14、VS長髪の男達的なやつその2
皆さんこんばんは!
え?まだ早いって?
まあ天気悪いですし大丈夫ですよー(意味不明
戦闘描写なのでいつもより長めです!
どうぞ!
"憑依術"という魔法がこの世には存在する。
その魔法は自分の契約した何かを自分ひ纏わせることでその契約した何かの力によって自分の身体能力を引き上げる、そういった魔法だ。
闇の国発祥の魔法である。その中の禁術の一つとして闇の国では古来より悪魔との契約による憑依術が存在する。悪魔は術者に対価を迫り、その分だけ術者が力を行使できるというものだ。悪魔の力は魔族や魔獣を超える力を持つものが多いため、闇の国ではその術に手を出す人は少なくない。
「その獅子のような姿、聴いたことがある、黒い姿で固めたテロリストたちのリーダーであり、あまりの凶悪さと惨忍な殺し方にに国際的指名手配されている、"黒獅子"のシレオそれがお前だな」
黒獅子のシレオと呼ばれた、元長髪の男はこっちを見てニヤリと笑うと
「ふふふ!ははは!如何にも!俺が黒獅子のシレオそいつだ。そしてだったら俺がどのようなやつか知ってるよな?この状態の恐ろしさもよお!!!」
そういうとシレオは黒刀を振りかざし襲いかかる。
「っ!!防御壁!!」
「甘いわ!!」
シレオの一撃を止めようとした、アッシュさんの防御壁が破られる。
「ほらほら、どうした?その程度か?ああん?」
シレオはアッシュさんに休む暇を与えないほどの連撃を繰り出す。
「っ!そっちこそ!僕をなめるんじゃない!!"精霊加護"《フェアリーエンチャント》!!!」
アッシュさんの言葉とともにアッシュさんの身体を光が包み込み、大剣でシレオの黒刀を受け止める。
「ふふふ…やるじゃねえか!!どこまで俺のスピードとパワーについて来れるか楽しみだなああ!!」
シレオが縦横無尽に動きながら攻撃を加える、それをアッシュさんがいなしながら懐に入り込む。しかし、シレオは足で距離を取ると次は後ろへと周りアッシュさんを斬りつける。
「ぐはっ!!くっ…ゴフッ!?」
斬られたアッシュさんが血を吐く
「これは、毒!?」
「ご名答!!俺の契約している悪魔はヴィネという悪魔でな、蛇を持ったライオンの悪魔なんだよ。そして、その力を借りている俺の能力は他人の魔力を毒へと変え消費させる。そして、徐々に動きが鈍くなったやつを俺は斬るだけ。どんな奴でも身体の動きが鈍くなれば斬ることは余裕だろ?簡単なお仕事なんだよ。まあせいぜい抗えや」
一撃を食らうたびにアッシュさんの魔力がごっそり減っていき、アッシュさんの身体にダメージが蓄積していくのが分かる。そもそも連戦に次ぐ連戦である。おそらく妖の森で魔獣達を討伐し、そのまま飛竜を相手どりながら身体強化の魔法を自分にかけ、急ぎ駆けつけてくれたのだろう。既に魔力のほとんど失っていた状態からのこの戦いである。
アッシュさんは身体強化であろう魔法を自分に掛け直すと、再び超スピードで懐に飛び込む、しかしシレオはそれがどうしたというふうにそれを受け止める。
アッシュさんが距離を取り手に魔素で炎作り出す。毒と変わった魔力が身体を蝕む、それでも血を吐きながらアッシュさんは炎の渦を作り出し、シレオを閉じ込める。
「これで!どうだああぁぁぁ!!!」
アッシュさんの渾身の一撃が叩き込まれる。
「だから、甘いっつってんだよおお!!」
炎を身体から溢れる魔力で吹き飛ばし、大剣を黒刀で軽く受け止めたシレオはそのまま剣を横に流すと、そのままアッシュさんの横っ腹を斬り裂く。そして、そのまま連続で斬りつける。急所には入らないよう守り続けるアッシュさんだが、毒によって身体が揺れる。それによって甘くなった脇腹に蹴りが入り吹き飛ばされる。
アッシュさんが地に伏せて動かない
「アッシュさん!!」
俺は動けない身体をめいっぱい使ってアッシュさんを呼ぶ。それ応えるようにアッシュさんが剣を杖に立ち上がる。
「おいおい、てめー、まだ起き上がんのか?そろそろ限界だろうが寝てろよ!」
アッシュさんが再び吹き飛ばされる。しかしそれでもアッシュさんは立ち上がる。その目は既に力なくやっとのことで立ち上がっているのだろう。体を剣で支えなければ今すぐ倒れてしまうだろう
「ふう…並大抵のやつは毒がわり始めると急に泣き叫んだり、戦いをあきらめたりするんだがな。俺にここまでやらせるとは、さすが天下に名高い"絶刀"だな、じゃあ今すぐ楽にしてやるよ!」
シレオはアッシュさんの後ろに回るとそのまま袈裟斬りに剣を引く
アッシュさんから血が吹き出し
そしてアッシュさんは血の海に沈んだ。
俺の悲鳴が響き渡る
(こんなの嘘だ、嘘だ、アッシュさんが負けるはずが無い、絶対無いどんな時も笑って現れるアッシュさんが負けるわけがない)
「アッシュさん起きてよ!大丈夫でしょ!そんなの嘘でしょ!ほら、いつものように笑いかけてよ!」
しかしアッシュさんは動かない
「おいおい嬢ちゃん!無茶言うなよ、もう、こいつは動けねえよ、魔力のほとんどは毒と変わり、この出血量だ、もし生きてたとしてもひとたび動けば一瞬にして死に伏せる。もう助からないのさ」
(絶対信じない!アッシュさんなら!アッシュさんなら!)
