四章二話ブレイブダンジョンのラスボス②【挿絵付き】
◇◇◇◇◇
「危ない!」
イルの鼻先を、
とてつも無いエネルギーが掠めていく。
そのエネルギーは
鍾乳石に当たり巨大な穴を開ける。
「なっ⁈」
それは…
顔半分だけ、
水晶の結界から解放された
"ラスボス"が放った一撃だった。
詠唱する魔術…の、類いではない。
それは…
神域に達する程に熟練された
戦士が習得する、
覇気…という存在の
進化系らしいエネルギー弾だった。
宮廷魔術士は、一瞬、躊躇する。
だが、
すぐに己を奮い立たせ、強気に出る。
「ふ、ふん…!
思えば…寧ろ好都合じゃないか!
一部しか封印が解けないなら、
動けぬうちに、始末してやろう!!
ほぼ封印されてるような魔物なぞ、
私の敵では無いわ!
私の冒険者レベルは120!
魔法力230!
この私の、高等魔術で吹き飛ばしてやる!」
「冒険者レベル120⁈
凄いなぁ!
しかも魔法力…230!
上級術者でさえ、
魔法力100いくかどうか…だよな!」
イルは宮廷魔術士のレベルの高さに
ぽかんとした顔になる。
「う〜ん…
悔しいけど腕は確か…という事かぁ…」
どこか飄々と関心するイル。
しかし、
リーンは臆することなく、
宮廷魔術士に尚も警告する。
「やめておけ、
水晶の中の奴は魔術士ではない、
至近距離戦では、
貴様は完全に分が悪いのだぞ?」
「うるさい!!私こそが…」
言いかけた宮廷魔術士だったが…
残念ながら
リーンの静止よりも早く、
"ラスボス"は
詠唱中の宮廷魔術士の腕を
エネルギーでダメージを与えた。
「ぐぁぁ…⁉︎⁉︎」
続けざまに、
もう片方の腕、両足…
「うわ…」
"ラスボス"の容赦無い攻撃に、
イルは顔を歪める。
エネルギーは次々と攻撃を繰り出した。
宮廷魔術士は、
超速詠唱を掛けて呪文を繰り出す筈だった。
それを上回る速さの"ラスボス"の
エネルギー弾…
何もできず、一瞬の出来事であった。
◇◇◇◇◇
(ブレイブダンジョンのラスボス③へ続く)




