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奴隷娘の大逆転  作者: 逆辻 可愛
少年が少女に慣れるまで
13/45

12、事態は急展開する的な奴〜アッシュside〜

そもそも前の2話のアッシュさん視点ってだけで文字数は多くなると予想できたのに…

ごめんなさい長いです。


※活動報告に1話の簡単な解説を書いておきました。1話の後半についていまいち理解できなかった読者の皆さんはお読みいただけると少し理解できると思います。あくまでも作者の駄文なので完璧には伝えられないと思いますが、作者なりの考えも書いてありますのでお読みいただけるとうれしいです。


では、本編もよろしくお願いします。

ーアッシュsideー


ミズキちゃんと別れた僕はギルドマスターこと村長の部屋に入っていた。


「おお、久し振りじゃないかアッシュ、お前の騎士での活躍は冒険者達の中でも好評じゃぞ、元気そうで良かったわい」


「お久しぶりです、村長。えっと…僕がこの駐屯地に配属されて以来ですか、村長もお変わりなそうで良かったです」


ギルドマスターこと村長は国を代表する冒険者であった。また、過去あった闇の国による大規模侵攻の時は海の国の先陣として活躍し、そのことが評価され、国から最高位の臣下の位を得、また現、国のトップである皇帝は村長から剣の腕を磨かれたらしい。僕自身、剣術自体は自己流だがいろいろなアドバイスをくれた僕の恩人の一人だと思っている。そんな村長も今は第一線を退き今はギルドマスターとして隠居のような生活を送っている。しかし、ズマナ村の自治を統べるトップとしての政治の腕もなかなかで、今の村の活気の原動力となっている。


「ところで、お前が何の用事もなしにここに来るとは思えん、何かあったのじゃな、言うてみろ」


そう言った、村長の眼光は現役さながらの光を持っている。ちょうど飲み物を持って入ってきた職員に部屋周辺の人払いを伝え、村長は再び向き直る。


「さすがですね、村長。では単刀直入に言います。原っぱにドラゴンが出ました。ここは、龍種の住処から離れています。これは、この村もしくは国に対しての何者かの襲撃が起きるかもしれません」


「ふむ、ドラゴンがのう…お前さんがここに元気な顔をしているってことは叩っ切ったようじゃな、強うなったのう、して、ドラゴンか、これはちと厄介じゃの、奴らを相手できるような冒険者は今は少ないんじゃよ。そして、関連があるかは分からんがさっき森に行っとった奴らが森の異変を伝えてきた。もし、この二つが関連しているとなると急ぎ準備をした方が良いかもな」


そう言って徐に立ち上がった村長は通信の魔導具を使い、国へと連絡を付ける。国にある程度の軍を近隣に配備するよう申し付け終わると、村長は他の職員に集まるよう指示する。


「とりあえず、このギルドはこの国の重要な施設であり、そして村の中心じゃ。ここが堕とされればこの村は一気に陥落する。アッシュ、お前は騎士さん達にこのことを伝え森付近に行ってくれんか?さっき報告で森のくまさん達が多数おいでなすってるらしい。冒険者では手に負えんらしくてのう」


「分かりました」


そう言って僕は部屋を出て、駐屯地に向かう、村長たちギルドの職員の人たちは今からギルドを中心とした防衛施設の設置を進めるようだ。




駐屯地でことの次第を伝えた僕は何人かの騎士達と妖の森付近の熊の討伐を開始した。そこは既に熊たちによって、けが人で溢れかえり、冒険者の中には死者も出ているらしい。また、熊に混じって鋭い鎌が特徴の蟷螂も出てきているらしい。一見すると森から出てきてただ暴れているように見えるが、その動きは統率的だ。駐屯地の隊長であるログマさんが僕を含めた全員に声をかける。


