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変人な美少女ばかり!  作者: 凉菜琉騎
~プロローグ~
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プロローグ

海ヶ丘学園。

 美少女が多いと有名な学園で偏差値や倍率も高く、入学するのは困難。

 俺の成績では無理だと担任に告げられていたけど、そんなこと気にしなかった。

 だって、美少女が多いと言われたら行くしかないだろ?

 俺はそんな男だ。

 色んな美少女とお話しするためなら、どんな困難があろうとも、たとえ水の中、火の中、宇宙の中でも行ってみせる。

 そして、努力の甲斐があったのか無事に合格。

 これから俺は色んな美少女とお話しして、キャッキャウフフな学園生活を迎えようと、その時は思っていた。


 しかし、現実は――

 何一つ変わらない日常を過ごしていた。

 学校では友達とくだらない話をして盛り上がり、放課後にはゲーセンやカラオケなどに行くこともあった。そんな普通の学校生活を送っていた。

 クラスの女子からは変態でも見るような眼で見られていたけどそれも普通。

 いや、普通じゃないけど、もっと女の子と話がしたい。なんで話しかけてくれないのだろうか? 俺が何をしたって言うのだ?


 俺――東堂賢人が“変態”という汚名を被ったのは入学して一ヵ月後の話。

 GWが明けた体育の授業、女子成分が少なかった俺は、女子達のブルマ姿を食い入るように観察していた。

 リンゴからスイカまでの胸の大きさを眺めて、サイズを予想してたり、汗で密着して薄ら透けたブラの色を予想して、腰からヒップまで絶妙なラインで身悶えて、たまにチラッと見えるお腹を見た時には興奮して叫ぶほどに。

 6月、梅雨の月。

 祝日が無い月で不平不満をたらすクラスメイト。

 しかし、この月は俺にとって最高の日だと思った。

 雨続きのある日。

 ある女子生徒がYシャツを濡らして教室に入ってきたときの事だった。

 俺は何気なく、その女子生徒を眺めていたら濡れたYシャツが肌に吸いつき、透けていた。ブラの色、谷間、お腹などいたるところが露わになって、俺は興奮した。目に焼き付けんばかりに視線を胸やお腹を撮影していた俺の目線に気づいた女子生徒は辞書を投げつけられて脳内保存できなく、気絶してしまった……。

 夏になるとプールの授業が追加する。

 男女別なのは残念だが、グラインドからでも女子のスク水姿を拝めることができるので俺は具合が悪いと仮病をつかい、プールの近くにある日陰に休んだ。

 まずは胸から、膨らみかけのロリッとした体から、熟成したスイカのよう胸が、スク水で締め付けられて、今にもこぼれそうな大人な体まで、大小それぞれな娘がいた。

 スイカの少女なんか歩くたびに、たゆんたゆんと揺れて、しまいにはスイカさんが現れた日には興奮で鼻血が噴出して、そんな姿の俺を見つけた先生は保健室に連れて行かれた。


 このことが原因で、クラスの女子からは汚物でも見るような目で避けられるようになり、話しかける女子0人。

 男ってみんな同じことをしているだろう?

 これが普通だろ? なぜ俺ばかりがこんな目に合うのだ。

 クラスメイトにいたイケメンだって同じことをしているのにモテるのはおかしい!

 イケメンに非がなく、それ以外は淘汰されるのは許されない! イケメンは一匹残らず駆逐してやる!

 これが入学して一年の出来事だった。

 ごくごく普通の学校生活を送っていたはずが、女子からは熊注意もとい変態注意として学校中の女子に広まり、危険物扱いされる。


 一年が終わろうとする12月31日。

 美少女たちと楽しく、過ごす日だと思っていた最後の日付は……変わった。

 今年の4月には2年生だ。

 汚名を被ったまま3年間過ごす俺ではない。

 動くなら今年からだ。まだ諦めたわけじゃない。

 あと2年の学園生活があるのだ。このまま終わるわけにはいかない。

 たとえ、不利な状況でものし上がってみせる。この学園に入学した時みたいに。

「待ってろよ!!! 必ず美少女達との桃色な学園生活を過ごしてやる!!!」


 今年の抱負

 「今年こそは美少女達と共に学園生活を送る!」


「賢人、俺と真美さんは海外旅行に行くことになったから」

「そうなの? いってらっしゃい。俺は1人で大丈夫だから気にしないで行ってきて」

 親父からの突然の申し出に俺は半ば喜んでいた。だって一人暮らしができるのだぞ?

