃいませー!おや、見かけない子ですねー?今日はどうしました?」
人懐こそうな笑顔の店員さんだろうか?が話しかけてくる。俺は突然のことに少し驚きながら、恥ずかしそうに下をみて
「えっ…えっと…お世話になってる人にプレゼントとか思って」
俺は咄嗟にそう言う。実はハースさんから好きなものを買っておいでとお金をもらってたのである。ただまあ…びくびくしてしまってどこのお店にも入れなかったのだが。
さて、いつもお世話になってる人たちに贈り物をしようと考え品物を見る。すると目を惹く物を見つける。俺は渡す人によってアクセサリーを変えて幾つか買うと店を出る。
(ハースさんたちが喜んでくれると嬉しいなあ)
そう思いながら来た道を戻る、すると目の前に5人くらいの冒険者の男達がたむろっている。どこかしらガラの悪そうな男達である。俺は絡まれないように少し早歩きで横をすり抜けようとする。
「あっ!」
ちょうどすり抜けようとしたタイミングで足をかけられその場に倒れる。男達が笑い声を上げる
「っ!お前ら何すんだ!」
俺は立ち上がると男達に向けて言い放つ
「おいおい、こちとら冒険者様だぞ?なんだその口の利き方は?舐めてんのか」
ギルドが治める地域では、冒険者が活動するとき、冒険者はある一定のノルマを課せられるとともに、それを果たせば何かしらの特権を得られる場合がある。そのような冒険者は色々な地域を回る冒険者とは違い、1つの管轄に定住する傾向にある。元は力が弱くどうしても食い扶持を手に入れられない冒険者のために考えられた制度だが、それを利用し冒険者は特権階級だと考えるチンピラまがいのものも多い。おそらく前にいる奴らもそんな奴らだろう。ギルドはそれを防ぐため様々な規約でこのような冒険者を縛っているが完全とは言えないらしい。
「冒険者だからと言って、やってはいけないことはちゃんと決められているはずだ!俺がこれを村長に言ってみろ、一瞬にして権利剥奪のはずだ!」
「おいおい、ガキンチョ、何言ってやがる?お前そんなことできると思ってんの?まあ…でもほんとに言われると面倒だな…じゃあ身体で教えてやるかな」
リーダー格の男がそう言うと冒険者達は下卑た笑みを浮かべ俺を囲み始めた。
お読みいただきありがとうございます!
最近の一番の楽しみが寝ることな作者です。
さて、下部にある勝手にランキングの方でこの前何と無く見たらジャンル101位でした。めちゃ嬉しいです!ありがとうございます!次は読もうのランキングでも100位らへん滑り込みたいです。
そして謝罪、ごめんなさい!本当は1話で番外編としたかったのに予想外に筆が乗るという現象…
これは、シリアスが書きたくないという無意識的な反抗ですかね?
ということで、お決まりパターンの不良に絡まれるというやつです。なぜ、路地裏にいったし!というツッコミは禁止です。まあ、これからの大体のオチは見えてると思いますがね…
ということで次回は番外編その2ということでミズキちゃん可愛い!(作者的には)な感じです。お楽しみに!
誤字脱字がありましたら報告いただけれると幸いです。
感想もお待ちしています!
では、