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三章二話ブレイブダンジョン⑤【挿絵付き】



◇◇◇◇◇



「イル!少し黙れ!」


リーンの冷たい一言がイルに刺さる。

ついに愛想を尽かれてしまったか?

イルの背筋が冷たくなる。


しかし…

リーンの視線は、

イルを見てるようでは無かった。


むしろ…

イルを庇うように、自分の背後に

寄せ、前方を警戒しているようだった。


リーンが警戒する前方から

生臭さと、獣臭が混じったような

嫌な臭気が漂っていた。


「…来るぞ!イル!逃げろ!!」


「…⁈」


圧倒的な圧をもった塊が

猛スピードで飛び込んでくる。


ふと、

イルは前世の戦闘時の感覚が蘇る。

無意識に剣を鞘から抜き放ち…敵を、、、


…敵を斬りつけようとした…

気でいたが…


そもそも、腕が短過ぎて

鞘から抜ききれず、

途中でもたつく。


前世モードの無意識の感覚は、

戦闘する気、満々だった為に

逃げ遅れ…

抜けきれない鞘を持て余しながら、

イルはその場に立ち竦んでしまう。


そして、押し寄せる巨体…


間近に迫った存在…

それは、超巨大な芋虫だった。

全長四メート、高さも幅も規格外の…


怪物…!


挿絵(By みてみん)


人を丸呑みできそうな大口から、

無数の鋭い牙が蠢いていた。

そんな大口に喰われてしまえば、

あっという間に噛み砕かれ、

終わってしまうだろう。


「それは、上級魔物だな!

レベルは確か…105くらいだったか?」


リーンが冷静に魔物を分析しているようだが

それどころでは、ないだろう?

上級魔物?

コイツが…ベテラン冒険者でさえ、

全滅させるほどの魔物か…


いや、自分だって、

そんな事を考えてる場合ではない。

イルは迫り来る魔物の不気味な大口に、

混乱する。


…と。

巨大芋虫の大口が刹那、動きを停止する。

続けて蠢めく牙が歪み、

直後…



ドゴオォォォン!!



凄まじい轟音が壁に反響しながら

鳴り響いた。



◇◇◇◇◇


(ブレイブダンジョン⑥へ続く)

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