「魔獣達のこの動きはおそらく何ものかに操られている可能性が高い。センとジョウは倒れている冒険者の人々の救助を救護の人びとと、マルクは魔力探知でこいつらを操ってるやつを探せと俺とカイリとアッシュは魔獣達の討伐だ!全員、持ち場につけ!海の国の騎士の実力を見せてやるんだ!」


「「「はっ!!!」」」



散開した僕ら討伐班は冒険者たちの援護に入る。ここにいる魔獣達は熊が6頭、蟷螂が3頭、その他小さな魔獣達が多数というところである。


蟷螂かまきりというのはこの森に住む階級の上位の肉食系の魔獣である。鋭い鎌と硬い甲殻、そして獰猛な性格を合わせ持つ。攻撃手段はその鎌を使った攻撃のみとシンプルであるが、速い動きと攻撃範囲の広い腕、並の防具では受け止められない斬れ味の鎌の所為で対策が取りづらいのである。


「冒険者の中で腕に覚えるやつ以外は下がってろ!こいつらは小手先が通用するような魔獣ではない」


ログマさんが戦っている冒険者達に声をかける。熊の方は冒険者達でも相手どれる魔獣であるがさすがに蟷螂は厳しいものがある。


そもそも冒険者と騎士の違いとしては戦い方などの違いが挙げられる。

冒険者は森や山など未開の地での魔獣退治から素材の採取など広く生業としている。また、冒険者の戦闘スタイルはPT(パーティー)と呼ばれる少数の徒党を組みそれぞれが役割を持って戦うのが基本である。そのため、村長のように1人で魔獣討伐が出来るようなものもいるが、PT(パーティー)メンバーが1人欠けるだけで機能しなくなることも多いのである。

対して騎士は国によって定められた試験を突破することができた猛者たちがなることができる職業である。その試験内容は勉強はもちろん、対人戦や魔獣討伐などの実戦などの状況判断やスキルも問われるものである。そのため騎士の中にも魔法が得意なものや剣術が得意なものなどがおり、それぞれが単体で魔獣に対抗するぐらいの力を持つものが多いのである。


僕は今にも冒険者に襲いかかろうとしていた蟷螂の攻撃を束縛魔法で妨害すると光を大剣に集めて、蟷螂の節々の間めがけて振り下ろす、蟷螂の身体な、一刀両断される。


僕の大剣は冒険者であった父が遺してくれたもので、鍛治技術の盛んな銀の国で作られたものでその斬れ味、耐久性とも申し分ない。さらに、僕はそこに魔素を纏わせ光へと変換すること斬れ味を大きくあげた刃を作り出す。


僕を真っ先に倒すべき敵だと認識した2匹の熊が僕に襲いかかる、僕はそれを作り出した防御壁シールドで阻むと、動きの止まった熊を斬り裂く。この、魔法と剣術を組み合わせ、絶えることのない剣戟により僕は"絶刀"の二つ名を得たのだった。


(まあ、僕的にはすごい恥ずかしいのだけどね)


そんなことを考えてると2匹目の蟷螂を倒すことができたらしい。さすがは国から選ばれた騎士だ。






全てを討伐する頃には夜になっていた。

僕らが来てからの討伐は順調であったがなんせ数が多かった。そして、魔獣達を操っていた人の発見には至らなかったらしい。


「とりあえずはここで様子見だな」


そうして安堵の表情を浮かべた僕たちの頭上から無数の飛竜ワイバーンが降りてきたのだ。



「やあ、律儀にも全部の魔物を倒してくれたようだね、でもそのおかげかな?君達にはギルド本部が壊滅したことが届いてないと見える」


そう言って黒頭巾の男が何もなかった空中から突然現れた。


「ギルド本部が壊滅?嘘も休み休み言え。あそこはそう簡単には落ちんし、何より村長がいる」


そう言い放つログマさんを黒頭巾は鼻で笑い、そして僕の方に顔を向ける


「まあ、信じろとは言わないさ、だけどね今から本部へ避難する人たちはこのことを知らない。そういえばハースという淑女レディの経営する宿にいた人たちも先程本部へ向けて出発したらしいなあ、おそらくあの少女も一緒だろうよ、くくく…果たしてどうなるか分かるよな?」


