三章一話終わりへ進む者⑦【挿絵付き】
◇◇◇◇◇
アーファはニ人に駆け寄り、
首にかけていたペンダントを
大事そうにリーンに渡す。
「ねぇ…
リーンさんて、
あのリーンさん…で、
いいんだよね?」
意味不明な言葉を言うアーファだが、
顔は真剣そのものだった。
「昔から…
私の一族に伝えられてきた事があったの。
古のドワーフ族の大首領の形見を…
リーン様に出会った者が献上せよ、
って言い伝え」
アーファは、小声で…
まるで自分に言い聞かすように言葉を紡ぐ。
「本当は、私も
ちょっと信じられない
感じもするんだけど…
リーンさん…
名前が単なる偶然の一致ってだけだったら…
ドンマイって事で…
でも、今だ!って私は思ったから。
うん、多分、きっと…
リーンさんに託していいんだと思う!」
そう言ってアーファは
渡したペンダントについて、
古の大首領の形見の品だと説明をする。
「このペンダントには不思議な力が
あるんだって。
一日一回、
しかも、一瞬だけ内に秘めてる能力を
引き出せる…力…?
とか、何とか…?
私には分からないけど…術者の
リーンさんなら、
上手く使えるのかもね!」
「…秘められた能力の覚醒作用…か。
我には封印された力などは無いがな」
「?」
きょとんとするアーファに、
リーンは柔らかく微笑み…
「いや、ペンダントは有り難く頂戴する」
「うん、ニ人共…気をつけね…」
そう言い、
今度こそニ人を見送るアーファは、
少しだけ寂しさを覚える。
ニ人がやけに遠い存在な気がした。
自分では到底、手の届かない…幻のような。
「まさか…ね。
またすぐに会えるわよ…」
友達なんだから。
そう自分に言い聞かせて、
これ以上、ニ人に災難が降らない事を
祈りながら、自宅へ戻る。
◇◇◇◇◇
(二話へ続く)