「ふふ、賢人くんは京華ちゃんのとこに世話になるのよ?」

「そうだな、お前一人だと不安だから、何かあった時では遅いしな」

「へ? ちょっと待ってよ! 霞さん家に俺が? 京華さんに会ったことはあるけど……確か俺と同じ年頃の娘が二人いなかったっけ? それはまずいんじゃないのか?」

 京華さんと母さんは昔からの友人で今現在も交流があり、時々、食事に行き、家に来て雑談などする。

 しかし、俺と同い年の娘と一つ下の娘がいると言うことは前から聞いているが面識がない。子供の頃に同い年の娘と会った事あると言われているけど、子供の時の記憶なんて覚えてないから面識がないのと同じだ。

「お前がどんなに変態だろうが、京華さんがいるから大丈夫だ」

「今さらっと俺に喧嘩売ってきただろ? 親父に言われたくねぇよ。この前なんてキャバ――」

「うおおおおおおおお!!! 賢人! 喧嘩売ってんのか!!?」

「謙太郎さん? あとでお話し聞かせてくださいね?」

 顔はニコニコ笑顔だが目が笑っていなかった。母さん怖い。

「賢人ぉ~覚えてろよ!」

「賢人くんは悪くないでしょ?」

「……はい」

 親父は女性にだらしないが基本は母さんを悲しませない程度に済ましていると本人は言っている。いやそれは違うだろ?

「お母さんたちはそろそろ行くから今日からお世話になるのよ?」

「ああ……………………今日!?!?!?!? 早いよ!」

「京華さんが迎えに来るから支度しなさいよ?」

「まあ分かった。直ぐじゃないだろうから準備してくるよ」

 今日からお世話になるとは、心の準備がまだ整っていないけど、一時間くらいは猶予があるはずだから、それまでは荷物と心の準備をしよう。

「あと5分で来るからね?」

「ちょ!?!?!?」

 荷物は幸い直ぐに準備できるけど、心の準備ができなかった。

「賢人くん、行ってくるね~お土産期待しててね?」

「賢人! 帰ってきたら覚えてろよ!」

 それぞれ一言ずつ言った後、玄関の扉が閉まる。

 休日の昼間、今日から俺は新しい環境で生活をすることになった。

「準備するか……」

 自室に戻ろうと踵を返そうとした時、ガチャという玄関のドアが開く音がして振り向くと京華さんが立っていた。

「けんく~ん、迎えに来たよ?」

5分もしないうちに京華さんの迎えが来た。もう俺は何も驚かない。



 車で迎えに来た京華さんを待たせないように直ぐに荷物の準備を終えて乗車。心の準備は未だに終えてない。その後、20分して霞家に着いた。

 二階建ての家で現在は京華さんと二人の娘で暮らしている。夫は単身赴任で九州へ飛ばされていると聞いていた。

「今日からここが家だよ? 私の事はママって呼んでもいいからね?」

「お邪魔します。京華さん」

 “京華さん”を強調して家に上がった。女性だけが暮らしているから甘ったるい匂いが、漂っているから入りづらい。

「私の息子さんはもう反抗期だよ~」

「息子になった覚えはないよ!?」

 ノリが母さんと同じだから、ついツッコミを入れてしまう。

 リビングに通されて京華さんに椅子に座るように促された。

「今、花帆ちゃんと香梨ちゃん呼んでくるね?」

 二人に会うのはこれで初めてだ。まずはできなかった心の準備をする。そして周りを見渡す。リビングに入って左側にキッチン、冷蔵庫、食卓。俺が座っているのはリビング側とは反対の左側の椅子に座っている。そして、リビングから入って右側がテレビ、ソファーがある。普通の家である。普通じゃない家ってあるのか?

 しばらくして、リビング向かってくる足音。

「お待たせ~」

 京華さんの声。

 いよいよご対面。

 俺の隣に京華さんが座り、俺の対面に笑顔を浮かべた髪を腰まで伸ばしたストレートの娘が、その隣にムスッとした、俺を睨むような眼で両サイドに結んだ髪のツインテールの娘がそれぞれ座る。

「けんくん」

 京華さんから促されて俺から自己紹介をする。

「東堂賢人です。いきなりの事で迷惑をおかけしますけど、しばらくこの家にお世話になります。よろしくお願いします」

「けんくん、固いよ? いつものけんくんで良いんだよ?」

 いつもの俺で接したら二人に引かれるって。

「姉の香梨です。よろしくお願いします♪」

 香梨さんが俺と同い年みたいだ。その笑顔が眩しくて可愛い!

「ううむ、どのキャラにしようか……」

 キャラ?

「よし……。妹の花帆です♪ 今日からよろしくね♪ お兄ちゃん♪」

 さっきの発言は気になるけど、個性があって可愛い! 一つ下だから妹ができたみたいだ。


 二人に会ってから学園が始まる2日間は、特に変わったことはない。

 いきなり美少女とお話しできたことが嬉しかったため、ちょっと浮かれていた。


 そして、俺はこれから二人の事を知ることになるのだった。


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