「な!?なぜミズキちゃんのことを!」


「さあ?なぜだろうなあ〜」


そうはぐらかす黒頭巾にイラつきが募る。大剣を持つ手に力を込めるとログマさんに肩を掴まれる。


「アッシュ…奴の言うことがほんとかどうかは分からん、確かめようがないからな、だが例えこれが罠だったとしても本部にだって援軍は必要かもしれん。アッシュすまんが急いで本部へ戻ってくれ、あと、少女ってのはよく遊びに来てたミズキって子だろ?こっちは俺らで十分だから、お前はさっさと向かえ!!」


僕はログマさんの言葉に頷くとすぐに本部へ向けて走り出す。しかし前方には飛竜ワイバーンが行かせないよう群れをなす。


「そう簡単に、君をあっちへ行かせると思うかい?私は君の足止め頭領から任されたんでね…って、おっと、人が喋っているときに斬りかかるのはどうかって思うよ」


「いいから、アッシュ行くんだ!」


そう言ってさっきまで敵の探知を行っていたマルクさんが黒頭巾に斬りかかる。それを手始めに他の騎士のみんなも僕のために道をひらく、感謝しながら僕は身体に強化魔法を纏い道を急ぐ。途中、何度も飛竜ワイバーンが襲ってきたがその度斬り伏せ、突進は防御壁シールドで防ぎ無理矢理進む。




「あ〜あ、行かせちゃったあ…。あとは任せたよ頭領、さて騎士ナイトは姫の救出に間に合うのかな、くくく」

















飛竜ワイバーンをいなしながらしばらく走っている、そろそろギルド本部が敷いた防御施設のはずだ


突然大きな轟音が夜の街に響く、僕は何かにひかれるようにそっちへと方向を変え走り出す。






そこで見たのは道に倒れる少女とその前に立つ女の人、そしてその前には1匹の龍が立っており今にも尻尾を振り下ろそうとしている。





(あれは、ミズキちゃんとおばさん!?やばい、あのままじゃ二人とも、くそっ…間に合え!!)









身体の限界は既に超えているが、それでももっと、と足を速める









しかし無情にも2人目掛けて尻尾が振り下ろされる








(くっ…間に合わない!)











ー……お願いだから、アッシュさん助けてよおおおお!!!







唐突に聞こえてきたミズキちゃんの僕を呼ぶ声










(諦めるな!届け 届け! 届け!!)


「届けええええ!!!"精霊障壁フェアリーウォール"!!!「 」














紙一重で龍の一撃が止められ、龍の尻尾が衝撃で爆発する











突然のことに驚いている彼女の前に立つと





「ごめんね、ミズキちゃん、ちょっと遅れちゃった」





僕はいつものように笑いかけた。




お読みいただきありがとうございます!


初めての感想もらった喜びから全く眠れずほぼ徹夜状態の作者です!


と、いうことで冒頭にも書きました通り前の2話のアッシュ視点ってそりゃ文字数増えますわ


さて、アッシュさんと黒頭巾くんの初めての対面となりました。相変わらず謎の多い黒頭巾、作者自身もよくわかっておりません(おいっ!


さて、今回もアッシュさんカッコよかったですね、最後のミズキちゃんへの笑顔とか頭の中で想像しただけで惚れてしまいます。ただ作者的には冒頭の村長の古豪感が好きです


ということで次回はアッシュVS長髪の男たちを予定してます。お楽しみに


深夜テンションのまま書き連ねたので誤字脱字があるかもです。ご報告いただけると幸いです。

感想、批評も待ってます!送っていただけると今なら作者のにやけ顏をプレゼント!あっ…いりませんか…そうですね…


では、

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