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二章・第三話ブレイブダンジョンへ③



◇◇◇◇◇



世界には…

様々な形のダンジョンがあるが、

ブレーブダンジョンは、

山の内部の、自然空洞を利用した

形態のダンジョンだ。


空洞や洞窟というと、

狭くるしいイメージがあるが…

ここは比較的広く、

高さも三メートル以上は

裕にあり、圧迫感はない。


ダンジョン内は、辛うじて随所に

ランタンが設置されており、

決して全体が明るいという訳ではないが

ある程度、周囲を確認する事は

可能だった。


更に幸いなのは…

地面は、長いダンジョンの歴史の中、

多くの冒険者により

踏みしめられたからだろう、

イルのように辺りをキョロキョロ、

よそ見をしながら歩いても

岩に躓き転ばない程度には

平坦になっていた。



とはいえ、ここは正真正銘、

ダンジョンだ。

観光地ではない。


「イル、

よそ見していては転ぶぞ!」


呆れ声でリーンが注意する。


「い、いや…えっと、

ほら、上からだって

魔物が襲って来るかもって?」


「目視だけで警戒するのではなく、

五感を使って警戒するのだ」


ちょっとしゅんとしたイルだが、

気を取り直し

リーンの言い付けを実践しようと努める。


リーンは、本来…後衛の術士で、

術者とは、

前衛に守られながら

背後で控える立ち位置が

通例のポジションの筈だが…

すたすたと慣れたようにリードし、

前を歩いて行く。


そんな彼女に、

前衛剣士のイルの矜持が平気な

訳ではない…


だが、それ以上にリーンに対し

絶対の信頼と尊敬を持っていた。


巷ではダメ術士などと…

過小評価をされているリーンだが…


イルは先日の出来事を思い出す。


『彼女って、ひょっとして…

実はかなりの高齢で、

現役引退した冒険者なんじゃ…?』

『そう言えば、ギルド職員と前に…年齢記載で

揉めてたみたいよね?』


他の冒険者の間では

リーンに対し、様々な詮索がでていた。

駆け出し冒険者にしては、

経験豊富だし、落ち着いてるし…

経験はあるが…

もしや、老齢過ぎて魔力が既に枯渇していて

術が使えないのか…などと。


なるほど、

イルは鋭過ぎる推察力だ、と思いつつ…

周囲は見た目の問題を挙げる。


『術使いって幻覚術とか使えるらしいし…

世の中には姿を変える

薬だってあるって言われてるよねぇ…』

『え〜!まさか、お婆ちゃんだったり…⁈』


リーンには絶対に聞かせられないような

失礼な詮索が次々と飛び交っていた。

剣術稽古の場で…

ギルド酒場の片隅で…



「イル!!」



つい、イルが集中力を切らし、

物思いに耽ってしまった瞬間…


リーンの鋭い声がダンジョン内に

響く。



◇◇◇◇◇



(ブレイブダンジョンへ④へ続く)

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