四章四話イルの変化④
◇◇◇◇◇
その時…
魔王と特別な因果にあったリーンは…
リーンだけは、動けた。
本人曰く、もう現役ではない…
と、言っていたリーンだったが…
その魔力の高さは魔王と遜色なく…
故に、
特殊な方法で混乱の術を回避していた。
リーンは決断を迫られていた。
仲間をどうやって救うか?
どう、世界を守るか?
残念ながらリーンがどんなに探しても、
混乱の術を解除する方法は無かった。
唯一…
術を施した本人…魔王を倒す事…
それ以外に方法はなかったのだ。
だからリーンは
現状で可能な苦肉の方策として…
自身の全ての魔力を投げ打ち、
闇堕ちした仲間全員を
水晶に封じる…という決断に出る。
根本解決ではない、
応急の処置ではあったが…
リーンには…これしかできなかった…
魔王を脅かすほどの力を持った仲間達…
彼ら全てを封印し、
世界は事なきを得た。
だが…
その代償にリーンの中にはもう、
魔力が残っていなかった。
しかし、逃げた魔王もまた、
渾身の術を使った事で
魔力を枯渇させ、
今後数百年以上は
完全復活はできないだろう。
ならば…
逃亡した魔王を探し出し、
差し違えてでも倒す…
そうして、リーンは独り旅に出た。
仲間を正気に戻す為…
世界の真の平和の為…
自身の全ての魔力を常に封印へ
注ぎ込まなければならず、
術の使えない術者となった。
魔王を倒すまでは…ずっと…
◇◇◇◇◇
(イルの変化⑤へ続く)




