四章二話ブレイブダンジョンのラスボス④
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見事な四頭身、
短い手足…
痩せても尚、小太りな容姿。
目は分厚い瞼で埋まり、
鼻は豚のそれだ。
キャラとしては、
ヘタレがこの上なくお似合いのイル。
しかし…
今のイルからは、
不思議な気配が漂っていた。
「ふう…
止めろ、と言われましても…
言っときますが、本当に僕…
今は…
チカラが無いんですけどね?」
続けてイルは言う。
「ずっと、ここに来て
決着を付けたかったのは確かなんですが」
今までのイルとは…
何かが違う。
…だが、
リーンはむしろ、そんな彼を
懐かしむように、応答する。
「ここに来て…
どうするつもりだったのだ?」
「奴を始末する…」
水晶に封じられている
人影を真っ直ぐに睨みながら
イルは物騒にも呟くが…
「…なんて!
今の僕には無理です。
なので…
リーン様に手伝って貰って…
奴が持ってるプレートと、剣だけでも
入手したいんですよね」
「計画性が気薄だな!
しかし…
良かろう!
協力してやろうぞ!」
リーンもまた、水晶をしっかりと
見据え、杖を構える。
「して?策は?」
今までのイルでは、考えられないような
流暢な仕草で剣を構えながら
静かにリーンへ問う。
「一瞬でいい、奴を…止めろ!」
その言葉を聞き、
弱気のイルがまた
顔を出しそうになったところを、
リーンは不敵に頬を緩め、
追加の言葉を発する。
「アーファ。
…あのドワーフの少女から譲り受けた
アイテムがあるだろう?」
あのペンダントか!
思えば…
リーンは旅の各所でドワーフ族から
貴重なアイテムを譲り受けてるのだった。
アーファとの出会いも、
運命的なものだったのかもしれない。
キラリとリーンの手から光る物が
宙を舞い…
そしてイルの手へ
アーファから譲り受けたペンダントが渡る。
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(ブレイブダンジョンのラスボス⑤へ続く)