そして俺はまた、アッシュさんに呼びかける。いつまでたっても諦めない俺に嫌気がさしたのか俺の方にシレオが向かってくる。
…瞬間治癒
その声にシレオが後ろを振り向く
そこには
傷を光で癒しながら立つアッシュさんがいた。
「そんな馬鹿な!お前はもう動けないはずだ!たとえ動けたとしても毒が回って死ぬはず、なぜ立ち上がれる!?」
「いや…ね、ミズキちゃん声が聞こえたもんだからね。あと、君は知らないのかい?例え僕の身体に魔力が無くてもいや、無いからこそいくらだって魔力補給はできるだろ?」
「お前!?まさか、魔素を魔力に変換しているのか!?魔素はそれこそ俺の毒なんて話にならないほどの猛毒だぞ!!身体が完全に崩壊するぜ!!」
アッシュさんが俺に教えてくれたように魔素から魔力への変換は身体の魔力回路を破壊しかねない禁術だ。シレオの驚愕の声に対しアッシュさんは笑いながら答える。
「少しくらいなら大丈夫だよ、だって今からほんの少しでお前を斬ることができるからね」
次の瞬間アッシュさんの身体を光が包み込む。その光はまるで揺らぐ炎のようだ。
「そんなバカな!?この空間の魔素を全て魔力に変えてるのか!?」
魔力の氾濫または魔力の炎上というべきなのか。アッシュさんは剣を持ち動くと一瞬でシレオへ詰め寄る
「くっ!!」
シレオが避けるために距離とる、しかし後ろには既に防御壁が、そして左右にも展開されている。シレオが苦い顔をすると体勢を変えアッシュさんに斬りかかる
しかし刀の先にも小さな防御壁が展開されている。シレオが驚愕の表情、そしてそれが悲愴の表情へ変わる
「シレオ…君が負けた理由を教えてあげるよ。それは自分のその術の強さに慢心し、僕の限界を勝手に決めたことだ」
そう言うとアッシュさんはシレオを真っ二つに斬り払った。シレオは悲鳴とも断末魔とも取れない声とともに絶命し地に伏せたのだった。
そして、シレオを斬ったアッシュさんも地面に倒れる、俺は心配して声をかける。
するとアッシュさんは首を回しこっちを見る
「勝ったよ、ミズキちゃん」
そんな風に笑顔を向け言う。
「アッシュさん!」
俺は半分泣き半分笑いのような表情を浮かべ重い身体を動かしてアッシュさんの元へ駆け寄ろうとした
何者かに肩を掴まれる。
「いやはや、シレオを倒すとは青年、やるじゃないですか!いやあ…君のことを正直言って甘く見てました。謝らせていただきます。ですがこの戦いは私の勝ちのようですね!」
振り向くとそこには黒頭巾が立っていた。
お読みいただきありがとうございます!
書く意欲と睡眠欲の2つに苛まれている作者です。
ごめんなさい、かなり長かったかもしれません。作者自身もどこかで切ろうかと思ったのですがそのまま続けちゃいました。次回は短くするつもりなんでまあバランスが取れるってことで許してください。
さて、アッシュさんカッコよすぎですね!まあ最近それしか書いてないような気もしますけど、自分で書いてて本当に強すぎだろ、とか思ってしまいました。長髪の男も個人的に結構好きなキャラでした。殺すには惜しかったか…
さて、次回投稿は明日!短め二本を予定してます!
誤字脱字にはできるだけ注意しておりますが、ありましたら報告いただけると幸いです。
感想、批評も待ってます!
では、