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二章・第二話進めば暗雲⑦



◇◇◇◇◇



ブレーブダンジョン攻略にはルールがあった。



まず…

ダンジョンは十層からなる、

等級に分類されており、

ギルドからの規定により

冒険者のレベルに応じて、

侵入できる層が制限されているのだ。



また、各層に於いての依頼も異なる。



イルのような初心者には、

一層での簡単な依頼が科せられている。


基本、このダンジョンは

個人の好きには階層を

侵入できない決まりだ。

ギルドでの依頼を受け、

初めて、規定の階層へ入れるのだ。



ただし、例外はあった。



それが"レベル定義無し"の

所謂、虹色のプレートを所持する者だ。


かの者は、世界中のダンジョンを

等級の概念無く侵入して良い。


そんな、

"レベル定義無し"を

所持できる資格のある者は…

王族の血筋の者、

天賦の才を持つ高名な冒険者、

国から特命された裏の冒険者…



そして

魔王と対峙した古代の勇者のみである。



そもそも、虹色のプレートは元来

古代の英雄勇者の為に作られた

物であった。


だが、時代が流れ…

必要に応じて、自由にダンジョン

侵入を許された特別な人物に対し、

英雄勇者の稀有性に準え、

ギルドから虹色プレートのレプリカが

発行されたのだ。


いずれにせよ、

虹色のレプリカプレートを所持できる

人物は…特別な血筋か、

尋常ではない実力者であることは確かではある。




「しかし…本当にダンジョンが…

ラスボスが攻略されちまったら、

こっちも商売あがったりだなぁ」


武器店の店主は顎をさすりながら

愚痴る。


「ラスボス…ぼ、僕だって夢見てるのに…」


イルも同調し、拗ねたように

口を尖らせる。


ブレイブダンジョン最奥に

存在しているという、「ラスボス」は、

全冒険者の目標だ。


だが、実際そのラスボスが地上に出て、

暴れてる事は無い…

というより、数百年来の歴史書にさえ、

ラスボスの記述はなく…

その証言もごく僅かな伝説的存在だ。


しかし、

その神秘に踏み入れる者が

ついに現れたのか…?



"レベル定義無し"を持つ宮廷魔術士には、

最奥に行ける権利がある。

…実際到達できるかは別として…


イルは悔しそうに、眉を顰める。


「僕だって負けてられない…!」


「ハハ!頑張れよ!冒険者」


そんな会話の中、

リーンだけは、

宮廷魔術士の…既に去った後を

見透かすように追っていた。

ポーカーフェイスの瞳にはまたも珍しく、

険しい輝きを秘めて…



◇◇◇◇◇



(第三話へ続く)

イル:「え?僕の身長を知りたいって?

困るなぁぁ…個人情報はあんまり…

まぁ、でも明日も来てくれたら…教えてあげよう!

…グフフ」

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― 新着の感想 ―
サクサク読めて面白かったです! イルとリーンのポンコツ感と軽快なやり取りが楽しくて、思わず笑顔になりました。自然と応援したくなるコンビですね。 挿絵もあって楽しめました。
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